松本麗華のレビュー一覧
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加害者家族として生きて
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試し読み
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加害者家族として生きて
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Posted by ブクログ
加害者家族もまた被害者である。松本麗華さんが体験した大学入学拒否事件は、一般の家庭に生まれた私では経験することのない、想像もできないような苦痛だと思う。「自分自身は何もしていないのに…」加害者同然に扱われてしまう日本社会。日本は欧米に比べて「家」という観念が長らく社会をしているため、家族ぐるみでバッシングを受けるという記載に説得力を感じた。
地下鉄サリン事件の時期に生まれてすらいなかった私。この本を知るきっかけとしては、麗華さんが羽田空港で出国を拒否されたニュースをたまたまYouTubeで見たからだ。そのニュースを見ただけでは、麗華さんがまだオウムと関係があり、何らかの被害を起こしているように捉えてしまっていたが、事実とは異なっていた。麗華さんをはじめ、加害者家族の受ける不当な処遇は理不尽でしかない。自死を選ぶ加害者家族がいることも悲しい現実である。
私がもし、サリン事件の被害者遺族なら加害者家族のことも恨むのだろうか…
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Posted by ブクログ
またまたひまわりめろん師匠の本棚より。
本書はインタビュー形式です。松本サリン事件で死刑となった麻原教祖の三女である松本麗香さんと、保険金目当てに弟を殺害された原田正治さんの対談です。
原田さんの弟さんが被害に遭われた半田保険金殺人事件は存じ上げなかったので、調べてから拝読しました。
概要を簡単にご説明すると、お金に困窮した長谷川敏彦氏(死刑が執行されました)が自身の会社で雇用していた原田さんの弟さんに多額の保険金をかけて事故に見せかけて殺害、二千万円を受け取ったという事件です。
他にも2名程関与しているみたいでしたが、結果的に3人の方が殺害されてしまいました。こんな恐ろしい事件があったとは露知らず…。
松本さんが「自己破産をしていれば」と仰っていましたが、本当にそう思う。なぜ金は命よりも重いと言う利根川思考に走ってしまったのか…。
だめだ、カイジの名言を引用する事すら不謹慎に思える。
今回はおふざけなし。
被害者家族と加害者家族、対極にいるようで孤独感は同じだと仰るお二人。
本作も色々と考えさせられました。途中、苦しくて此方まで泣きそうになる程の赤裸々なお2人の発言や事実。
本書でも軽く取り上げられていましたが、タイミング良くと言うか、たまたま和歌山カレー事件の林容疑者の長男さんのインタビュー動画などを拝見していました。
彼のお姉さんも心労から自らの命を絶ってしまったのですが、長谷川氏の息子さんも20歳で自死を選んでしまっているそうです。お姉さんも心労から鬱になり自死…。
原田さんは、死刑が確定した後に家族ですら面会がし辛くなる今の法制度はどうなのかと疑問を呈してらっしゃいます。お互いの為にも対話が必要であると。
昔見た『デッドマンウォーキング』という映画を思い出しました。
シスターが死刑囚から手紙を貰い、交流を深める事で処刑は間違っていると、彼を救おうとするお話です。
死刑囚はシスターとの対話の中で自身の犯した罪について深く考える事になるのです。
原田さんも初めは長谷川死刑囚を殺したい程に憎んでおり、極刑を望んでいました。しかし、面会をする中で「なぜ弟を殺したのか」という疑問に答えて欲しいと、途中から処刑しないでくれと嘆願するようになられたそうです。
原田さんの心境は我々では微塵も想像できない境地です。
なのに世間は分かったつもりで正義を振り翳し、悦に浸り被害者遺族を傷付ける結果になる。
それは加害者遺族にも同様に降り掛かる。
凄い対談でした。もう何を書けば良いのか分からないです。
一先ず、安全な高みから人を見下したり崖下に落とすような人間にはなりたく無いので、本書の対談を深く心に留めておこうと思います。
私もいつ安全ではなくなるか分かりませんしね。
ひまわりめろん師匠、凄かったです。凄過ぎて私ごときではこれ位しか感想を書けませんでしたので、今回は読みやすい長さになったかなと…。
また勉強させていただきました。ありがとうございます。
とにかく、被害者遺族と加害者遺族に対して具体的な行動も起こさずきちんと知ろうともせずに、正義に酔っ払った状態で死刑制度を支持したり、過剰に反対したりするのは違うなと思わざるを得ませんでした…。
私自身は賛成でも反対でも無く、何が正解か分からないとずっと悩んでいます。 -
Posted by ブクログ
岩波ブックレットNo.1082
いやーこれはちょっとすごいよ
要するに対談集(2回)なんだけどさ
対談しているのが弟を殺害した死刑囚と面会し対話を続け、最後には死刑反対活動までした(もちろん同情心からとかじゃないよ)原田正治さんと、あのオウム真理教の教祖で、2018年に死刑となった麻原彰晃こと松本智津夫の三女で「アーチャリー」と呼ばれていた松本麗華さん
死刑制度反対運動を続ける特異な「被害者家族」と、ある意味日本一有名な「加害者家族」の対談
とても興味深いお話が載っていて、一読の価値ありです
対極にいるはずのお二人がなんとなく共感してるところが面白い
いや面白いとか言っちゃいかんのか?まぁいいか
なるほどな〜と思ったことを1個だけ
弟の仇である死刑囚の死刑反対を訴える原田さんに「そんなことするのはおかしいじゃないか!」という非難の声がかなり浴びせられたらしいんだけど、これに対して原田さんは「なんで俺の気持ちをお前らに決められないとならないんだ!」と憤ります
そりゃそうだ
原田さんが正しい
では原田さんはどんな気持ちで死刑反対運動に身を投じたのか?
それは自分で読んで確かめてほしいな〜 -
Posted by ブクログ
あるフォロワーさんが、オウムは色々な視点(幹部、信者、松本家など)から本が出ていてなんもわからない気持ちになる、と言っていたが、この本を読んでその通りだなと思った。
三女から見ると、麻原彰晃は悪くない父親だったんだな。
そりゃ家族ではあるけど宗教のトップだから普通の家族とはちょっと違い、明らかに父親を神聖化していて(本人も自覚していると書いてるけど)引く部分はあるけど、子どもから見るとそういうものなのかというのが素直な感想。しかし彼女は父親の神格化を自覚的だと思っているけど、本人が思っている以上に神格化している印象がある。
麻原なんて絶対に子育てしてないのに(船橋時代は家にほぼいなかったと書いてあったし)娘は父親を良い思い出として記憶し、実際に子育てした母親はやや疎ましく書いてあってそういうもんだよな、と思いつつやや切ない。
当時この本が出たばかりの頃は被害者の気持ちを考えろ的なバッシングがあったように記憶しているが、そう言われても仕方がないだろうなとは思った。私も読んでいる途中にはそう思った。ただ彼女にとっては麻原は優しい父親で実行犯の幹部は遊んでくれた優しいお兄さんだから、こういう視点にはなるよな。
第8章の事件と父の中で、オウムの科学技術庁が修行に使う機械を配り、信者たちが科学技術庁にしてはマシなものを作ったな〜と言って使ったらすぐ壊れ、やっぱりオウム産だね〜と嬉しそうに笑った、という話が出てくるが、すごい眼に浮かぶというか末端はこんなもんだよなぁと悲しくなった。自分の所属する集団をちょっとこけ下ろしながら笑う健全な楽しさは存在はしてたんだな。
そして彼女が「アーチャリー」の名前を自分の知らないところでいいように利用されて苦しんだ経験から、父親である麻原もそうだったのではないかと想像するのだが、それが全てだとは思わないが、実行犯幹部たちが高学歴の真面目な人たちではありつつも、欲望や野心や狡さを捨てずに自分の都合のいいように麻原を利用した面はあるのかもなとは思った。他の本では実行犯も被害者であるという側面が強調されがちだけど、彼女は少し見方が違うのだなと思った。子供の彼女は幹部が嘘をついたり麻原の言ってないことを尊師の意思だと言いふらしているところを見ているというのはちょっと説得力があるなとは思った。
だからこそ、冒頭の通り、なんもわからない〜〜になる。視点が違えば、同じ人物、同じエピソードでも全然違うものになってしまう。