佐伯和人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
背表紙面のオビアオリに曰く「月で一旗揚げたい人のためのガイドブック」とある。
もはや、月は遠くに見上げてただそこに在れば良いというシンボル的な物ではないようだ。
いよいよもって月面移住を見据えた時に、月ってどんな所なの?持って行くべきものは?気を付けるべき点は?ウサギはいるの?…etc.とあたふたしないように備えておく意味でも、月研究の動向は追っておいた方が先々において思いもかけないようなチャンスを掴む事が出来るかもしれない。特に若ければ若いだけ、マジで生きてるうちに渡月の可能性があるかも、くらいに思っておいて良いように感じた。
やっぱり差し当たって最大の障害は降り注ぐ放射線への対策だろう -
Posted by ブクログ
少年時代に宇宙に関するテレビ番組などで宇宙に興味を持ち、JAXAなどに関わるようになった筆者。月の資源、開発、移住の可能性から宇宙探査と移住にまで話が広がっている。
月に人が行くだけでもどんな困難があるかを科学的に、しかし極力分かりやすく解説されている。大気がない故に猛スピードで飛んでくる隕石の欠片や太陽風と放射線などがある。また、「地球から物を移動させるコストが1kgあたり1億円」というのは、月面開発をするなら資源を現地調達しなければならないという大前提として説得力がある。
結びでは「なぜ宇宙開発が必要か」という壮大なテーマに少し触れている。ガンダムなどSFの世界でも多く語られてきており -
Posted by ブクログ
ネタバレ単純な岩石のかたまりというわけではなくて、地殻やマントル、核がどうやらありそうで、さらに表(地球の方を向いている面)と裏でかなり地殻の組成が異なるそうだ。
アメリカがアポロの着陸地点等を歴史的遺産として保護するという目的で、一定範囲の立ち入りや上空の飛行などを禁ずるという取り決めを作ったらしい。
人類史上、とても重要な科学的・歴史的遺産にはちがいないが、こうすると月のある場所(範囲)を占有できてしまうというあたりがいやらしい。中国なんかこれを狙って、なんとか探査船の着陸や有人探査の痕跡を残したいともくろんでいるんだろうなと思う。月まで行く科学と技術がありながら、結局陣地の取合いみたいな事になり -
Posted by ブクログ
ネタバレ月はすごい
著者:佐伯和人
発行:2019.9.25
中公新書
著者はJAXA月探査「かぐや」プロジェクトの一員で、惑星地質学、鉱物学、火山学が専門。月の地質や鉱物などが中心に書かれているが、もっと広い範囲で月についていろいろ勉強できる。潮の満ち引きについての説明まである。
月に水はないが、水の氷(月では水以外の氷も存在可能らしい)が存在する可能性があるのないのって大騒ぎしているのを、僕は不思議に思っていた。月に人が住めるわけでもないし、水があったらどうだというのだ?と思っていた。最も期待されるのが、ロケットの燃料らしい。水は酸素原子と水素原子でできているから、電解すると水素ガスと酸素ガ