出版年やその頃の時代背景もあり、書けなかったこともあるのだろうなという前提で読むべき。
当時、彼女は共産党支配下の中国で暮らしていたわけで、日本批判をしなければ、生きていけなかったのだと思う。そういった事情を顧みても、一読の価値はある。
公家の旧華族出身ということで、文章の端々に鼻に付く表現
...続きを読むもあるが、新華族の人々が書く様な下賤さは見られない。
この当時の満州関係の証言本や自伝は、関東軍・満州国・日本国、この3者の視点が必要だと常々感じているが、その一翼を担う作品だと思う。
嘘が書かれているとは言わないが、冒頭で述べた点に留意し、よく読むことで、価値のある作品となっている。