井上雄一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医療法人社団絹和会の睡眠総合ケアクリニック代々木理事長の井上雄一さんの著書。
医療にまつわる本を読んできて感じることは、内容には2種類の傾向があり、1つは学者が語るようなこだわった科学的な内容、1つは臨床家が語るような治療に役立つ内容で、本著は後者に当たると思います。
以前レビューした、西野清治さんの著書『睡眠障害』は前者に当たると思います。
睡眠障害には大きく6タイプに分けることができ、そのうちの1つが『不眠症』になります。
西野さんの著書p.44~とp.61~に「現在は、病態生理(病気の仕組み)を重視して、睡眠障害を分類している。不眠症については、入眠困難・熟眠困難・中途覚醒・早朝覚醒という4タイプで分類していた時期もあったが、寝つきが悪いとか、寝ているときに何度も目が覚めるとか、ぐっすり眠れた感じがしないといっても、それが不眠の原因の特定に結びつくものではない。ですので、この4つのタイプは適切な治療にたどり着くための質問にしか過ぎず、4つのタイプのいずれに当てはまるかを確認することさえ少なくなっている」とありました。
ですので、結局のところ不眠症が何かはよく分かりませんでした。
一方、本著は2023年に発刊されているものですが、入眠困難・熟眠困難・中途覚醒・早朝覚醒を症状としてしっかり説明をされていました。冒頭に述べましたが、科学的にというよりは、臨床場面で患者さんの悩みに対応した記述がされているのだと思います。実際、読んでいて良く分かりました。
P.58~は、不眠症と診断される条件が書かれており、勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
自分自身がコロナ禍以降に不眠症になり、睡眠薬に頼ったりやめたりまた頼ったりを繰り返しているため、なんとか昔にように眠れるようになりたいと思い読んでみました。
まずは不眠症とは何ぞや、みたいなところからの説明があり、睡眠薬の種類の話などが書いてあります。私が読んでいて驚いたというかそうだったのかと思ったのは不眠症はまず入眠障害から始まりだんだんと中途覚醒や早朝覚醒に悪化していくものである、との説明。
私自身も最初は入眠障害から始まったのに、気づけば早朝覚醒にも悩まされるようになってしまっていて、そうだったのか、この過程はポピュラーなものだったのか、と納得しました。
不眠症の特集は雑誌などでもよくされるので読むことが多いですが、必ず睡眠日誌をつけるように書かれていて、この本も例に漏れずに睡眠日誌をつけるようにと指示されていました。私は自分が眠った時間なんかわかるわけがないじゃないか!と睡眠日誌に否定的だったのですが、この本は厳密に時計を見て書くと不眠が悪化するから何となくで構わないと書いてあったので、とりあえず自分は2週間ほどつけてみました。つけた感想としては確かに何となくならつけられるな、という印象。だからこそあまり根拠のない日誌ではあるのですが、自分が今の睡眠に満足しているのか、眠れないことにどれくらい不快な気持ちになったかを記録するという意味では良いものだと思います。
しかしながら、この睡眠日誌最後に1週間の睡眠時間と布団にいた時間の合計を出して、自分の睡眠効率(要は満足度のこと)を出すのですが、通常の人は睡眠効率90%以上です。としか書いてないのです。ちなみに私は1週間目は78%でした。これは良いの?悪いの?普通の人のように寝れてないのだからよくはないけど、比較的マシな方なの?それともかなり悪いの?そういうことが一切書いていない。要は78%で、だから何?という状態なわけです。
通っているメンタルクリニックの先生に本を見せてあらましを説明したら、78%は普通に悪く、治療としては85%以上を目指すものですよ、と教えてもらいました。
本の著者の井上先生は不眠症治療ではかなり有名というか高名なお方らしく、この本自体の言っていることや実践方法もおかしなところはないごくごく一般的な不眠症の認知行動療法のやり方が書いてあります。しかしながら、自分一人でこの本片手に取り組むだけではおそらく不眠症は改善しないでしょう。こういう方法もある、ことを知り(本の中にある筋弛緩法も実践してみていますがいまいち効果がわからない)、不眠のクリニックにかかった方がいいかと思います。
私も睡眠薬は今のところ手放せないですし、いずれは飲まずに眠りたいと思ってはいますが、この本だけでそうなるとは思えません。信頼できるクリニック(先生)の元、こういう本があるのですが、とアドバイスをもらいながら一歩一歩やっていくしかないと思います。
追記。私は今最高でも5〜6時間しか眠れず、せめて7時間以上眠ることを目標にしたいのですが、どうも認知行動療法はそういうことではなく、6時間でもそれで生活やメンタルが安定しているのであればそれでいいじゃないかという気づきを患者に与えるものらしく、そこのところは私的にちょっと絶望ではあるのですよね。。