あらすじ
睡眠薬をのみ続けても大丈夫? どの診療科を受診すればいい? 不眠はうつ病と関係がある?
なかなか寝つけない、途中で何度も目が覚める、朝早くに目が覚め、その後眠れない....これらの症状のせいで睡眠不足の状態が続いていて仕事中に疲労感を感じやすかったり、作業効率が悪くなったり、ミスばかり続いて困ったりしていませんか。
こうした状況は「不眠症」といえます。不眠症をはじめ、睡眠にまつわることで悩んでいる人は、年齢を問わず多くいます。こうした眠りに関する悩みを甘く見てはいけません。"寝不足くらい"とか"気合でがんばれ"などと切り捨てる人もいますが、それは大きな間違いです。睡眠不足によって重大な病気を招くことがあるだけでなく、ぐっすり眠れない背景には危険な病気が潜んでいることもあるからです。また、治療に用いられる睡眠薬に関する誤解も多く、そのことが適切な治療を阻む理由になっていることも見過ごせません。
本書ではQ&A方式で睡眠に関するさまざまな悩みや疑問にお答えしながら、睡眠の重要性と、眠りの質・量を改善する方法を解説しています。睡眠のメカニズムをはじめ、不眠症を含む睡眠障害とはいったいどういう病気なのか、理解が深まります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
医療法人社団絹和会の睡眠総合ケアクリニック代々木理事長の井上雄一さんの著書。
医療にまつわる本を読んできて感じることは、内容には2種類の傾向があり、1つは学者が語るようなこだわった科学的な内容、1つは臨床家が語るような治療に役立つ内容で、本著は後者に当たると思います。
以前レビューした、西野清治さんの著書『睡眠障害』は前者に当たると思います。
睡眠障害には大きく6タイプに分けることができ、そのうちの1つが『不眠症』になります。
西野さんの著書p.44~とp.61~に「現在は、病態生理(病気の仕組み)を重視して、睡眠障害を分類している。不眠症については、入眠困難・熟眠困難・中途覚醒・早朝覚醒という4タイプで分類していた時期もあったが、寝つきが悪いとか、寝ているときに何度も目が覚めるとか、ぐっすり眠れた感じがしないといっても、それが不眠の原因の特定に結びつくものではない。ですので、この4つのタイプは適切な治療にたどり着くための質問にしか過ぎず、4つのタイプのいずれに当てはまるかを確認することさえ少なくなっている」とありました。
ですので、結局のところ不眠症が何かはよく分かりませんでした。
一方、本著は2023年に発刊されているものですが、入眠困難・熟眠困難・中途覚醒・早朝覚醒を症状としてしっかり説明をされていました。冒頭に述べましたが、科学的にというよりは、臨床場面で患者さんの悩みに対応した記述がされているのだと思います。実際、読んでいて良く分かりました。
P.58~は、不眠症と診断される条件が書かれており、勉強になりました。
Posted by ブクログ
睡眠障害についての基礎を一通り学べました。
睡眠障害について知っておいた方が良いものを厳選して載せてあるのはとても良かったです。 また、レイアウトも工夫されていて見やすかったです。しかし、もう少し深く知りたかったなと思う部分もありました。
睡眠障害を自分で改善するには規則正しい生活習慣にする、朝日を浴びる、日中運動する、寝る前にリラックスすることが重要だと改めて思いました。
神経質になり過ぎないように少しずつ改善していきたいと思います。