藤田政博のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨年秋に、日経新聞のコラム春秋で気になっていましたが、なかなか手に取ることができていませんでした。そんな中、2025年夏に行われた参議院選挙で、偏った考え方やデマが横行していましたが、なぜ横行するのかのヒントを探るために手に取ってみました。
内容は人間のバイアスについて体系的にわかりやすく、事例を交えて整理されており、社会に出る者であればだれもが一度読んで理解すべき本だと感じました。
バイアスは、人間が生存するために備えられた本能であり、バイアスがあるからこそ、「世界から自分なりに意味を紡ぎだしている努力である」というフレーズは特に心を打ちました。
人間は誤る生き物であるが、誤ることを認めるこ -
Posted by ブクログ
私たちはこんなに沢山認知のゆがみがあるのか、と大変驚く。しかし、著者はバイアスは人間が生き残るために身に付けたひとつの能力とも解釈でき、バイアスが必ずしも絶対悪ではないことを指摘している。
一方、現代の我々は複雑な情報社会の中で様々な判断を行わなければならない。そこでの判断では、適切ではないバイアスが働いていないか、気づく必要がある。そのために、我々はどのようなバイアスを持っているのか、知ることは有効だと感じる。
著者は、人間が置かれている環境を機械のように認知しないのは、自分の物事に意味を見出しながら生きているからではないか、と指摘している。なるほど。。
大変分かりやすく読み応えのある一冊。 -
Posted by ブクログ
「バイアス」というものを正しく理解していない気がして手にした一冊。人のあらゆる思考特性を見事に整理する考え方であると思った。自身にとっても思い当たることのあるものが少なくない。心の平穏を目指して生きるためには、煩悩だけではなくその時その時に生じている自身のバイアスに気づき修正することも大事だと考えさせられた。
また、自身の仮説が正しいことを証明するアプローチ以外に、それが誤っていることを証明するアプローチ(論理学における対偶)に関する記述をずいぶんと久しぶりに読んだ。思えば、今の自分というのは仮説が正しいことのアプローチしか取っていない。原点回帰のきっかけを得る。
自分のバイアスをチェック -
Posted by ブクログ
気づかぬうちに私たちの判断を惑わせる「バイアス」。日常の様々な場面で生じる各種バイアスを紹介するとともに、その影響を緩和し、より良い意思決定を下すためのヒントを示す書籍。
バイアスとは、「人間が様々な対象を認知する際に生じるゆがみ」のことである。
バイアスは自動的に生じる。また、その働きを意識や意思の力で抑えたりすることはできない。だが、バイアスに関する知識があれば、その影響を考慮し、対策をとることができる。
バイアスには、例えば、以下のようなものがある。
・確証バイアス:
自分の予想や思い込み(仮説)に合う事実を無意識に選択し、認知する。そして、自分の仮説は正しいという信念を強化する。