長野きよみのレビュー一覧
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ネタバレポアロが登場するまで約200ページ。日常でも何かしらの役を演じてしまう自己愛の強い俳優と人間観察が趣味の好事家による素人探偵コンビが活躍して新鮮。
【ネタバレあり】
ポアロを悩ませるのが聖人の権化のような牧師が殺された動機。これは良心が痛む凄まじい一撃だ。しかし、それよりどちらかというと2つの殺人の会食に居合わせた者を疑わせるというミスディレクションのためだったという動機の方が良かったのではないか?
よくもまあこんな良作をポンポンかけるなあ
いや今作に関しては「犯人はエッグでチャールズを自分の元に呼び戻すためだ」という確信があった。怪しいモノローグや独り言もあったし。だがクリスティーはそこまで甘くなかった。 -
Posted by ブクログ
タイトルがすべてを表している、という書評を読んだがその通り。
元俳優チャールズのハウスパーティーで老牧師が毒殺された。チャールズとそのパトロン・サタースウェイト、ミス・リットン・ゴア(通称エッグ)は殺人ではないかと考察する。しばらくしてチャールズの友人バーソロミューも自身のハウスパーティーで他殺ともとれる死を遂げ、三人は犯人を突き止めようとする。
ポアロがあまり出てこないし、元俳優のチャールズがしょっちゅう芝居がかった台詞で考察を披露するので、そこが少し鼻につく。が、若くてチャーミングなエッグが年の離れたチャールズに恋をしていて、一生懸命振りむかせようとするのがとても可愛くて退屈しない。
チャールズはチャールズで、自分のような年寄りは彼女に相応しくないと思い込んでいて、じれったい恋模様の様相を示している。「もう付き合っちゃえよ!」である。
このあたりが微笑ましいと思えば思うほど、ラストの犯人が憎らしくなる。すべての真相が明かされた時、わたしはちょっと唖然とした。そりゃひどい。最後のページなんか、まったく同感。そうならなくて良かった。
そして、相変わらずクリスティーは読み返したくなる作家です。
お見事。 -
Posted by ブクログ
ネタバレクリスティーは、一体どれだけ「予想外の犯人」を生み出すのでしょうか?
私はほとんど推理せずに読み進めるタイプなのですが、それにしても犯人に気を許しまくっていて、むしろ鼻につく○○○の方を疑っていました(^^;
今作には目次がなく、「おっ、これは第三幕で犯人を指摘するけど、真犯人はその後のエピローグでポアロさんがこっそり暴くやつだな!」なんて予想もしていましたが、そこは三幕できっちりと緞帳が下りましたね。なにも当たらない……。
目次の代わりの「〈照明〉エルキュール・ポアロ」がなんともニクいですね。
まー、しかし、「通し稽古」で実際に毒物を使うなんて……恐ろしい奴です。
素人探偵たちに少々中だるみも感じましたが、プロットとしてはなんの破綻もない。改めて、クリスティー作品のクオリティの高さに感心いたしました〜。 -
Posted by ブクログ
かの有名な『オリエント急行の殺人』の翌年に出版された作品。
前半はポアロが殆ど出てこず、素人の推理が迷走する様を目で追うのが少々苦痛に感じてしまった。
しかしその覚束なさにもやはり伏線が張り巡らされており、後半の答え合わせパートでしっかり回収され読後感スッキリ。これぞクリスティ。
登場人物たちの心理描写も面白いがヒロインと同年代の自分としては、さすがに犯人キモいな…と思ってしまった。あの時代はそういうものなのかな?恋は人を狂わす?悲しいことにわたしにはわからない世界だ。
本編ラスト2ページのやり取りは、これだからポアロ氏が好きだ!と心の中でスタオベ。こんな大物になりたいものだ。
初老のサタースウェイトが登場する『謎のクイン氏』も読みたい。 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
1934年。クリスティー44歳。
攻略本で、「ものすごく退屈だけどわざとやっている」と教えてくれていたのでとても助かった。
素人探偵のくだりが本当に退屈だったから…。
でもわざとだとわかればそれも楽しめる♪
これぞ攻略本。ありがたい!
ポアロが真相を解明する所から一気に面白くなる。この犯人は今までにないタイプで、かなりのヤバい奴。忘れられない犯人の一人になった。
読んでる時はそうでもないけど、読み終わった後に犯人のやったことを思うと、後からジワジワくる面白さがあった。
ポアロの最後のセリフがポアロらしくて好きだった。
★3.5(解決編と読後が面白いから評価に迷った) -
Posted by ブクログ
ネタバレ助演・名探偵ポアロ。
パーティーでカクテルを飲んだバビントン牧師が死亡。また別の場所でそのパーティーにもいた医師バーソロミュー・ストレンジがワインを飲んで死んだ。パーティーを開いた元俳優チャールズ・カートライトは、友人である医師の死と牧師の死を結びつけ連続殺人だと捜査を始める。仲間は美術・演劇のパトロンでありチャールズの友人であるサタースウェイト、そしてチャールズと接近中の若い娘エッグことハーマイオニー・リットン・ゴア嬢。3人の探偵劇に、ポアロがアドバイスする。この推理劇の結末はいかに。
あくまで主役を食わないように注意しても名探偵ポアロが場を攫ってしまうのは自明のこと。3人が足で稼いだ手がかりを聞いたポアロは、動機を推理し、狙われた者に忠告し、証拠の破壊を防ぎ、犯人を突き止める。
別の物語に出ていたサタースウェイト氏が再び登場。今回も観察力、語りは健在で、読者は多くをサタースウェイト氏の口を通して見聞きすることになる。ポアロはヒントを出したからサタースウェイト氏にも真相にたどり着く可能性はあったと言うが、彼はそのポジションの人ではないだろう。しかし実に有能なワトソンとも言える。
特定の人を狙うことが不可能で、動機も考えられない第一の殺人。第一の殺人で何かに気付いたはずの人が殺される第二の殺人。同じく口封じと考えられる第三の殺人。それぞれの動機が明らかにされると、どの殺人もなるほどと言える。現実にはあまり起こり得ないと思うが、真相が明らかにされた時のスッキリ感は素晴らしい。
クリスティー作品にもはや不可欠と言ってもいい「おきゃんなお嬢さん」エッグの活躍が心地よい。それもあって犯人はあらら…という感じだったが、犯人ぽく描写されて実は問題なかった若き友人が彼女のパートナーに相応しいのだろう。トミーとタペンスのように尻にひかれそうな未来も見えるけど。