長野きよみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かの有名な『オリエント急行の殺人』の翌年に出版された作品。
前半はポアロが殆ど出てこず、素人の推理が迷走する様を目で追うのが少々苦痛に感じてしまった。
しかしその覚束なさにもやはり伏線が張り巡らされており、後半の答え合わせパートでしっかり回収され読後感スッキリ。これぞクリスティ。
登場人物たちの心理描写も面白いがヒロインと同年代の自分としては、さすがに犯人キモいな…と思ってしまった。あの時代はそういうものなのかな?恋は人を狂わす?悲しいことにわたしにはわからない世界だ。
本編ラスト2ページのやり取りは、これだからポアロ氏が好きだ!と心の中でスタオベ。こんな大物になりたいものだ。
初老の -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
1934年。クリスティー44歳。
攻略本で、「ものすごく退屈だけどわざとやっている」と教えてくれていたのでとても助かった。
素人探偵のくだりが本当に退屈だったから…。
でもわざとだとわかればそれも楽しめる♪
これぞ攻略本。ありがたい!
ポアロが真相を解明する所から一気に面白くなる。この犯人は今までにないタイプで、かなりのヤバい奴。忘れられない犯人の一人になった。
読んでる時はそうでもないけど、読み終わった後に犯人のやったことを思うと、後からジワジワくる面白さがあった。
ポアロの最後のセリフがポアロらしくて好きだった。
★3.5(解決編と読後が面白いから評価に迷った) -
Posted by ブクログ
ネタバレ助演・名探偵ポアロ。
パーティーでカクテルを飲んだバビントン牧師が死亡。また別の場所でそのパーティーにもいた医師バーソロミュー・ストレンジがワインを飲んで死んだ。パーティーを開いた元俳優チャールズ・カートライトは、友人である医師の死と牧師の死を結びつけ連続殺人だと捜査を始める。仲間は美術・演劇のパトロンでありチャールズの友人であるサタースウェイト、そしてチャールズと接近中の若い娘エッグことハーマイオニー・リットン・ゴア嬢。3人の探偵劇に、ポアロがアドバイスする。この推理劇の結末はいかに。
あくまで主役を食わないように注意しても名探偵ポアロが場を攫ってしまうのは自明のこと。3人が足で稼いだ手 -
Posted by ブクログ
引退した俳優が主催するパーティで、老牧師が不可解な死を遂げた。数カ月後、あるパーティの席上、俳優の友人の医師が同じ状況下で死亡した。俳優、美貌の娘、演劇パトロンの男らが事件に挑み、名探偵ポアロが彼らを真相へと導く。ポアロが心憎いまでの「助演ぶり」をみせる、三幕仕立ての推理劇場。
読み終えてから、タイトルの上手さに舌を巻いた。最初から最後まで読者は演劇を見ている観客だったんだなあ。語り手や主人公が犯人というのはいまやそこまで珍しくないけれど当時はどうだったんだろう。てっきり証拠隠しに走ろうとしたメイドが怪しいと思ったものの動機が分からず悶々としていた私です。クリスティの登場人物って俳優とか女優