久田樹生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画にもなるということで興味を持ち、ライトなホラーかと思って読み始めました。
映像にしたら怖いと思うのですが、読む分には怖くはなくて、とても悲しい話でした。
呪いや祟りということの背景には暴力や差別などを受けた者の辛く悲しい出来事や思いが必ず存在し、往々にして物語などで描かれます。
本作では生まれた境遇など、その人自身が自分で選択することができないことでの非道な暴力や差別を受けており、特に女性に対する暴力の描写は読み進めることができず、読み飛ばした箇所が多くありました。
これを現実世界に置き換え、暴力や差別は負の連鎖を生むことであると改めて色々なことを考えさせられた本でもありました。
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Posted by ブクログ
ホラーがからっきし駄目なんですが、なにわ男子西畑大吾くんの主演映画ということで観たい……でも怖い……と観れるか不安だったので、小説なら少なくともジャンプスケアは無いし直接的な視覚恐怖も無いし、あらすじ知っておけばなんとかなるかも……と思い小説を手に取りました。
小説の構成は各章がそれぞれ登場人物の主観になってて物語が進んでいく。ゲームのSIRENみたいな感じ。
「田中」という名前のはずが急に「山田」になってたり、反復表現とは思いにくいような二重の文章があったり、文章の流れ的に「稼ぐ」と思しき所が「嫁ぐ」になってたりと、ちゃんと校正されているのかなぁとちょっと思ったり……。いや私が知らないだけ -
Posted by ブクログ
最近CMでやたらと映画版の犬鳴村の告知を見るなぁ…と気になっていたところにこの本を見つけてしまい…
映像でのホラーがやや苦手な私は、「活字で読んでみて大丈夫そうだったら映画も見るか!」くらいの、気軽な気持ちで読んでみましたが、怖いというより、まぁ気味が悪かった…(褒め言葉です)SFとかサスペンスに近い印象です。
映画版に関しては見ていないので何とも言えないのですが、作品としてはダムの底に沈んだという犬鳴村の持つ謎めいた雰囲気と、続々と起こる地上での溺死という奇妙な死、最終的に過去に起こった「ある出来事」をきっかけとする血筋の問題を結び付けて、作品の背景に常に不気味な雰囲気を作り出している