田淵晉也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
プロレタリアート諸君。金のために働くのは奴隷になるということだ。労働は一日3時間で十分。怠ける権利を主張しよう。
「働かざるもの食うべからず」というフレーズは現代でも当たり前のこととして受け入れられている。著者のラファルグは、その常識を真っ向から否定する。労働は最悪の奴隷的束縛だと。
最初は、何を言い出すのか、と思った。
働き口が無くて生活に困っている人からすれば、腹が立つことですらあるだろう。しかし、色々考えてみると、確かに今の社会がおかしいのかも知れないと思うところもある。テクノロジーは着実に発展しているはずなのに、どうして人間は未だにあくせく働いているのだろうか。ましてや、働き過ぎ -
Posted by ブクログ
19世紀フランスの社会主義者でありマルクスの娘婿でもあるポール・ラファルグ(1842-1911)による政治的パンフレット三篇。1848年のフランス二月革命にて掲げられた「労働権」を批判し、「反-労働」の思想を展開する。「怠ける権利」は1880年、1883年。「資本教」「売られた食欲」の執筆年は記載なし。
□ なぜ労働は悪か
「資本主義分明が支配する国々の労働者階級は、いまや一種奇妙な狂気にとりつかれている。・・・。その狂気とは、労働への愛、すなわち各人およびその子孫の活力を枯渇に追いこむ労働に対する命懸けの情熱である」
「ところで一方、プロレタリアートときたら、文明諸国の全生産者を内に含 -
Posted by ブクログ
過剰労働のために生産物が余る。労働者は怠けるべきだ。
生産力を高めるには労働時間を短縮し祭日を増やすこと。
アテナイで公民とは、防衛と行政管理を行う貴族のこと。そのために全時間の自由をもたねばならぬので、一切の労働を奴隷に担わせた。スパルタでは、女でも紡ぎも織りもしてはならなかった。ローマ人は国庫のまかないで暮らした。
キケロ「金のために労働をくれてやるものはだれでも自分自身を売って奴隷の位置に身を落とす」
古代は戦争が常態であった。自由人はそのための備えが必要。奴隷が生産をしなければ、自由人はその務めを果たせなかった。
資本教という教義。資本は商品が売れる値段で評価を定める。職業の中