ウチヤマユージのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
良い終わり方
おばあちゃんの生き方はあこがれますね。
息子達が大人になっても親を許さなかったのは残念だけど、最後に和馬さんと生活できて良かったんだなと思いました。 -
購入済み
最後の迎え方くらい選ばせてくれ
広告などでご覧になられているように、絵は決して上手なほうではありません。
しかしテーマや、老夫婦のいきさつを綴るのに軽すぎず、重すぎずちょうど良い絵でした。あまり写実的な作家さんが描いたら重たすぎて社会に絶望感を抱いていまっていたかも知れません。
認知賞をわずらっていた奥さんや旦那さんや行き着けのコンビニ店主など・・・登場人物全員が悪くないのに、罪悪感を感じる・・・という描写が巧みでした。(悪くない、というのは私の個人的な意見ですが)
若干、突っ込みを入れるとするなら虐待父の描写が浅い・・・というのがありますがそれはこの作品の「刺身のタンポポ」程度の要素なので放っておきましょう。
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Posted by ブクログ
ネタバレネット広告が気になって電子書籍で珍しく購入。
夫婦が火葬場で音楽を流しながら心中していたという実際に起きた事件をもとに、筆者がバックストーリーを膨らませていったという作品。
夫婦が心中へと向かっていく過程が丁寧に描かれている。独特のコントラストの濃いイラスト、夫婦の優しい表情などの描かれ方が温かい。
子供を守るためとは言え、人を殺してしまった妻の、「私のせいでこの人を地獄に道連れにしてしまう」という思いと、妻が一人で罪を背負って苦しんでいるのを放っておけず、「一緒に死んで、代々受け継がれてきた田に帰ろう」と思う夫。お互いがひたすらに相手を思い合っていて、悲劇的なのに温かい。切ないのに、羨ま -
購入済み
人生について考えさせられる
良作。DV、村、認知症、介護、現代社会において誰しもが人事でない事柄をうまくまとめている。最初の頃に単調な絵だなあと思う印象も、嬉しいことに後半ちゃんと裏切られる。1巻で読めてしまうコンパクトさが嬉しい。漫画というとどうしてもキャラが先に来てしまうことが多いが、ストーリーで読ませるこういう漫画が増えることをもっと期待したい。偶然にもこの作品に会えたことを感謝したい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ老夫婦が焼身自殺をする話なんだが、夫婦がずっと穏やかに思い合って、死ぬ瞬間まで、互いを思いやっているのが深い。これはこれで幸せな最期だった、と真相を追いかける記者が呟くが、確かにそう。
老老介護の果てに、と世間は言うのだが、繰り広げられる光景に、奥さんは確かに認知症と糖尿病と、足が悪くなって歩けない三重苦で、旦那は高血圧でそれでも家事一切やりながら奥さんのことも面倒見ていて、限界集落で若い人も少ないから町内会の集まりとかも中心人物的に参加しなきゃならないのだが(この夫婦には子供がいない)、旦那さんはそんなに苦しそうではない。もともと働き者で「家事が少しきつくなった」というのだけれど、奥さんに -
Posted by ブクログ
老老介護に疲れた夫婦の無理心中で処理された事件を取材するため、限界集落にとんだ記者が見たものとは。
誰かが言っているが、たしかにファンタジーでありフィクションである。本人、または身近に介護者や被介護者がいる者が汚い面を全く描いてない、美化していると憤慨するのも理解はできるが、この作者と作品に関しては描きたいテーマにふさわしい見せ方を選択したのだと感じた。
書きたいテーマとは何かだが、個人的には「イノセントな夫婦愛」だと感じた。
救い難く悲惨な現実、陰惨で猟奇的な事件など、いくらでも露悪的にグロテスクに描けるし、現にその手のフィクションは巷にあふれている。
辛い現実に必ず救済が用意されてる訳で -
Posted by ブクログ
ネタバレある村で夫婦が自死を選んだらしい。老々介護の果て、焼身自殺、などなどニュースでバッと放映され、世間的には焼身自殺と言うことで話題にはなれど、それらはすぐに風化する。
しかしある一人の記者が、上司の命令ということもあるけれどその自死について踏み込まなければならなくなった。
そこでその自死について奇妙な点があらわになり、一歩また一歩と記者はある事実に近づいていく。
誰が正しいと言うわけでも、誰が正しくないと言うわけでもない。
ただ哀しく、ただ良くないことが重なった、とも言えるし、死んで当たり前の父といえるくらい虐待なんぞする父親とは言えども、そこに至るバックグラウンドが少し弱めなのと、周