新田匡央のレビュー一覧
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あまり普段法律系の本は読む機会がないのでが、この本は読んで良かったなと感じた。犯人目線から始まるストーリーの序盤。先にどんな事件のことに関して展開されていくのかがわかって読みやすい。中盤は著者の裁判に臨む準備の話などがあって少し緩むが、終盤にかけて一気に展開が白熱する。最後は本当に一気に読み切った感じがした。
なぜ被疑者(犯人)の弁護をするのか。この問いが出てくるが、著者の説明がとてもわかりやすかった。「「罪を犯すヤツの権利など守らなくていい」という考え方は、いずれ、罪を犯していない人間の権利さえも守られない社会を受け入れることになる」
最後の場面は最高裁での弁論だが、ここがまたかっこいい -
Posted by ブクログ
全てが実話。迫力と感動の法廷ドキュメント
のキャッチのとおり、いやそれ以上です。
へたな法定物の小説が霞んでしまうくらい、わかりやすくおなかつ感動します。
なんたって、最高裁大法廷ですよ。
大法廷のすごさは本書を読めばわかります。
圧巻は大法廷での弁論部分。緊迫感が違います。
また、この本は亀石さんの人柄・考えが強く主張されている本だと感じました。結婚に至るエピソードもすごいし、人を巻き込む力もすごいです。
これを読めば、彼女が選挙に出る理由もよくわかります。
亀石さんたちにとってラッキーだったのは、被告が警察のやり方に納得せず、最高裁まで上告させてくれたこと。それ以外は弁護団の努力と -
Posted by ブクログ
刑事事件裁判のリアルな実態を描きながら全く飽きさせない。
舞台は「裁判所」、主人公たちは「社会正義を心に秘めた弁護士」で相手の悪役は「警察・検察」。
展開には「スリル、サスペンス、スピード」があり、最後の大団円に「大舞台での大見得」まであるとあっては、まるで推理小説かドラマのようだ。
この事件の裁判結果は、当然マスコミにも大きく取り上げられていた。しかし、その内容がこの様な経過を経たものだったとはと、あらためて瞠目した。
本裁判の経過はドラマにしても充分面白い。ただ配役上悪役となるのが「警察・検察」である以上、昨今の情勢下では難しいとも思った。
本書を絶賛したい。 -
Posted by ブクログ
映画監督・山田洋次の最新作『おとうと』の撮影現場を三ヶ月にわ
たって密着取材したドキュメント本です。
山田洋次と言えば「寅さん」ですね。映画版『男はつらいよ』は、
1969年から1995年までの26年間で全48作品が上映されていますが、
寅さん以外にも『幸福の黄色いハンカチ』『息子』『学校』『母べ
え』など、国民的な映画を撮り続けてきた名監督です。
山田監督の作品に共通するのは独自のヒューマニズムの精神です。
東大出身の秀才にも関わらず、あくまでも庶民の側に立って、人々
の喜怒哀楽を描ききる。それが「くさい」とか「予定調和的」など
と言われ、敬遠されたりもするのですが、観ればやっぱり笑える