鈴木紀之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜこの生き物はこんな不合理な、または不思議な、無駄な外見や暮らし方をしているのか…。生き物を見ているとそう感じることは多々ある。
この本では、そうした不合理の中に合理性を見いだす方向で様々な学説が紹介される。
クリサキテントウはなぜまずく栄養もないアブラムシを食うのかということを求愛のエラーにむすびつけて説明するなど、なかなかに面白く、不合理と一笑に付していたような物にも合理性があるのだとはっとさせられる。
有性生殖の、無性生殖に対するメリット、デメリットの話題で出てきた、モンキチョウも「セクシュアルハラスメント」(進化学の専門用語であるが)をする、というのが印象に残っている。
一見変な生き -
Posted by ブクログ
メモ:単一性生殖と両性生殖の比較の謎が未だに説明できない!(所説は有るが有力なものが無い)ってのが面白かった。
単純に生存戦略:効率から考えると、両性生殖の方が分が悪く地球上から駆遂されてしまうはずが、何故か進化の水準の高い生物ほど両性生殖が圧倒的に多い。
生物学的な定義で言う ”セクハラ” の定義ってのも面白かった。「オスは無駄な生き物」ってのは身につまされるが、本当に無駄って訳じゃない。セクハラが昆虫の世界などにも見られる種の生存という視点から見た必然!って説には、さすがに情けないような思い。理論的な説得力はあるし、とても興味深く読めました。