兎山もなかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ父の頼みで復讐を果たすため、男装してライバル会社に潜入することになった侑美。
社長・穂高の秘書として働き始めるものの、想像していた“悪人”とは違い、彼は気さくで包容力のある魅力的な男性でした。
復讐のはずが、次第に惹かれていく気持ちを隠しきれなくなる侑美。一方で穂高もまた、どこか飄々としながら彼女を観察し、真実を知っていそうな素振りを見せます。
男装秘書×社長という突飛な設定ながら、会話のテンポがよく、重さと軽さのバランスが絶妙。
ヒロインの斜め上をいく言動に思わず笑ってしまう場面も多く、
コメディタッチで進みつつも、家族の因縁や企業の裏側といったダークな要素が物語に深みを与えていました。
裏で糸を引く人物、男装を知っていそうで知らないふりをする穂高、そしてヒロインを縛り続ける父の存在。
それぞれの思惑が絡み合い、ただのTLに留まらない展開がとても面白かったです。
特に、根明でポジティブなヒーローが、過去に縛られがちなヒロインを丸ごと囲い込んでいく流れには、分かっていてもキュンとさせられました。
ツッコミどころは確かにありますが、細かいことを気にせず“ありえない世界観を楽しむ”のが正解な一冊。
最終的にはしっかりハッピーエンドで、読後感も良く、後日談を読みたくなりました。
桐生さんの立ち位置もいいアクセントで、第二の父的存在として印象に残ります。
設定・テンポ・キャラの魅力が噛み合った、読んでいてとにかく楽しい作品でした。 -
購入済み
作者買い、そしてこのキャラコンビのファン。脱力感女子がTLにあんまり見ないので、試し読みしてからワンコ男子との組み合わせが好きで購入。いい子だな~。お幸せに!
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Posted by ブクログ
ネタバレ仕事も家事も完璧で、どこまでも穏やかな夫・透とお見合い結婚した由紀子。
お互いの利害の一致で始まったはずの契約結婚。
けれど、彼の優しさや誠実さに触れるたび、
「これは形だけの関係では終われない」と気づいていく。
そんな二人が訪れた三泊四日の温泉旅行。
日常の延長のようでいて、どこか非日常な時間の中、
由紀子が「透さんの赤ちゃんが欲しいです」と告げる瞬間は、
彼女の想いがやっと溢れ出した象徴のようで胸が熱くなった。
ヒーローの透は、一見落ち着いた御曹司で、紳士的で完璧。
でもその穏やかさの奥には、深い照れと不器用さが隠れていて、
彼が少しずつ由紀子に心を開いていく様子が丁寧に描かれている。
特に夜の描写では、彼の誠実さと欲情のギャップがたまらなくて、
静かな愛がゆっくりと熱を帯びていくような描写が印象的。
お見合いから始まった関係が、“夫婦になる”という過程の中で、
少しずつ他人行儀な距離が溶けていく展開が心地よかった。
甘さの中にもリアルな照れや不安、
そして“好き”という言葉の重みがちゃんと描かれていて、
ラストに向けての穏やかな幸福感が素敵でした。
温泉旅行という舞台も効果的で、
普段は見せない一面を見せ合う時間として、
二人が本当の意味で“夫婦になる瞬間”をしっかり感じさせてくれます。
途中で登場するお兄さんの存在が一瞬ハラハラさせるけれど、
結果的には二人の絆の強さを浮き彫りにするスパイスになっていました。
何より印象的なのは、透が由紀子に向ける“敬意ある愛”。
彼の言葉遣いや所作すべてに「大切にしたい」という想いが滲んでいて、
派手な溺愛ではなく、じんわり心に沁みる愛の形。
ラストに描かれた未来の姿にも、優しさと温かさが詰まっていました。
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