あらすじ
ペンギン、アザラシ、アホウドリ……計り知れない世界を生きる動物に記録機器を付ける「バイオロギング」が明かす驚きの姿とは?第68回毎日出版文化賞受賞作。若き生物学者、圧巻のフィールドワーク!
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Posted by ブクログ
この本は動物の生態学や物理学を学べるだけでなく、紀行文や読み物そのものとしての楽しさが味わえる素晴らしい作品だ。
最先端の科学を扱っているにも関わらず、平易な言葉づかいと分かりやすい解説で、門外漢でも理解に難くなかった。
今年一番、ひとに勧めたい本のひとつだ。
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ライトなタイトルながら、内容は詰まっている。筆者の愛と熱が伝わってくるのも良い。人間がお目にかかることのできない水中や空の世界を少しだけ覗かせてくれるアトラクションのような本。
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イレギュラーから本質を探っていくというアプローチは面白エピソードをたくさん持ってくるし、迫力ある結果も出てくる。
生物物理の面白さがひしひしと伝わってくる本だった。
あと、ふとした時に研究のアイデアが得られる現象がたくさん散りばめられていて面白い。「そんなやり方があるのか」の連続
Posted by ブクログ
この本は、大学受験の時に当時お世話になっていた現代文の先生から「理系の人が書く文章を学びなさい」と言われて読んだ一冊。
当時小説ばかり読んでいた自分はこの「理系の書く文章」というものは削がれた美しさがあるなあと、感じました。親しみのある文体で、抽象的な比喩などは無く、シンプルでわかりやすい。内容は勿論興味深いものでしたが、何より「文章の書き方」に刺激を受けた一冊は後にも先にもこれだけかも。
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めちゃ面白かった!!
”物理”という文字で敬遠した人は、思い直してほしい。そして、物理ちゅうても楽しくて面白い物理もあるんだと思ってもらえると良いな、と思う。
バイオロギングの話。とってもわかりやすく、面白いエピソードもちりばめられている。
鳥関係のバイオロギングについては、それなりに調べもしているし、身近ではあるんですが、こうして読むとやっぱりもすごく感動します。何が面白いって、やっぱり海洋生物。アカボウクジラは2992メートルを大きく超える潜水深度が記録!!アカボウクジラすごすぎる。
あとは、昔図鑑で呼んだ、マグロは時速80キロ、カジキは時速100キロというのが正しくない、ということの説明とか、いつも思うが、科学の進歩などで私が小学生の頃に習ったり読んだりした色々なことが、かなり塗り変わっているのをひしひしと感じた。
実際生活していると、アップデートしていない人が古すぎる情報を撒き散らしているのを見ることが多いので、色々と鵜呑みにしたらあかんなぁ、と思う。知ってることとか専門分野の場合は、まあ、やばいこと言うてはるわーってわかって聞いてますが、知らん分野だと、ほんと「へぇ〜」って思いますからねぇ
Posted by ブクログ
最近個人的にハマっているジャンルは物理です。
この本は物理もですが、生態学、生物学なんかも面白く紹介してくれて良かったです。
それと研究者の想いや苦悩なんかも物語に沿って書かれていて、科学の進歩の裏の人々の活躍を垣間見ることができました。
自分が面白いと思ったものを研いで究めていく方々。
かっこいいですね。
まだまだ分からないことが沢山ある世の中で、面白がれる人々っていいですね。
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バイオロギングという、動物に観測機器を取り付け、その行動を調査する事で、明らかになった姿をえがく。最近はセンサーやカメラの小型化が進んでいるが、当初はそんな小型化されたものが手に入らない状態で、科学者の苦心の発明や改良の様子に、黎明期の研究の苦労や面白さが伝わった。
Posted by ブクログ
物理の入門書を期待してたら違った。
けどフィールドワークの様子や、動物の潜水、飛行を簡単な物理で説明してくれてるのが面白かった。
特に好きなのが、海面に浮かび眠る北極のアザラシにタッチした話。はっと目を覚まし、慌てて潜り去った。ってめちゃくちゃ可愛い。
ニシオンデンザメの目からぶら下がっている寄生虫も可笑しい。
Posted by ブクログ
生き物が大好きなひとは、好奇心が旺盛で大好きだな〜こういう本、すごく好き
生物学(生態学)×物理学
多様性と、シンプルな法則性
バイオロギング
アホウドリは46日間で地球一周、イカ
ミズナギドリは8ノ字描きでずっと夏を過ごす
風や、潮目の温度、エサ探し
進化の収斂(しゅうれん)
途方もない
ワタリアホウドリ
体重10キロ、3メートル
心拍数変わらず空を飛ぶ
「意外なことに、鳥の普段の生活で重宝するのは遅く飛べる能力である。遅く飛べる鳥は速くも飛べるが、速く飛べる鳥が遅く飛べるとは限らない」
ハチドリ ホバリング
動物の代謝速度は体重の3/4乗に近い値に比例して増えていく
鳥はなぜ飛べるのか
滑走飛行と羽ばたき飛行
→翼の流線型、前からの空気を後方に送り出すとき少しだけ軌道を下にそらす
Posted by ブクログ
生き物がどのようにして生活しているのか、どのようにして泳いでいるのか、飛んでいるのか。直接に野生の生き物に機器を取り付けて観測するバイオロギングという手法を使った研究についての話をいろいろと書かれています。著者の仕事(国立極地研究所)の興味深いエピソードから、なぜその仕事をすることになったのかの人生の物語。南極などの特殊な場所での仕事の様子。著者の仕事にまつわる面白いエピソードに引き込まれるように読むことができました。もちろん、調査の結果から明らかになったことなど、本書の主題の部分も非常に刺激的で面白く、自身の身の回りの生き物に対しても親近感が増えたように感じました。
Posted by ブクログ
おもしろかった。ペンギンやアザラシにGPSを着けて行動を記録するという。
動物や魚はどんどんデータが蓄積されていて、後は昆虫が残っていると書いてあったが、どんどん実用化に向けてテクノロジーは進んでいるようだ。
Posted by ブクログ
未知なる生態をデータから推測する過程は、まさにミステリーの醍醐味。文庫になるだけあって非常に読みやすい。
まるで見てきたように海洋生物の動きを描写していて、とてもわかりやすい。
Posted by ブクログ
動物に計測器を装着して、収集したデータから動物の生態を研究するバイオロギング。
この手法により、自然体でいつも通りの動物の行動を定量的に観測でき、今まで想像で組み立てられていた動物の生態を明らかにしていく
Posted by ブクログ
【要約】
bio(生物)+logging(記録)=バイオロギング
という動物に電子機器をつけ、動物自らに自らの行動を記録させる手法によって集めたデータを、「物理のまな板」に乗せて調理することで、その生態を物理法則で紐解いていく、という内容
【感想】
観測基地での小話や、動物たちを愛らしく形容していて、物理化学生物学などを避けてきた私でも読みやすい本文でした!(そもそも科学の内容は意図的に省かれてたが)
個人的に、鳥がなぜ飛べるかやアザラシはなぜ長く潜水できるか、といった疑問は研究所での実験を通して簡単に解明されているものだと思ってた
しかし、この本を読んで、我々が知り得る一情報は研究者たちの膨大な労力によって裏付けされているものだと再認識したとともに、改めて研究者(筆者ような)の好奇心というガソリンに突き動かされる様に感心しました
【内容メモ】