カール・マルクスのレビュー一覧
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これはダメだな、と思った。
社会の歴史を階級闘争の歴史という。
その時点で眉唾だと思った。そして、だからこそ興味を惹かれた。何故、闘争を歴史の根本などというものに大勢が魅せられたのか。
封建主義から資本主義へ、そして共産主義へ、というのはよく整理されてるように見える。
でも、封建主義から資本主義へ、というものは、持てるものと持たざるもの、という構造の中身が入れ替わって関係が変化した、というものであって、その先に持てるものと持たざるものとの構造の解体を見出すには無理がある。
暴力を革命の装置として想定することは、ある意味、やむを得ないと思う。それでも、暴力とは、世の初めに隠さないといけないのだ。 -
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カール・マルクス(1818-1883)による19世紀フランスの階級闘争に関する同時代批評、1852年初版。1848年の二月革命に始まる第二共和制が、如何にして1851年のルイ・ボナパルトのクーデタによる大統領独裁と第二帝政を帰結することになってしまったのか、を論じる。19世紀フランス政治史について相当程度精通していないと、マルクスの文意を正確に捉えることは難しいが、巻末の年表(「政治党派と階級的基盤」「時期区分と階級闘争の構図」)が補助として役に立つ。
刻々と変化する情勢の中で繰り広げられる各階級の政治闘争の錯綜した様態が、マルクスの一種異様な情念とともに描かれており、それがいっそう本書を読 -
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資本主義は、資本を蓄積することにより成功を収めるが、資本の蓄積は労働者の搾取によって生じていると批判している。資本家は資本を増大させることを目的とし事業を行っているという分析は的確であると思う。産業革命後のイギリス労働者が、いかに悲惨な生活を強いられていたかを理解した。また、これは江戸から明治期に来日した欧米人の数多くの手記の内容とも一致する。
ソビエト崩壊後のマルクスの評判は悪いが、資本主義について的確に理解しその重要性をわかった上で批判を展開しており、決して浅はかな論理ではないことが理解できた。
「生産過程をたんに継続するだけで単純再生産を行っているならば、遅かれ早かれ一定の期間の後には -
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これも政治学のゼミで読んだものです。
今まで読んだ本の中で1位か2位を争うぐらい
難しい本でした…読むのに本当に一苦労しました(・ω・;)
で、そんな難しい本なのに
この本の3~5章の内容を
まとめて発表する担当になってしまって。
もう本当に泣きそうなぐらい大変でしたが
逆に深く読むことによって内容がわかるようになり、
その後はとても楽しく読むことができました。
一番有名な文章はこちら。
「歴史は繰り返す。一度は偉大な悲劇として。
もう一度はみじめな笑劇として。」
この本はその「偉大な悲劇」である
ナポレオンの登場と、「みじめな笑劇」である
ボナパルトの登場を比較しながら
ボナパルトの行っ -
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岩波文庫で、二度読んだ。
平凡社で新刊が出たのでこちらも購入して読んだ。
ということは、都合3回読んだことになる。
ここに描かれるルイ•ボナパルトは階級闘争の中で偶々祭り上げられただけの平凡で馬鹿な男にすぎない。
マルクスの興味は、歴史上の登場人物には向かはない。
彼の関心は、民主主義を崩壊させた階級闘争過程にしかないからだ。
ルイ•ボナパルトという、下手をしたら江戸幕府を牛耳ってフランス帝国による明治維新を断行したかもしれない怪物に焦点を当てたのが、鹿島茂の怪帝ナポレオンだ。
この二著はセットにして読まなければならない。
1848年の革命から、1851年のルイ•ナポレオンによるクーデタま -
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ルイ・ボナパルトこと、ナポレオン三世はとっても変な人で、良い独裁者だったのではないか。民主的な考えを取り入れた独裁者だったと述べたのは鹿島茂氏。本著を読む前に、内田樹氏との対談に目を通した。
『資本論』がマルクスの資本主義論であるとすれば、本書はマルクスの民主主義論。うん、いたるところ支離滅裂で嘘八百でわけがわからない。だがそれでいい。これは、成田悠輔氏の言。うん、わけがわからない。
いざ。ページを開く。
ー ヘーゲルはどこかで、すべての世界史的な大事件や大人物はいわば二度あらわれる、と言っている。マルクスはそれに付け加える「一度は悲劇として、もう一度は茶番として」ダントンの代わりにコシデ