渡辺浩のレビュー一覧

  • 明治革命・性・文明 政治思想史の冒険

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    明治維新の一時期を切り取るのではなく、江戸から20世紀にまで続く連続した社会変革の過程として維新をとらえなおしたうえで、そこで生じた社会思想について幅広く論じている。非常に共感できる主張となっている。

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    2022年03月21日
  • 明治革命・性・文明 政治思想史の冒険

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     本書は5部構成。「はしがき」にあるように第Ⅰ部は欧州および中国との比較による「明治維新論」。筆者は明治維新を「革命」と呼ぶ。第Ⅱ部は日本と異国の双方から眺めた徳川外交論。とくに「鎖国」の是非をめぐる対話と討論が道徳的・思想的問題であり続けたことが、朝鮮と日本の知識人の間での知的交渉から見て取れることが示されている。第Ⅲ部は、政治と「性」の関連について、欧州と中国との比較を通じて検討されている。この第Ⅲ部がもっともボリュームがある。第Ⅳ部は、開国以前の日本での中国思想との仮想対話が、西洋への対応へと結びついていったことが3つの角度、すなわち「教」、競争、「文明」から論じられている。第Ⅴ部は、哲

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    2021年11月17日
  • 日本思想史と現在

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    「はじめに」によると、「あなたがどこのどなたであろうと、どこかでその内容に意味が、そしてできれば驚きや刺激がある文章、ひそかに、それを目指してきました」とある。

    成功しているであろう。

    冒頭の福沢諭吉論からして急所を掴まれる感がある。かの有名な「天は人の上に人を造らず」は、当時にして「儒生の常談」だというのだから。

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    2024年08月17日
  • 明治革命・性・文明 政治思想史の冒険

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    江戸期思想史の大家の本だが、本人も言っているように本筋から少し外れて冒険したもの。これまでの著書に比べると主観が多く、今ひとつ的を射ていないのではないか。
    中国や朝鮮との比較はいいとしてもジェンダー論は今の風潮への迎合が過ぎる。価値観が時代によって変遷し、正解などないことは一番知っていると思うが、書き方に激しい違和感を感じた。

    最後の徂徠などの思想史関係は安定して面白かったので、脱線部分の残念感が際立つ。

    付け足しだが、この本の前にイザベラ・バードの奥地紀行を読んだので、開国の章の江戸時代の暮しの礼賛に疑問。一部の表面てはなかったかという気がする。

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    2021年12月04日
  • 日本思想史と現在

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    日本政治思想史の研究者である著者が、さまざまな機会に発表した文章を集めて収録している本です。

    日本の社会や政治の分野において、ジェンダーをめぐる問題に対する関心がいまだ低いままであることを指摘しつつ、政治学や政治思想史の研究シーンにおいても同様の問題が見られることに目を向けるところに、著者の政治思想史の研究がアクチュアルな関心と密接に結びついていることがうかがわれます。また、書評やそれに類する文章も多く収められていますが、溝口雄三ほか編『中国思想文化事典』(2001年、東京大学出版会)に対する忌憚のない批評を通して、著者の「思想」へとかかわる姿勢が見られるように思います。

    ほかに、中国思想

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    2025年02月12日