藤井美佐子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書は題名の通り、毛髪を始めとする「毛」と人類の関わりについて、生物学、歴史学、文化人類学等々の幅広な見地からの多彩なトピックを集積したもの。毛の成長を司るメカニズムや、毛の人種や体の部位による構造の違い、発毛を促す最先端技術などは初めて知る部分が多く興味深く読めた。終盤、近代西洋社会の成立と羊毛の関係を論じる段がやや冗長に感じられたのは、訳者あとがきにある通り、羊毛が本質的に日本人にとって外部である西欧からもたらされた「テイラーメイド」なものであり、社会・経済的なプラットフォームとして機能した歴史が浅いからだろう。
著者は毛髪の発生部位である「毛包」研究を専攻とするイエール大の医学博士。日本の著名かつらメーカーにて研究職についた経歴も持っている。 -
Posted by ブクログ
離婚を経て心機一転、購入した古い屋敷をリフォームしてゲストハウスを開こうと張り切る母娘二人。
しかし、その屋敷は幽霊が住み着くいわくつき物件だった!
幽霊が登場しオカルトな展開はあるものの怖くはなく、むしろドタバタなアットホームコメディでとても楽しい1冊でした。
屋敷に住み着いた幽霊は前オーナーと、その彼女から依頼を受けた探偵の青年。
なぜか急に霊能力に目覚めたアリソンに、自分たちを殺した犯人探しを依頼します。
ある日突然命を奪われ、訳も分からぬまま幽霊となってしまった二人の境遇には辛いものがありますし、主人公母娘に脅迫があったり、屋敷を巡るいざこざに巻き込まれ周囲は結構シリアスな展開になります。しかし、登場人物たちが個性的でおもしろく悲壮感は一切ありません。
面倒ごとを無視してリフォームを完成させたいアリソンと、犯人探しに協力してほしい幽霊たちとの攻防も笑えますし、母娘のなんてことない掛け合いも微笑ましい。
アリソンの母親の有難迷惑っぷりが楽しいです。
母娘は屋敷から出ていけと何者かから脅迫されるわけですが、なぜ売りに出されたときに脅迫者は屋敷を買わなかったのかという謎には惑わされました。
周囲の人物がどんどん怪しくなっていくのにも引き込まれます。
この屋敷には何か重大な秘密があるのでは?という疑惑の中でも、アリソンがどんどんリフォームをすすめていき、それが脅迫者に思わぬ影響を与えたりしているのもおもしろかったです。
屋敷の秘密も予想外の方向にいきました。
笑いの中にちょっとほろりとするような箇所もあり、テンポ良く読めます。(幽霊付)ゲストハウスがいよいよ開業し、シリーズとして続きそうで続編があることを期待です。