なんとなくナメクジを調べ始めた元新聞記者のエッセイ。
笑いのセンスが合わなくて最初のうちイマイチかなと思ったけれど、ノリに慣れれば面白い。
合う人には軽妙な文体と感じられるだろうと思う。
おっさんくさいとナメていたら「人間は一般的に雌雄異性体(p53)」とでてきてびっくりした。
ここでちゃんと「一
...続きを読む般的に」と入れてくるとは。一気に好感度があがるわ。
本を読んで調べたこと、知人に見かけたら教えてねと頼んで作った分布図、文学や文化のなかの扱いや科学的な研究と、扱う分野・興味の幅が広い。
関係ない部分、この調べ物をしていたらナメクジにつきあたって云々という話の「この調べ物」についても、これなんだろう知りたいと思わせる。
雰囲気が旦那芸っぽい。本職の人をおびやかさない程度にゆるく外しつつ楽しませる。
全体的に面白かったけれど、なめくじになぞらえた社会批評はいらないなぁ。
生物なんてどうとでも読めるんだから。