漆原次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、カルロス・ゴーンが日産CEOに就任した時に導入されたV-upと呼ばれる意思決定法則(簡単に言えば、会議のススメ方)の紹介。
日産は、先の東日本大震災で、驚異的なスピードで生産能力を回復したが、その時にどのように意思決定がされていったかのドキュメンタリーでもある。
開発の現場でも、生産の現場でも、世の中で様々に標榜されているメソドロジーを導入して成功したという事例は少ない。
例えば、郵政がトヨタ式改善方式を導入しようとして様々なコンサルタントを雇い、郵便の仕分けをしている作業者の後ろで、コンサルタントがストップウォッチを持って動作を秒単位に分析し、無駄を削除しようとしたけど、そもそも作業内容があまりにも非定型過ぎてうまくいかなかったという話もある。
日産が、日産リバイバルプランを推し進めるメソッドとして使ったV-Upは、以下の点で成功したようだ。
(1)外部からの輸入ではなく、日産社員独自の案である事
(2)現場レベルの部分最適のカイゼンの積み上げではなく、全社の様々な部門を横断した、多様性のあるメンバーにより、全社レベル、ひいいては環境最適レベルの意思決定が出来る事。
(3)ゴーン自身が、「V-Upは「目的」ではなく「ツール」と言っているように、「メソッド」というよりも「考え方(カルチャー)」のレベルの汎用性のある手法である事。
文末の説明がとても興味深い。
「背景の似たもの同士が似たような意見に染め上げていくのではなく、背景の異なる者が集まり、異なるカラーの意見を混ぜ合っていく事が重要」
「グローバル化は、このような人種文化価値観の多様性(Diversity)によって、力を持ち、変化に強い企業文化の基礎になる。」
「多様性の中で必要なものは「全員が共有できるもの」」
ひとつは言語としての「共通語」=「英語」
もう一つは、価値観としての(V-UP)
異なる人種同士が英語により共有の言語で議論を行い、
共通の企業価値観としてのV-UPにより、評価検討を行う。
※ローマ帝国の植民地化政策の一つに、土俗宗教とローマ神話を結びつけることで、文化的な共通認識を創りだしていった話と似ているかもしれない。
会社員でもフリーでも主婦でも学生でも、
意思決定と無縁でいる人はいないし、どの人が読んでも、すごく刺激的で面白いと思う。 -
Posted by ブクログ
日産のカルロスゴーン氏の存在もすごいと思うが組織としての機能改善が今の日産再生を実現したのだろう。会議という切り口から思考とりわけ意思決定プロセスをいかに構造的修正を加えていったか。なかでもコアとなる人材育成に力を注いだ点がとりわけ企業文化を形成していったのだろう。粘り強さを強烈に感じる日産にエールを送りたい。ただ私個人の経験として、数年前に数回日産の販売店に訪れたことがあるが、誰も対応しに来なかったため5分ほどで販売店を出たことがある。時間帯にもよるのだろうが、必ずしも書籍のような素晴らしい販売店モデルケースをすべての場面に当てはめて考えてはならない。
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Posted by ブクログ
日産マリノス社長の嘉悦さんの講演で紹介された本。
日産復活の原動力となった日産の会議の仕方を事細かに、かつ、具体的に記述されています。その内容は、すごい、びっくりするといった感じです。
日産の会議の11ツール
(1)ポストイット、ホワイトボード
(2)課題定義書
(3)集中討議進行表
(4)系統図
(5)親和図
(6)ペイオフマトリクス
(7)課題達成計画書
(8)デジカメ議事録
(9)プロセスマップ
(10)漏れ分析
(11)パーチェスファネル
日産の会議は課題解決・意思決定のための会議ということがよくわかります。この中で特筆すべきは課題定義書です。
課題や目標値、役割などを事前に明文化しておくということですが、アジェンダとはまったく異なります。
系統図とは、なぜなぜを整理するための図表。
親和図とは、ポストイットでのアイデアをグループ化。
ペイオフマトリクスとは、各施策を実現性と実効性の2軸
のマトリクスでプロフィットし施策の優先順位を決める。
パーチェスファネルとは、お客様が商品を購入するにいたるまでの段階を分けて図示して方策を考えていくもの。
次に、日産の会議のグランドルール
(1)予定外の課題を持ち出さない
(2)ポジションパワーを使わない
(3)積極的に聴く、話す、書く、行動する
(4)時間厳守
(5)いかに~するかなど建設的な表現活用
(6)携帯電話はマナーモードに
(7)安全なシェルター
いくつか、耳の痛いルールがあります(笑)
また、世の中の会議と大きな違いは
「意思決定者は会議に出席しない」
です。
意思決定者が口を挟まないというのはあると思いますが、そもそも会議に参加しないというものです。最初に課題、背景、目的を伝えて、会議室を出て行ってしまいます。方策がでたところで、やるやらの意思決定だけをするのに最後また参加するというものです。意思決定者の何気ない一言や表情や流れで議論が方向付けられていくことを嫌い、本当の意味での全体最適の解を得るための施策だそうです。これは、びっくりです。
もうひとつすごい点は、日産全社、グローバルでこの会議のやり方を行っているということ。
会議を統一しているところがすごいですし、それをワールドワイドに推し進めることができているところが驚きです。
なので、日産では、共通言語は英語とこの会議ということで、何処にいっても英語をつかって、同じやり方で会議を行い、密度の濃いコミュニケーションを行うことができます。これってすごいことです。
しかし、一番大変だと思われることは、全世界にこの会議を浸透させたこと。本書ではどのように浸透させていったかについても、記載されています。一筋縄ではいかない、トップマネジメントの本気が必要です。
また、本書では、会議の仕方だけを記載するのではなく、実際にどんな課題をこの会議でこんなふうにして議論して解決策をだしてきました。というところまで記載されており、これまた、ためになります。
ということで、日産の改革にともない、日産が変えた会議の仕方。進め方。本題のとおり「驚異の会議」でした。これは、会社に置いておくべき本ですね。 -
Posted by ブクログ
議事録はつくらない、結論はその日中に出す、決定権を持つ人間は参加しないーー。「日産の会議」には独自のルールがある。そして、経営の危機に陥っていた日産を救ったのもこの会議手法だった。会議システムが生まれ浸透するまでと、その活用法についてまとめた一冊。
日産立て直しのドキュメンタリーのような部分と、会議の活用法との二つの側面があって、なかなか面白く読めた。ゴーン氏が持ち込んだ会議システムなのかと思っていたけれど、日本で構築されたものだと知ってびっくり。すごく合理的な会議手法なので、日本で生まれたとは思えなかった。
本でも触れられていたが、日産が会議を変えられたのは、危機感を誰もが持っていたからだという部分がたぶんとても大きい。このホンを読んで、他企業が真似してみようとしても、そう簡単にはいかないだろう。たぶん、変える理由が理解できないから。現状に満足せず、危機感を持てるかどうかはとても大きなポイントなのだと感じた。会議をしていると仕事をした気になってしまう場合がとても多いように思うが、まずはそれが成果を生んでいるのかどうかを客観的に評価するべきだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ会社の業績が悪くなると会議が増える、ということで会議と会社の生産性の関係を再確認し、より効率的に運営している事例を知るために読んだ。
「日産の会議」を知るためには背景情報が必要なのはわかるが、肝心の会議のノウハウに関する部分は期待よりも少なかったのではないかと思う。
6σのDMAICをプロジェクト期間に適用させるのではなく、1回の会議に適用させるという点は、慧眼だった。ただ、「日産の会議」が使える会議は、半日から一日がかりの物に限られるな、と思った。
(よくやっている1時間会議では、このやり方は逆に非効率になるかと)
全般的には、一般的なビジネス書の内容を、会議運営の視点から解説したもの、という印象をうけた。
===印象に残った部分===
・「社員の一人ひとりは、部門の中で最善を尽くして仕事をしているつもりになっていた。しかし、会社全体では最適にはなっていなかった」
・「この議題は次回へ持ち越し」となった瞬間、会議運営に対する不信感が生まれる
・会議の課題と目標を予め明文化し、会議の参加者に事前に伝えておく。参加者に送られてくるのは「課題定義書」と呼ばれる表。
・「集中討議進行表」、「ペイオフマトリクス」
・案を評価する時、一番大事なことは、お客さんは何を望んでいるかという視点をみんなで持つこと
・役職が上位の者ほど、大いに語る。その語りは、しばしば課題の範囲外に及ぶ。上役であるほど会議のルールを破る。咎められない、知識・経験があるため。
・Work Out:不要な仕事を取り除く
・クロスファンクショナルな会議にすれば、部門間での衝突は覚悟しなければならない。逆に衝突の起きないCF会議は行う意味が無い。
・U字管現象:部門間で対立し合い、部下同士でコミュニケーションを撮り合う状況。
・議事録づくりは「目的」ではなく「手段」。「議事録をつくる」のではなく、「議事録で会議の内容を振り返る、整理する、共有化する」
・プロセスを視覚化して問題を顕在させる。
・お客様は不安や不満が起きて「なんだよ」と思っている時、それが解消されると喜びに変わる
・企業改革のために必要な問題点の洗い出しをしては見たものの、出てきたものの多くは”他責”と取れる批判だった。
・間接部門の人間は、組織の改善の必要性を感じながらも、人に指図されることが嫌い。教条主義的なものも嫌い。やらなければいけないときは、演技に走ろうとする。自分たちは開演に取り組んでいますよという振る舞いをし始める。
・パーチェスファネル:認知→理解→好意→購入意向→購入→再購入
・CFTが方向を決め、V-upで推進力を与える。
・PMO:目標達成させるツール浸透・展開する組織
・組織構造が業績と結びつくのは、競合他社より意思決定が有効かつ迅速にくだされ、実行に移される場合だけである
・チャレンジングな目標への取り組みを永続していくには、現場の社員が疲弊せず、持続可能にチャレンジしていくためのしくみが必要。
・自ら変革を遂げながら成長していく企業は、問題を意識的に生み出していくものである。