渡辺佑基のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2016年、北極の深海に生息する謎の巨大ザメ、ニシオンデンザメが400年も生きることがわかり、科学者たちの度肝を抜いた。このサメはなぜ、水温ゼロ度という過酷な環境で生き延びてこられたのか?そして地球上の生物はなぜこんなにも多様に進化したのか?気鋭の生物学者が世界各地でのフィールドワークを通じて、「体温」を手がかりに、生物の壮大なメカニズムに迫る!(裏袖)
凄い本。
専門の学者にとっては常識的なことかもしれないが、生物間の統一された指標(体温や代謝)や「時間の差異」など、驚くべき内容がてんこ盛り。
また、著者が実際に現地に赴いた際の話も大変魅力的で、『本の雑誌』で紹介されていた「高野秀行的」な -
Posted by ブクログ
本の雑誌今年のベスト10の中から。新書が入っているのが意外、っていうのもあって早速入手。同時に読んだミジンコ本とも共通する部分が多く、同じく生物学だから当たり前なのかもしれないけど、でもそのあたりは興味深かった。体の大きさと体温から、それぞれの種における生物時間が推測できる、ってのは大いに納得。内容はもう忘れたけど、おそらく”ゾウの時間~”にも同様のことが書かれていたのでせう。ただ難点は、件のミジンコ本もそうだったけど、本作にしてもやはり、ピークは読み始め、ってこと。最初のニシオンデンザメの章が一番面白く、以降は繰り返しが目立ってくることもあり、どうしてもトーンダウンしてしまう。そこでふと思っ
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Posted by ブクログ
近年何かと話題の400歳のサメを中心に、生物の温度について詳しく述べられています。
知識として得られた情報は大変興味深いものばかりでした。そして、内容は専門的でありながら、素人の私でも十分理解ができるほどわかりやすかったです。
また、この本は研究内容を淡々と記すだけでなく、筆者が研究を行う際に生じたアクシデントや笑い話もたくさん述べられています。
そのため、学術書が苦手な人も気楽に読めるかと思います。
反対に「しっかり生物学を学びたいんだ」という人には合間の笑い話は不要に感じるかと思います。
今まで出会えなかったこの文書構成を私は気に入りました。 -
Posted by ブクログ
【要約】
bio(生物)+logging(記録)=バイオロギング
という動物に電子機器をつけ、動物自らに自らの行動を記録させる手法によって集めたデータを、「物理のまな板」に乗せて調理することで、その生態を物理法則で紐解いていく、という内容
【感想】
観測基地での小話や、動物たちを愛らしく形容していて、物理化学生物学などを避けてきた私でも読みやすい本文でした!(そもそも科学の内容は意図的に省かれてたが)
個人的に、鳥がなぜ飛べるかやアザラシはなぜ長く潜水できるか、といった疑問は研究所での実験を通して簡単に解明されているものだと思ってた
しかし、この本を読んで、我々が知り得る一情報は研究者たちの -
Posted by ブクログ
野生動物に小型の記録計をつけて
そこから動物の生態を探る研究をしてる
フィールドワーク大好きな博士が
これまでの研究成果をふまえて
「体温」が重要な意味をもつことを
教えてくれる一冊です。
正直、むずかしいことは
半分も理解できたかどうか怪しいけど
動物は環境にあわせて生きるため
体温すらも調整して進化してきたんだね。
熱量を生むには
めっちゃ食べるかめっちゃ動き回るかなんや…。
そして生めないタイプの生物は
超スローライフをおくるという。
あと著者の研究生活レポートが
学術部分にも増しておもしろい!
機械を取りつけるため船酔いしつつ
何日も船上で生活したり
極寒の地で置いてきぼりになった