三宅孝之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書いてある内容はイチイチ納得感あるものだ。
企業は既存事業の先行き不透明感から、新規ビジネスの必要性を訴えるビジネスマンが多い。
しかし一体、今までのキャリアの中で新規ビジネスを起こした人がどれだけいるだろうか。
一度も新規ビジネスをやったことがないのに、人に「やれ」という。
そして、企画を提案すれば「それで儲かるのか?」「既存部署の邪魔をしないでくれ」などと批判する側に回る。
今の日本企業はこの循環に陥っているので、新規ビジネスがなかなか離陸しない。
本書が発行されたのは2015年だ。
今でも状況に大きな変化はない。
2020年の今、このコロナ禍の状況では特に攻める事が難しい。
しかしコロナの影響によって、既存事業のジリ貧化がむしろ決定的になった中で、新規事業への期待が高まっているのも事実である。
攻める事が難しくても、歯を食いしばってやっていかないと滅びるだけなのだ。
そういう気概を持っている人が果たしてどれだけいるだろうか。
心では分かっていても、今までのサラリーマン人生で「チャレンジしないこと」「失敗しないこと」が最適として染みついている人たちに対して、気持ちの転換が出来るのだろうか。
そういう意味でも本書の記載内容は正論であるが、実現するのに難しさを感じてしまうのはどうしても拭えない。
さて、このような状況の中でどうやって新規ビジネスを成功させるのか。
それがこの「プロデュース思考」なのだろう。
本書冒頭で出てくる「もっともっと視座を高く」は、自分の発想で足りなかった点としてハッとさせられた。
新規ビジネスと言っても、目に見える小さな「出来る事」から発想してしまいがちだ。
どうしても「失敗したくない」という気持ちがあることも要因なのだろう。
1億円の投資で2億円になっても「それは新規ビジネスとは言えない」と本書ではバッサリ切り捨てる。
10年かかっても20年かかってもいいから、それが数百億円~千億円規模になるのかどうか。
そういう視座を持って臨めというのは、確かにその通りだ。
この規模にまで発展させるためには、一つの新規技術のネタを活用した程度では到底到達できない。
「社会的な課題」を解決してこそ、大きな大きな市場が待っているのだ。
その市場作りまでに視野が及んでいるのかどうかがすごく大事なのだ。
これは本当にその通りだと思う。
最近になってようやく「課題」について一般論として会話が出来るようになってきた。
今でも「課題?イシュー?何ですか?」という人もいるが、「SDGs」とかの広がりもあって、何となくその重要性に気付いてきたし、コロナ禍の影響で実体験として「日々の課題」を感じることが出来たからだと思う。
さて、この中から大きな社会的課題を見つけ出し、その解決方法を見つけ出すことが大事なのだ。
社会的課題が大きければ大きいほど、解決策は困難を極めるが、逆に言えばそれらを解決することが出来れば、大きな市場が開くことになる。
そういう高い視座の元に、実行段階でも何が何でも推し進めるのが「ビジネス・プロデューサー」だ。
テレビ業界では「プロデューサー」という言葉は馴染んでいるので「困難があっても推進していくリーダー」という認識に違和感はない
これをビジネスに当てはめていくということなのだろう。
いずれにしても高い視座で、途中で諦めないで謙虚に実直に実行していく。
非常に難しい仕事だが、やりがいはある。
自分にも何か出来ることはないだろうか。そんなことを感じてしまった。
(2021/1/23) -
Posted by ブクログ
日本の企業から大きな事業が生まれない要因を述べつつ、現在の企業内外を取り巻く環境下でいかにして事業を創造し大きく育てていくか、その方法論を語った一冊。
キーワードは「つながる」こと。
企業単体で行う事業の多くは飽和状態にあるので、ブルーオーシャンである社会課題解決をテーマに複数企業/自治体とつながってビジネスを構想せよ!という内容。
ビジネスプロデュースのステップは、妄想→構想→戦略→連携→ルールづくり→実行。
構想段階の話は、楠木建さん著「ストーリーとしての競争戦略」の時間展開を含んだ因果論理のある戦略ストーリーづくりにも通じる部分があり。
その他にも、外部企業やそこの担当者、自身のメンターとなる人などの見極め方やつながり方、さらには新規事業創造についての社内での理解・協力体制づくりについての考え方が書かれてます。
3000億の事業を生み出す!と表紙にあるので一見自分とは縁遠い話に聞こえますが、実際に自分がやるとしたら...と想像しながら読むと色々考えさせられます。
当事者になりきって考えると、私の場合は「リーダーシップの旅」に書かれているような、見えないものを見ようとする志の高さや強さ、自分/周囲の人/社会に対するリーダーシップの重要性を読みながら感じました -
Posted by ブクログ
ネタバレ3000億円の事業を生み出すシリーズのもう一冊の方を読めばよし、内容はほぼおなじ
◯ビジネスプロデューサー向け人材
・守りより攻め
守りは本能、攻めは才能。才能の開花には課題を与えてその才能を育むことが大事 by 富士フィルム戸田
・俺についてこい起業家ではなく、社内外から信頼されてハブになれる
・既存ビジネスで実績を上げて成功してきたエリートが適するわけではない。
三要素
1. 前向きで明るい: 壁を感じさせない
2. 謙虚で素直: 共感を生む
3. 自分の意思がある: 心が折れずに踏ん張れる
・失敗したときにいくら損失が出るかだけ教えてくれ、それだけ見ておくから。 by ダイエー中内さん、事業内容には口を挟まなかった。
◯法律は変えられる
・社会課題に立脚していて、必要なら意外に早く法改正が行われることもある。
・陳情ではなくロビイングを行え、アメリカではロビイストは尊敬される存在 -
Posted by ブクログ
「新規事業」の創造を支援するビジネスプロデュース会社、ドリームインキュベータ(DI)が、「構想」から「実行」までの方法論を解説したもの。
冒頭の「日本には大きな事業が生まれていない」のところで、時価総額で「兆円級企業」が日米でどれだけ増えたかを比較している。日本は1990年時点で54社だったものが、2013年時点で100社に増えたのに対し、アメリカは、28社から426社に増えている。これは衝撃的な差である。こういう事実を踏まえ、事業を立ち上げるなら、「数百億円」「数千億円」の事業とすべきであり、また、その規模を目指すなら、「社会的課題への着目」と「業界の枠組みを超えた発想」が必要であるとしている。
そう言われると、最近考えてきたことは、ここまで大きな視座に立っていなかったと反省するばかりである。
ところで、方法論については、なるほどとは思いつつも、そんなに突飛なことは書かれていなかったように思う。 -
Posted by ブクログ
戦略コンサルティングと事業創造・投資の2軸を事業領域とすることで、業界内で特殊なポジショニングにいるドリーム・インキュベーターが(もっとも近年はコンサルティング色がかなり強くなってきているが)、大企業の新規事業に求められる3,000億円規模にスケールするビジネスを生み出すための方法論を解説する一冊。
スタートアップによる事業創造とは異なり、大企業の事業創造においては、事業のスケール性を求める点からも社会課題から発想すべき、欧米企業では当たり前のロビイング活動をポジティブかつ戦略的に実行すべき、というような種々の提言は説得性が高い。
ただ、大企業で新規事業創造を自ら行った経験があり、その上でトップとして全社改革を成功させた成功例として東芝を出すのはやめた方が良い。増刷の際にでも修正した方がいいと思う(皮肉かブラックジョークだと思われるので)。