能勢伸之のレビュー一覧
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能勢さんの新刊。キーワードは集団的自衛権とデータリンク
今までの政府見解/国会答弁では『一般的な情報伝達は集団的自衛権の行使に抵触しない』が、米海軍が導入したNIFC-CAによるデータリンクは共同交戦を可能とするレベルのモノなので、集団的自衛権に関する政府見解を改めないと導入できないのではないか?というのがテーマ(語られていないが、こっちが本命なのでは?と読んでて思った)集団的自衛権をあくまでも厳格に認めないと、経済的、効率的に我が国の防衛ができないが、それでも厳密に認めないことが是なのか?という趣旨。(と、読んだ)集団的自衛権に関する政府見解の推移は必見。 -
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北朝鮮が頻繁にミサイルを試射し能力を増強しつつあるが、米軍はイージス艦や早期警戒機、地上レーダーの探知能力や、ミサイル撃墜能力、そしてそれらをネットワークで連携する能力を向上させてきた。短時間で到達するミサイルをしかも複数のそれを撃墜させるには、そうせざるを得ないであろう。
日本を防衛するためには、米軍のそれらと自衛隊とのリンクも必要になるだろうが、それが集団的自衛権など法律解釈の見直しなり変更なりの検討が必要な理由である、との説明である。
本書は、現在の日本を取り巻く軍事情勢を分かりやすく解説した好著である。本書に書かれたくらいの知識を知らずして集団的自衛権などの議論をすることは的外れ -
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防衛省と自衛隊との違い、様々な内部部局やそれぞれの会議の役割など、国防という重要な問題について知らないことが多かったので勉強になる。難解ではなく読みやすい。
警察予備隊から防衛省にいたるまでの変遷、情報公開の必要性など。
情報公開などは、国防に関してはあまり表に情報を出さない方が防衛に資するのかと思っていたがやり方しだいなんだな。
戦争とか軍事とか嫌いだからミリタリー分野なんて知る必要はない!じゃなくて、平和を望むからこそミリタリー知識が必要なんだという主張は納得。
この本が出た後にも日本版NSCの設置法案や集団的自衛権の閣議決定、自衛隊の海兵隊機能の強化の動きなど、防衛に関する新たな動きが出 -
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アヴァンガルドやキンシャールなどのロシアの極超音速ミサイル/滑空体は、核兵器の運搬手段で有り、米国のMDを突破することを目的としているようだが、等の米国は元々ロシアの戦略核にはMDではなく戦略核による抑止と報復で対校しているので、ここは『恐怖の均衡』が崩れることはないと言える。
ただし、中国の中距離核+極超音速兵器は、A2AD戦略の貯めに、日本や台湾並びに、日本や台湾を救援に来る米軍を狙ったものであり、コレは「新たな脅威」と言える。そして、米軍は新たな迎撃システムの構築と、独自の極超音速兵器の開発で対校しようとしているが、なお研究開発段階であり、一歩で遅れていると言える。
ただし、極超音速 -
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著者の一連の作品と同様、あまり読みやすくはないが、HGV等の極超音速兵器に関する、専門的な技術的内容以外の基本的情報はまとめられており、基本的知識の把握には役に立つ。
以下、要点。
・極超音速兵器の発端はオバマの核なき世界の実現の構想。非核で核と同様の目的を達成するための手段が極超音速兵器。このため米側の極超音速兵器は全て通常弾頭。ロシアや中国は核弾頭と通常弾頭両方。
・極超音速兵器は技術的にはロシアと中国が先行。米国もようやっと危機意識。
・対極超音速として、米軍はNDSA。ロシアもレーダー等を開発。中国は不明。
・南シナ海は、中国のSLBMの聖域確保という意味合いもある。
以下、参考に -
Posted by ブクログ
内容ですが、
はじめに――防衛の話はなぜ、ややこしいのか
第1章 日本軍と自衛隊は別物か
第2章 防衛省最古のDNAがなぜ「占領軍世話係」なのか
第3章 マッカーサーはなぜ警察予備隊を作らせたのか
第4章 警察予備隊と保安隊と自衛隊はどこが違うのか
第5章 統合幕僚会議とは何か
第6章 防衛庁と「防衛省」とはどこが違うのか
第7章 非武装中立論とは何だったのか
第8章 防衛省のシステムは万全なのか
第9章 残された問題をどう考えるのか
第10章 武器の話はマニアのためのものか
おわりに
ということで、戦後、軍隊が解体され、占領軍の意向、そして朝鮮戦争、東西冷戦などの戦後の歴史の変遷の中で、自衛 -
Posted by ブクログ
防衛省について、その歴史や組織の構造、法解釈、今後の課題を中心に網羅的に知るための本。
話題になっている一過性のことを取り上げたり、何らかの立場からの一方的な見方を示すものではなく、基礎的な事項を公平な立場で解説したもの。ですます調で易しく書かれている。ただ社会的なことに疎いおれには難しい部分も多いが、たぶんこれ以上に分かりやすく、かつしっかり解説されていて手軽に読めるものもあまりないのではないかと思う。「日本軍から防衛省・自衛隊への流れ」の図(p.11)や、「シビリアン・コントロール」の話は役に立った。「自衛官に認められた武器使用規定」の図(p.216)などを見ると、自衛官の人は単に体だ -
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