橋本忍のレビュー一覧
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菊島隆三、小國英雄と並んで黒澤明の全盛期を支えた脚本家、橋本忍の自伝。
伊丹万作に師事した後、黒澤明と出会い、『羅生門』が生まれるまで。またその後『七人の侍』の地獄のような脚本製作の話、また天才監督の野村芳太郎との出会いなど、日本映画の黄金時代を支えた人たちの驚くような話の数々に舌を巻く。
国立フ...続きを読むPosted by ブクログ -
物心ついてからの黒澤明作品といえば「影武者」であり「乱」だった。巨匠の作品は私にはどうもわからないようだと何十年も彼の作品を見ることはなかったが、たまたま映画館でみたデジタルリマスター版の「七人の侍」に度肝を抜かれた。このあまりに鮮烈な作品のことが知りたくて本書を手に取った。戦いにも似た共同脚本とい...続きを読むPosted by ブクログ
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映画で重要なことは何か。脚本はどういう役割でどう作られるべきなのか。その答えが書かれている。まさしく、ある時期までの黒澤映画は「複眼の映像」なのだ、ということがこの本の”テーマ”だ。
脚本家として出発したこの人らしく、この本の書かれ方もとても脚本的。たとえば、感情を直接描かず、風景や画面、もしくは行...続きを読むPosted by ブクログ -
まず、久々にのめり込んで読んだ
そもそもこれが日本を代表する脚本家の技なのであろう・・・
映画ファン、黒澤ファン必読
また、職人と芸術家の差異、プロフェッショナルとは何か、など、仕事論としても価値ある一冊
明らかに名著ですPosted by ブクログ -
「激マン」好きはぜひ。大傑作。「生きる」「七人の侍」など数々の黒澤明作品の共同脚本を手がけ、独立後は「砂の器」「白い巨塔」などの傑作を残した日本映画界の巨峰にして脚本家の中の脚本家・橋本忍が、黒澤との出会い、シナリオの書き方、そして生涯をハイテンションに綴る。文章うめえし、勉強になる。Posted by ブクログ
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とにかくクロサワの『羅生門』『生きる』『七人の侍』を
読んで、そんでこの本を読んでください。
モノをつくっている人々には必読だと思います。Posted by ブクログ -
半世紀も前、パリのシネマテークで何の予備知識もなく蜘蛛の巣城を観た時、二十歳の自分は初めて日本人であることの誇りや嬉しさを感じた。
橋本忍さんは黒澤明の影に隠れているが世界の映画史上最高の仕事を残した人だとこの本を読んで初めて知った。感謝。Posted by ブクログ -
稀代の脚本家、橋本忍が日本映画界の巨匠、黒澤明との葛藤を描く。
以下、まずは気になるところをつらつらと。
・黒澤明は閃きを掴む。
・脚本の善し悪しは誰もが手をぬきがちになる人物の彫り。黒澤明の脚本つくりの最大の特徴は手抜きしてはならないものは徹底的に手を抜かない。
・脚本直しは三流監督。
・黒澤明...続きを読むPosted by ブクログ -
単行本で一度読みました。橋本氏の現在のお住まいが、私にとって馴染み深いところなので、何だかうれしいです。完全なノンフィクションなのかどうかはともかく、黒澤映画の共同脚本の執筆システムがこれでよく分かります。Posted by ブクログ
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トップレベルの脚本家や映画監督の視点を垣間見れる作品だ。本書は黒澤明監督と共同で多くの名作を世に送り出した脚本家の橋本忍氏が書いた本だ。
「複眼」というキーワードに惹かれて本書を手に取った。複眼についての説明が現れるのは以下の部分。
「黒沢組の共同脚本とは、同一シーンを複数の人間がそれぞれの眼(複眼...続きを読むPosted by ブクログ