病気を理解する上での切り口は、西洋医学のメスによるものだけはない。我々現代の日本人は、病気を単なる「機械の故障」のように扱いがちだが、文化人類学的な切り口から見れば、もっと多くの意味をもつものだった。
本書は1984年に刊行されたものを2022年に文庫化。しかし、古びた印象はなく、その時間の重みが、むしろ説得力をもたせている(学術的には古くなった面もあるのだろうが、素人にはわからない。その点は、文庫版解説でフォローされている)。
過去の日本における痘瘡やコレラに対する対応など、コロナ禍の現在と比べることで、興味深く読める内容も多い。