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幕末から明治の初め,西洋文明を形づくる基礎的な概念が日本に入り,さまざまな試みの末に「自由」「権利」「法」「自然」「公/私」「社会」といった翻訳語が普及した.これらは,果たして原語と同じ意味だろうか.日本政治思想史の研究者が,西欧における原義を探り,翻訳語の意味との相違を明らかにする連続講義.
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Posted by ブクログ
本書を読んで、「自由」「権利」「法」「自然」「公/私」「社会」といった言葉を、あまりにも自然に使っているのだとあらためて気付かされた。普段は深く意識することもなく口にしているが、これらの言葉はもともと西洋で生まれ、日本に入ってくる過程で翻訳され、少しずつ意味を変えながら定着してきたもの。 印象に残...続きを読むったのは、翻訳とは単なる言葉の置き換えではなく、概念そのものの受け取り方に影響を与えるという点。たとえば「自由」は liberty や freedom の訳語であるが、日本語では「不自由がない状態」として感じられることが多い。また「権利」も、本来の「正しさ」や「正当性」といった意味合いよりも、「自分が得られる利益」として理解されやすいように思う。同じ言葉を使っていても、その背景にある意味の広がりや重心には違いがあると実感した。 こうした言葉のズレは、自分たちの物の見方や社会のあり方にも少なからず影響しているのではないか。「公」と「私」の区別の仕方や、「権利」と「責任」の捉え方など、言葉の意味の置かれ方によって変わってくる。言葉は単なる道具ではなく、考え方そのものを形づくるものなのだと実感した。 本書を通して、西洋の概念をそのまま受け取っているのではなく、日本語に翻訳された枠組みの中で理解し、考えているのだということに気づかされた。だからこそ、普段何気なく使っている言葉について、その成り立ちや含まれている意味を少し立ち止まって考えてみることが大切なのだと思う。言葉を丁寧に捉え直すことが、自分の考えを見直すきっかけにもなると感じた。あと、歴史がいかに大事かも。
本来、この本で取り上げている基本概念の解説は、「法学入門」や「憲法」で初学者が真っ先に知るべき内容だろう。 が、法律に書かれている「自由」の概念を良く知らないまま、法律を学ぶ人が多いのではないか。 個人的には、近代化以前の中国と日本の裁判制度、日本のイエ制度の解説が大変参考になった。 日本の法システ...続きを読むムや社会酢システムは江戸時代の名残を継承している部分がある。 そうした事象に関心のある方に特におすすめの本である。
翻訳とは、異文化の全く異なる歴史の中で形成されてきた概念や観念の採り入れ。西洋で使われていた本書では、言葉の本来の意味(自由は奴隷ではないこと!)、様々な訳語が最終的に絞り込まれる様子、日本古来の類似概念との差異について説明。「てんスラ」みたいに「たとリバ」って呼ばれているから若手研究家のデビュー作...続きを読むかと思ったら、日本政治思想史の大家の知識量に圧倒されました。
すごい本。 「リバティ」は本来は奴隷でない状態を指していたので、好き勝手やるという意味がもともとあった「自由」よりも「自主」の方が適切だったというような話がたくさんでてくる豊富な講義録。 井原西鶴や論語、ルソーからふんだんに引用されていて、知識の幅がすごい。ただ、情報過多で振り回されて頭が混乱する。...続きを読むこれを楽しめる余裕があるときに読めば豊かな時間になると思う。
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たとえば「自由」はリバティか 西洋の基礎概念とその翻訳語をめぐる6つの講義
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渡辺浩
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