NHKスペシャル『メルトダウン』取材班のレビュー一覧

  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    まずはNHK取材班の地道で粘り強い調査取材に敬意を評したい。時に政権におもねるようなことをする信用できないメディアに思われることもあるが、このように優秀で気骨のある記者たちがいるのだと改めて認識する。言葉では言い尽くせない未曾有の危機の連鎖の中、命を賭して事故対応に尽力し続けた吉田所長はじめ東電職員の姿に、深く心を揺さぶられた。ここで語られている失敗の本質は、国民に深く根ざしたものかもしれず、将来再び突きつけられることもあるだろう。もはや忘れ去られようとしている気の遠くなるような廃炉作業を負うのは、NHKなど見ない未来の若者たちだ。外国人問題などよりこっちの方がずっと差し迫った危機だと思うんだ

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    2025年11月17日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    まず、その取材力に驚いた。深堀りし続ける探究心と熱意。未曾有の事故を何とか教訓として次世代に活かし、同じような災害を招いてはいけないとの思いがひしひしと伝わってきた。

    その中で導き出されたポイントを自分なりに噛み砕いたものとして簡単に列挙してみた。

    ①日本人らしい特徴なのか知識のみの机上の空論が主体となりやすく、一方で職人気質の経験のみに頼ってしまうという2パターンに陥る傾向にある。そのため、不足の事態に対して経験がないから動けない。もしくはブラックボックス化した属人性のみでしか対応できず、チームで動くことができないため、軋轢や混乱が生じる。まず、精緻なマニュアルもしくは履歴を残し、知識と

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    2022年01月10日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    あれから10年の年月が過ぎ、なんとなく
    忘れてしまっているかもしれないですが
    あの程度で済んだのは、本当に幸運だっ
    たのです。

    特に2号機が爆発しなかったのは、今で
    も謎の部分があるらしいです。

    今でも現場に簡単に立ち入ることができ
    ないのですから当然かもしれないですが、
    全ての日本人は忘れてはいけないです。

    あの事故は、多くの不幸と多くの幸運が
    招いた結果であることを、です。

    そしてまだ何も決着していないことを、
    です。日本人必読の一冊です。

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    2021年05月11日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    本への期待
    事故の真相について
    有事の適切な組織や対応について

    読書後
    日本では重大事故は起きないという前提で作られたマニュアルでは、想定外だった事がいくつも重なっていた。
    また、リスク判断を見誤り、大切な訓練の一つも行われていなかった。

    これらは、よく言う安全神話から来るもので、アメリカとは真逆の考え方だ。

    最後の、吉田所長の一言が、凄く身に染みました。
    決して同じ過ちは繰り返してはいけないと強く心に思った一冊です。

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    2020年05月16日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    吉田所長が本店からの指示を無視してベント継続したことを英雄視する向きがあるが、この本を読むとだいぶ印象が変わる。最悪の事態を避けられたのはあくまでたまたま運が良かったとしか言いようがない。

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    2018年02月05日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    驚きの連続でした。事故から6年経過しても発覚する新事実に複雑さと問題の根深さを感じました。NHKの人的及び経済的リソースありきのドキュメントですが、取材班の迸る熱量が行間に溢れています。イソコンの歴史的経緯や1号機海水注入が12日間出来ていなかったこと、Watsonによるテレビ会議分析、疲労の数値化等々どれもスクープと言ってよい内容です。事故を風化させない意味でも貴重なノンフィクション作品です。

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    2017年11月07日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    3基もの原子炉がメルトダウンした福島第一原発事故において、事態の悪化を一気に加速させたきっかけは最初に水素爆発を起こした1号機でした。1号機の冷却には「イソコン」と呼ばれる非常冷却装置があったのにも関わらず、事故当時その設備が稼働していなかったという致命的な誤認がありました。1号機運転開始から約40年間、「イソコン」を訓練でも実際に稼働させてこなかったことが原因でした。なぜ原子炉冷却に最重要な設備の訓練が実施されてこなかったのか、関係者への取材と資料をもとに追及していきます。
    後半は膨大なテレビ会議の記録から、なぜ「イソコン」の稼働状況を誤認するに至ったのかをAIを用いて解析した結果を報告して

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    2017年10月14日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    #fb 統計的有意性とかどうなのか、とかいう面から学術的議論に耐えられるかどうか良くわかんないけど、ガッツフィーリングっていう面からはこの手のデータ分析は便利だよなぁ、と思う。今現在の費用対効果はともかく。しかし、あの状況のデータをよくハンドリングできるところまで持って行ったなぁ、と感心する。何人工かかったんだろうなぁ。

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    2017年09月28日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    今年の3月11日が来ると、東日本大震災と福島第一原発の事故の
    発生から4年目となる。民放は3月11日が近くなると特番を組む
    が、あの原発事故を長期に渡って丹念に追っているのはNKH
    くらいだろうか。

    NHKスペシャルは時間が許せば見ているが、見逃している回数
    の方が多い。なので、本書のような書籍版はなるべく購入して
    読むようにしている。

    本書は未だ多くの謎に包まれている福島第一原発事故について、
    関係者や研究者に取材し、7つの謎について解明しようとしている。

    1.1号機の非常用冷却装置が津波直後から動いていないことに
      なぜ、気が付かなかったのか。
    2.メルトダウンした1号機のベントが

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    2017年08月20日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    「国営放送」いや「公共放送」だからこそ制作できるNHKスペシャルをもとにしたノンフィクション。民法では外国の研究機関と検証実験を行う番組などできません。
    停止中であった5号機6号機も、全電源喪失によりマニュアルにも無い対応を行い冷温停止に持ち込めたことを知った。
    問題は、取ってつけたような【特別編】東電武藤副社長のインタビューです。自己弁護と東電擁護の内容です。原発技術者&組織人として「一流」であり、組織を超えて危機に対応できる人物ではなかったことがよくわかる。籾井体制では【特別編】が無いと出版できなかったか?

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    2015年07月05日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    NHKスペシャル『メルトダウン』の取材範囲よる、同番組を本にしたものだが、活字というものは中断、読み返し、先読みが出来るのでありがたかった。
    過剰な表現は避けて、徹底的な取材と検証を心がけている。
    これはNHKでしかできなかったのだろうなあ。
    タイトルには『7つの謎』とあるが、読み進めば、まだまだ分ってないことが多いことが解る。事故の検証はまだまだ、これからなのだ。というよりも、検証可能なのだろうか。
    そんな状況なのに原発を再稼働するとかを言う人間はどうかしていると言わざるを得ない。

    福島原発事故(事件)検証本としては第一級のものであることは間違い無いが、これを超えるものが生まれなければなら

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    2015年06月23日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    福島第一原発事故を時系列に説明して何が起こったのかが分かるように、かつ、分かりやすく書かれている本。NHKスペシャルで放送されたものをもとに書かれているのかな。テレビで見られなかったのが残念。と、思わせるほど、リアルに福島第一原発の現場で起きたことや復旧作業について書かれています。読んでてリアル感があるので、読んでる方にも緊張を強いますね…。
    これを読むと事故を酷くしたのは現場を無視、というか理解できなかった政府の対応の不味さも大きいのではないかしらん。この事故をより詳細に調べたら、政府の責任を問う結果になりそう。特に政府主導の放水作業実施のため、電源復旧が3月17日から20日、22日まで遅れ

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    2015年02月07日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    感情論ではなく、事実に基づいた科学的見地からの分析は、この出来事を未来への教訓として活かすためには重要になる。緊急時の対応について、ことわざで言うなら「備えあれば憂いなし」か。

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    2018年04月11日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    ネタバレ

    NHKスペシャルを見ていなかったので、本書の事実に驚愕。
    ・冷却装置イソコンを40年間動かさなかった
     →イソコンが動いていると勘違いにつながった。
     →訓練でイソコンを動かすと原子炉に影響を及ぼすリスクがある。
     → 小さなリスク回避のために、大きな事故につながった。
    ・事故発生から12日間原子炉に届いた冷却水はほぼゼロだった。
     →吉田所長にすべての責任が集中。
     → 人間、正しく判断できるのは72時間が限界。
     → セカンドチームが必要

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    2018年01月28日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    NHKの取材執念とかドリルダウンの迫力が凄いことはよく伝わる。
    ただ、F1の一番の本質がイソコンなのかどうかは、この事故全体をシステム的に捉えている人であれば疑問に思うのではないか。どちらかといえば枝葉末節にいたずらに詳しいフォーカスを当てているような気がする。
    TV会議録の自然言語解析という手法は、いろいろな組織において今後の危機管理体制のあり方について、貴重な知見をもたらす可能性があるだろう。

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    2018年10月20日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    「想定外の事故が起こる」、「想定外の事態に見舞われる」ということは、それ自体決して想定外ではない。本書を読めば、現時点において核の平和利用、原発などというものは、人間の驕りとしか思えなくなる。電力については代替手段がある以上、軍事的なこととは全く別の話。

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    2015年04月20日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    NHKスペシャルとして放映された「メルトダウン」シリーズの取材班による福島第一原発事故の技術的な解説。福島第一原発の事故は政治的な側面があったり、複数の原子炉の事故が同時並行的に進行したため、非常に複雑です。
    水素爆発を起こした1号機、3号機、4号機と深刻な放射性物質の拡散を発生させた2号機の各原子炉で、それぞれどのようなプロセスで事故が進行したのかを技術的な切り口で解説しています。
    この手の本では事実を詳しく解説する事に傾注すると難解すぎて理解しにくく、逆に単純化し過ぎると結局何の事か良く分からないといったことが多々あります。しかし、この本は情報の正確さと分かりやすさが両立しており、新書1冊

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    2015年01月29日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    1号機には全くと言っていいほど注水されず、メルトダウンか起こった。溶けた核燃料はコンクリート床を侵食していき、核燃料・コンクリートからできたデブリスは279トン。本作の主題は事故発生時の対応体制についてだが、このデブリス話の方が強烈な印象を残した。

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    2022年01月24日
  • 福島第一原発事故 7つの謎

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    福島第一原発事故を追求。ベントはできていなかった。1番危険だったのは2号機だった。消防車の注水は十分な効果が無かった。自衛隊・機動隊の放水も効果が無かった。これらの事実をデータをもとに解説。ヒューマンドラマ的要素は全く無し。

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    2021年12月31日
  • 福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

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    ・実動作試験には、設備のメンテナンスとしての機能チェックだけでなく、もう一つ大事なのが「運転経験」。作動するとどうなるのか自体を正しく把握する。
    ・イソコンはこれができず、作動していないのに、作動していると勘違いしてしまった。

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    2018年12月09日