モーリーン・キャラハンのレビュー一覧
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極寒のアラスカの地。コーヒースタンドでアルバイトをしていた高校生サマンサ・コーニグが姿を消したのは二〇一二年二月二日のことだった。BFと喧嘩した事を知り、警察は最初、彼女が家出したものと考えた。だが、防犯ビデオの映像には、背の高い男が彼女を店内から誘拐する姿がはっきりと映っていた。
連続殺人犯イスラエル・キーズと捜査陣との攻防を描く。といっても、攻防と言える内容ではない。捜査陣が容疑者に翻弄されてばかりいる。まず、事件現場となったコーヒースタンドだが、翌日は何事もなかったかのように使用されている。犯罪につながる遺留品やDNAがあったとしても、きれいさっぱり洗い流されている。もともと、捜査 -
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村井理子さんが恐怖に慄きながら翻訳していた、その「怖さ」が身に迫る。犯人の目的は「他人を支配し思い通りにすること」…村井さんが思わず戸締りを確認した気持ちが痛いほどわかる。冬のアラスカを舞台に始まる豊かで広大な自然、ショッピングセンターの駐車場は実にアメリカ的風景!けれどそこに機動力と見つからなきゃいいの精神と悪運を持つ犯人が待ち伏せしてるとは…それに加えて複雑な司法システム。市民はなにも知らされないままいったいどうやって自衛すればいいのか。車社会と情報化社会の行きつく先に軽く絶望しつつ、犯人が悪運尽きて捕まったことでせめてこれまでの犠牲者の無念がはらされることを祈るのみ。