作品一覧

  • 平和の条件
    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    第二次大戦下の1942年,ザ・タイムズ紙勤務時代のE.H.カーが戦後を見据えて発表した秩序構想.進行中の破局が19世紀秩序に根をもつとして,そこからの決別を唱え,20世紀的な現実に合わせた政治・経済・国際関係の変革の道筋を示す.ユートピア的思考が結晶化した本書によって,『危機の二十年』は乗り越えられた.

    試し読み

    フォロー
  • 危機の二十年 理想と現実
    4.3
    1巻1,573円 (税込)
    政治に対する倫理の優位を信じ望ましい政治秩序を構想する、変革の思想としてのユートピアニズム。現実を分析し、そのユートピアニズムの偽善を暴くリアリズム。戦間期二十年の国際政治に展開した理想主義と現実主義の相克と確執に分析のメスを入れ、時代と学問の力動的関係を活写する、二十世紀国際政治学の記念碑。(新訳)

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • 危機の二十年 理想と現実

    Posted by ブクログ

    本書は、第一次大戦後から第二次大戦前の20年間の戦間期を分析することで、国際関係の過去をたどり未来を見通すという試みである。
    初版は1939年であるが、この翻訳は、1945年に若干の修正を経て出版された第二版のものである。
    第一章〜第十四章という構成で、大枠の内容は、
    ・国際政治(Ⅰ〜Ⅵ)
    ・力と道義(Ⅶ〜Ⅸ)
    ・法と条約(Ⅹ〜ⅩⅢ)
    上記に加えて、第十四章の結論という構成だ。

    端的に言うと本書におけるカーの主張は、イギリスという大国の出身でありながら、
    「大国と小国」「満足国と不満足国」「支配国と被支配国」という対比の中で、20世紀以降においては、譲り合いや自己犠牲という道義に基づいて国際

    0
    2024年04月21日
  • 危機の二十年 理想と現実

    Posted by ブクログ

    E.H.カーの「歴史とは何か」を読んで感銘を受け本書も手に取りました。全くの門外漢ですので、カー氏はてっきり歴史学者かと思っていたのですが、本書を読んで、カーが最初は外務省に勤務し、その後ジャーナリズムの分野に入りながら学者に転身し、歴史、国際政治分野の研究をしていたことを知りました。本書は1919年の第一次世界大戦終戦から第二次世界大戦開始の1939年までの二十年間における国際政治をその分析の対象にしています。国際政治学という分野自体、当時は黎明期にあったということで、「あるべき論」つまりカーの言葉を借りればユートピアニズムが横行していたわけです。これは国際政治学に限らず、経済学などそのほか

    0
    2023年04月30日
  • 危機の二十年 理想と現実

    Posted by ブクログ

    岡義武の『国際政治史』と合わせて読むといい。"国際政治"といわれるものは第一次世界大戦後に始まるということがよくわかる。理想を追うことも現状を見ることも双方重要で、またどちらかだけではいけない。両方を視野に入れながらバランスを取った見方をすることの重要性。あいまいだったり日和っているように見えたりするかもしれないが、極端なことを言う人は信用してはいけない。こういう”古典”は、今のようなご時世ではなおさら有用だと思う。

    0
    2022年02月14日
  • 危機の二十年 理想と現実

    Posted by ブクログ

    危機の二十年とはWWⅠ~WWⅡを指す。

    ユートピアニズム批判は非常に鋭い。

    歴史と理論の勉強に、IR研究では必須の文献。

    0
    2019年05月01日
  • 危機の二十年 理想と現実

    Posted by ブクログ

    【その時代、理想が砕け、現実が立ち昇った】国際政治の古典的名著とも言える作品。第一次大戦終了から第二次大戦に至るまでの時代、いかにユートピア思想がいかに世界を席巻し、そして無惨にも現実に押し潰されたかを丁寧に捕えることにより、国際政治における理想と現実の問題に鋭すぎるメスを入れていきます。著者は、イギリスの外交官として活躍し、晩年は研究業に勤しんだE. H. カー。訳者は、自らも本書の魅力に抗うことができないと語る原彬久。


    明晰でありながらも複雑な思考が展開されていきます。ユートピアの欺瞞を軽々と見破ったかと思えば、その次にはリアリズムの限界をあられもなく指摘し、ユートピアの必要性を説く。

    0
    2013年05月01日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!