E.H.カーのレビュー一覧

  • 危機の二十年 理想と現実

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    井上版岩波文庫から16年。訳者も訳文も改められた。より口語的な文章になっている。E・H・カーのヒトとなりについての解説が詳しい。外交官としてキャリアを出発させ、後にロシア文学に傾倒しドストエフスキーに関する著作を発表し、ロシア革命、カール・マルクスを著すことになって、大学教員として迎えられた。しかし結局、彼の理論も思想も、ヨーロッパ中心主義からの歴史観であって、そらには自ずと限界があり、第三世界の緒制度を理論に取り込んでいるわけではなという訳者の指摘は尤もだと思う。

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    2013年10月15日
  • 危機の二十年 理想と現実

    Posted by ブクログ

     リアリズムの生みの親と言われるカーの著名な本。この本を読み直して感じるのは、カーは後世で理解されるようなリアリストではなく、非大国的視点から大国中心の国際政治を捉え直したリベラリストと言えるのではないか?という点である。大国的視点で国際政治を見続ければ、暴力的手段を用いながらもそれを価値や規範、そして共通普遍の原理のように本気で信じる西側(アメリカ、フランス、イギリス)のリベラル知識人と何ら変わらなくなる。しかし、大国的奢りから目をそらすと彼らの価値や規範が所詮、実力によって担保されているにすぎないという事実に気がつく。しかし、脱大国的な視点は、その暴力や権力を価値や規範で誤摩化している大国

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    2009年10月07日