カスガのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ポストアポカリプス小説は古今東西多々あれど、文明が崩壊した日本において、お伽噺と化してしまった在りし日のコミケを夢見る4人の少女を描いた作品はまずないのではないでしょうか。
通常よく見るポストアポカリプスSFの展開としては、原因となったAIの暴走との人類存亡をかけた戦いや、核戦争後の生存者を見つける旅や、種の保存を命題とした壮大なものが多くみられますが、本作は表題にあるように「コミケ」へ行くことが題材。とても日本的で、サブカルチックな命題であり、これこそジャパニーズSFでしか成しえないSFといえるでしょう。
かといって、内容は決してコミカルでライトなだけではありません。
むしろ、徐々に失われて -
Posted by ブクログ
個人的にはとても面白かったです!
特に、物語が大きく動き始める30/52章あたりからは夢中で読み進めてしまいました。
物語は、カバーイラストからは全く想像できないポストアポカリプス(=文明崩壊後)のお話。
現代なら高校生くらいの年代に当たる四人の女の子が主人公。
文明が廃れてしまい生きることすら大変な辛い状況だと思うのに、この話に出てくる女の子たちは「部活(漫画同好会)」を楽しみ、青春を謳歌している、、、ように見えて、四人がそれぞれに悩み、生きている様子が描かれていたこともとても良かったです。
そういえば「ポストアポカリプス」の物語を初めて読んだかもしれません。
後半に文明崩壊に至る流れ -
Posted by ブクログ
ネタバレポストアポカリプスから100年後の世界は、いかようであろうか。数百人程度の集落、インフラはない。
この点に変なこだわりをもって読んでしまったせいで、前半はネガティブな気持ちに支配されていた。
徐々に明かされていく事情を知るにつれそれはおさまっていったが、次は人々の価値観が現代的すぎやしないかという印象を抱く。
状況の中にあって状況を俯瞰できる資質はひょっとすると稀ではないのかもしれないが、教育の行き届かない、余暇を過ごすゆとりもない状況でそれを得ることは叶うのか、という。
一万年後の未来なら、ミュータントや魔物が徘徊しててもそういうこともあるかもしれないと気にもしないが、100年後くらい -
Posted by ブクログ
早川SFコンテスト大賞受賞作らしい。
破滅した文明の後、農奴社会に戻ってしまったような日本で、「漫画」に触れた主人公たちの姿。
4人それぞれが社会的に違うランクにあって、衝突もあれば理解も成長もあり。
創作についておおっと涙するところもあったのだが、結局つまんなかったなあ。放り出すほどでもなかったけど。
青臭い社会や制度の仕組みへの批判はまあいいとして、最後はしがらみを断ち切った女の子で終わりですか。この子達これからどうするの。
続編があっても全く読みたくもないのだが、選者の講評の中で、神林長平さんの評が一番ピッタリだと思ったな。
ディストピアSFだとしても厚みもアイデアも足りない一品だ
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