橋本忍のレビュー一覧

  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    菊島隆三、小國英雄と並んで黒澤明の全盛期を支えた脚本家、橋本忍の自伝。
    伊丹万作に師事した後、黒澤明と出会い、『羅生門』が生まれるまで。またその後『七人の侍』の地獄のような脚本製作の話、また天才監督の野村芳太郎との出会いなど、日本映画の黄金時代を支えた人たちの驚くような話の数々に舌を巻く。

    国立フィルムアーカイブから出ている『脚本家 黒澤明』展、『羅生門』展の図録なんかと合わせて読むと、より黒澤明、橋本忍、そしてその周りの人たちのスゴさが理解できるかな、と。

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    2023年07月20日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    脚本という企画。

    それは、監督という相手あってのもの。

    この共同関係と対立関係が、作品に緊張を生む。

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    2020年01月03日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    物心ついてからの黒澤明作品といえば「影武者」であり「乱」だった。巨匠の作品は私にはどうもわからないようだと何十年も彼の作品を見ることはなかったが、たまたま映画館でみたデジタルリマスター版の「七人の侍」に度肝を抜かれた。このあまりに鮮烈な作品のことが知りたくて本書を手に取った。戦いにも似た共同脚本という形式を初めて知った。橋本氏は黒澤明は職人から芸術家になったという。80年代の作品がどうにも理解できず重苦しさだけが残った理由が分かったような気がした。「夢」を観てみようと思う。

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    2019年02月14日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    映画で重要なことは何か。脚本はどういう役割でどう作られるべきなのか。その答えが書かれている。まさしく、ある時期までの黒澤映画は「複眼の映像」なのだ、ということがこの本の”テーマ”だ。
    脚本家として出発したこの人らしく、この本の書かれ方もとても脚本的。たとえば、感情を直接描かず、風景や画面、もしくは行動や仕草で示している。
    映画をそれなりに深く楽しみたい人にはとても示唆に富む一書。

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    2017年03月30日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    まず、久々にのめり込んで読んだ
    そもそもこれが日本を代表する脚本家の技なのであろう・・・

    映画ファン、黒澤ファン必読

    また、職人と芸術家の差異、プロフェッショナルとは何か、など、仕事論としても価値ある一冊

    明らかに名著です

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    2012年01月08日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    「激マン」好きはぜひ。大傑作。「生きる」「七人の侍」など数々の黒澤明作品の共同脚本を手がけ、独立後は「砂の器」「白い巨塔」などの傑作を残した日本映画界の巨峰にして脚本家の中の脚本家・橋本忍が、黒澤との出会い、シナリオの書き方、そして生涯をハイテンションに綴る。文章うめえし、勉強になる。

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    2012年01月09日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    とにかくクロサワの『羅生門』『生きる』『七人の侍』を
    読んで、そんでこの本を読んでください。
    モノをつくっている人々には必読だと思います。

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    2010年05月20日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    黒澤明監督作品で橋本忍が脚本に関わったものでは、
    『生きる』『七人の侍』『蜘蛛巣城』『隠し砦の三悪人』『悪い奴ほどよく眠る』を
    橋本忍が脚本に関わっていない黒澤作品は
    『野良犬』『天国と地獄』『用心棒』、
    黒澤作品ではない橋本忍脚本は
    『砂の器』『八甲田山』
    を見たことがあります。

    その中では、『悪い奴ほどよく眠る』と『天国と地獄』が好きで、
    黒澤映画の現代劇が好きなのかなーと思ってました。
    製作年をはっきり把握しておらず、『生きる』は後期のものと思い込んでおりました。

    どうやってあの名作映画の脚本を作り上げているのか興味がありましたが、
    想像しないものでした。そもそも脚本作りについて全く

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    2025年11月18日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    半世紀も前、パリのシネマテークで何の予備知識もなく蜘蛛の巣城を観た時、二十歳の自分は初めて日本人であることの誇りや嬉しさを感じた。
    橋本忍さんは黒澤明の影に隠れているが世界の映画史上最高の仕事を残した人だとこの本を読んで初めて知った。感謝。

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    2024年02月13日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    「生きる」「七人の侍」「八甲田山」砂の器」。予備知識なく見て面白かった映画はみな橋本忍さんの脚本だったのだな。

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    2020年03月07日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    ネタバレ

    稀代の脚本家、橋本忍が日本映画界の巨匠、黒澤明との葛藤を描く。

    以下、まずは気になるところをつらつらと。
    ・黒澤明は閃きを掴む。
    ・脚本の善し悪しは誰もが手をぬきがちになる人物の彫り。黒澤明の脚本つくりの最大の特徴は手抜きしてはならないものは徹底的に手を抜かない。
    ・脚本直しは三流監督。
    ・黒澤明は芸術家へと変貌していった。


    この本はいわば橋本忍が黒澤明との間に感じた自伝的書である。
    作中に黒澤明が自伝はどんなものでも面白いと語っているが、全くその通りである。
    人にはそれぞれの人生があり、ドラマがある。
    それが面白くないはずはない。
    感動する。

    巨匠として日本映画界に君臨し続けるイメー

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    2010年12月17日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    単行本で一度読みました。橋本氏の現在のお住まいが、私にとって馴染み深いところなので、何だかうれしいです。完全なノンフィクションなのかどうかはともかく、黒澤映画の共同脚本の執筆システムがこれでよく分かります。

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    2011年09月10日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    ネタバレ

    黒澤明作品を見る中で、脚本への強烈なこだわりを知った。
    脚本を書く、というか脚本家を巻き込んでホンを生もうとすること、さらにその手法を確立しようとすることが映画製作の一部であった、と。
    それを脚本家の側から書いたのが、この本。
    「ライター先行形」、「いきなり決定稿」なるほどなるほど。
    ネットで知っただけの「侍の一日」という未完作についても。

    で、面白いのはこの本の文体で、なかなかこってり味なのだ。
    なんでも1918年生2018年没の作者が、2006年に発表したもの。
    つまり80代後半。
    日記の習慣がないという人なのに、あの時あの場面で誰がどうしたかを明確に描いている。
    つまり多分盛ってる。

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    2025年03月07日
  • 複眼の映像  私と黒澤明

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    トップレベルの脚本家や映画監督の視点を垣間見れる作品だ。本書は黒澤明監督と共同で多くの名作を世に送り出した脚本家の橋本忍氏が書いた本だ。
    「複眼」というキーワードに惹かれて本書を手に取った。複眼についての説明が現れるのは以下の部分。
    「黒沢組の共同脚本とは、同一シーンを複数の人間がそれぞれの眼(複眼)で書き、それらを編集し、混声合唱の脚本を作り上げるーそれが黒沢作品の最大の特質なのである」
    想像していた「複眼の映像」ではなかったが、たしかに素晴らしい作品をつくるためには有効な手法だと思った。プロフェッショナルが集まって、分担して作品を作るのではなく、一つの箇所を同時にかつ別々に書いてみて、もっ

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    2023年10月29日