理屈抜きで面白い
これだよ、この勢いがあってこそ、面白い漫画と言えるんだ
梅澤先生は、どんなに歳と作品数を重ねても、読み手の心に火を点ける、もしくは、火を強くしてくれる勢いを孕んだ漫画を描ける漫画家だ。私の中でも、何気に高い位置にいる
いや、しかし、そんな梅澤先生が、まさか、妖怪をテーマにした青年漫
...続きを読む画を描いてくださる、とは思ってなかったから吃驚した。正直なトコ、『キン肉マンⅡ世』(ゆでたまご)や、『エンジェル・ハート』(北条司)のように、私が最も、梅澤イズムを強く感じる『BOY HARELUYAⅡ』の“その後”を描いてくれないかなー、と楽しみにしていたので
だからと言って、この作品がつまらない訳じゃ無い
最初に書いたが、この『妖怪伝奇Roku69Bi』の面白さは、漫画読みの本能にガツンとぶつかってくる
主役を、ろくろ首ってのが、これまた面白い。しかも、梅澤先生の作品の主人公らしく、熱血でバカで、真っ直ぐで、信念があって、口こそ悪くとも情に篤く、何より、ズバ抜けて強い、腕っ節も心も
ろくろ首っ娘がヒロインである、『妖怪少女 モンスガ』(ふなつかずき)とコラボしてくれないかな、と期待している。69と轆華、この二人、結構、馬が合うと思う、どちらのファンから見ると
傘女や輪入道、座敷童子など、メジャーどころ(と言っても、妖怪好きからすると、の話だがw)を正サイドに登場させてくれている点も嬉しい限り
悪サイドの妖怪が、傘女らと違い、人間にてんで近くなく、妖怪を通り越して怪物にしか見えない姿なので、69によって倒される瞬間はスカッとする。何気に、梅澤先生の、この手のセンスは高い、と思う
また、これまた、梅澤先生の作品らしく、アクションに迫力があって、骨太なストーリーを支えている
シリアスな場面でも、ギャグっぽい表現をあえて書き加え、緊迫感の高まりを読み手にしっかりと伝える点も、さすが、と言うべきだろう
また、「やはり」と言うべきか、車やバイクなどの乗り物を描く、本気度が凄い
人に仇をなす不良妖怪に、どうやら力を貸している、欲にまみれた外道の人間もいるようで、今後、どんな展開になっていくのか、が実に楽しみだ
この台詞を引用に選んだのは、69自身の強さを、ハッキリと自分の言葉で表現しているものだ、と感じたから。確かに、時代が変われば、変わってしまうモノ、いなくなってしまうモノは少なくない。それでも、分かる奴には分かる、男のカッコ良さは決して、変わったりしない。多くの妖怪、人間と関わっていく事で、69が変える必要のない「自分らしさ」を保ったままで、どう変わっていくのか、次巻を首を長しくて待っていよう