吉村均のレビュー一覧

  • 日本人なら知っておきたい日本の伝統文化
    本書は、日本人の伝統文化の本質を民俗学、宗教学、倫理学の視点から探り直した力作です。著者は、近代化の過程で見失われがちだった日本人の心のあり方や価値観に焦点を当て、その源流と変容を精力的に掘り起こしています。

    まず、柳田国男や折口信夫らの民俗学者の業績を手がかりに、神祭りや年中行事に息づく古代日本...続きを読む
  • チベット仏教入門 ──自分を愛することから始める心の訓練
    この人の文章は誠実さを感じ、とても信頼できる方だと思った。また、チベット仏教について理解が進んだ。中沢新一の著書の引用があるのに、その名前を出さないことが気になった。オウム真理教事件と中沢新一の関係性に対する抗議なのかも知れないが、ここはしっかりと批判した上で、著作そのものの良い点を紹介して欲しかっ...続きを読む
  • 日本人なら知っておきたい日本の伝統文化
    公益財団法人中村元東方研究所専任研究員で日本倫理思想史・仏教学が専門の大学非常勤講師の著者が、民俗学や宗教学・倫理学等の観点からかつての日本人の神への考え方や日本仏教の変遷について紹介しています。
    明治維新の「神仏分離」が日本の文化に深刻な影響を与えたことや、その危機感から民俗学が生まれたことなど、...続きを読む
  • 空海に学ぶ仏教入門
    一部、用語や考え方など難しい部分があった。他の本で勉強してからもう一度読みたいと思う。


    苦しみの原因は、世界が実体があると思っていること。

    瞑想中に空を経験すると、「私」「私の」から解放され、苦しみが消える。
  • 空海に学ぶ仏教入門
    空海の主著『秘蔵宝鑰』『十住心論』の内容を引きながら、「十住心」についての説明を展開していきます。

    空海という人物の名前は知っていても、実際に空海の仏教がどのようなもので、真言宗がどういう教えを説いているかについては、何も知りませんでした。

    本書の「はじめに」で、"空海の十住心を学ぶことは、空海...続きを読む
  • 空海に学ぶ仏教入門
    空海の『秘蔵宝鑰』における十住心の階梯をたどりながら、大乗仏教の教説を空海がどのように受け取り、みずからの信仰する密教の立場へとつなげていったのかをわかりやすく解説している本です。

    ちくま新書では、すでに竹内信夫の『空海入門―弘仁のモダニスト』が刊行されていますが、竹内はマラルメやベルクソンを専門...続きを読む