澤田克己のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
360°、死角なく論理で武装したようなぶ厚い1冊。とにかくどの方面にも徹底して「君たちは本当にただ被害者であるだけなのか?」と厳しい視線を投げかける。ポーランド、ドイツ、イスラエル、韓国、日本……。本来加害と被害は表裏一体のはずなのに、自国に都合の良い被害者としての記憶だけを利用して被害者意識ナショナリズムに浸っているんじゃないのか?と圧倒的な論拠をもって突き付けられるド迫力がたまらない。
忖度やノリや空気やキャラクターばかり求められる今の社会の中で、そういったものを全く削ぎ落として徹頭徹尾冷静な、いや冷酷とも思える程の目線で本質を見極めようと試みるその誠実さに幸あれ。 -
Posted by ブクログ
1948年の北朝鮮建国時に金日成がリーダーの地位についてから、75年以上が経過する。その間に、北朝鮮のリーダーは、世襲で引き継がれ、金正日・金正恩と3代に渡って、金一家が就いている。社会主義国では、というか、世界でも類をみない、実質権力者の世襲政治体制である。その間に、北朝鮮は発展したかと言えば、全くそんなことはなく、一時は飢餓者が出たのではと言われるくらい、国の経済は低迷を続けていて、人々は貧しいままである。拉致問題やミサイル発射ということばかりではなく、日本との関係はほぼ最悪、というか、核を保有しているということで、国際的な経済制裁を受け、経済は発展しようもない。東欧の社会主義国は、ソ連の
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Posted by ブクログ
冷静に中立的な立場をとる筆者のどの国、どの団体、どの民族にも忖度しない姿勢には驚かされる。日本の加害性を指摘したかと思いきや、犠牲者の記憶を利用して立ち回る韓国に対する指摘も怠らない。個々の事例から犠牲者意識ナショナリズムがどのように作られているのか、またどのような規則があるのか、膨大な知識量で示されている。
私は日本人なので日韓関係の話には多少見聞がある。しかし本書を読んだことによって、ポーランドとドイツの関係を犠牲者と加害者という単純な対立と捉えていた自分の知識不足を恥じるばかりである。
戦争責任を背負った日本人としてグサグサくる内容もたくさんあるので覚悟して読みましょう。