渡辺佑基のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めちゃ面白かった!!
”物理”という文字で敬遠した人は、思い直してほしい。そして、物理ちゅうても楽しくて面白い物理もあるんだと思ってもらえると良いな、と思う。
バイオロギングの話。とってもわかりやすく、面白いエピソードもちりばめられている。
鳥関係のバイオロギングについては、それなりに調べもしているし、身近ではあるんですが、こうして読むとやっぱりもすごく感動します。何が面白いって、やっぱり海洋生物。アカボウクジラは2992メートルを大きく超える潜水深度が記録!!アカボウクジラすごすぎる。
あとは、昔図鑑で呼んだ、マグロは時速80キロ、カジキは時速100キロというのが正しくない、ということの説 -
Posted by ブクログ
「本書の目的をひとことで言うならば、体温という物理量がどのように生物の姿かたちや生き方を規定しているのか、昆虫にも哺乳類にも当てはまる大スケールの統一理論を構築することである。」
体温と代謝が生物の時間までも規定する、という壮大な話で、実際の観測やデータ採取の部分は「事実は小説より奇なり」で面白く、理論の部分もわかりやすかった。
結論としてうまくできすぎてるようにも思えて引っかかるけど、あくまでモデル構築なので、こんなものなのかな……。
マグロは止まると死ぬ、という言説を解説すると「マグロは泳ぎ続けることによって体温を高く保」っているうえ、「浮き袋が縮小または消失しており、体の密度が海水より -
Posted by ブクログ
ネタバレ生物学はある種の生物の生態を深く研究する方向に行きがち。そんな中で生物全体を統一する法則はないのか?という目線でいろいろな生物を見るのが著者の目線。
1883年、動物の表面積当たりの代謝量は一定、というルプナーの法則が発表された。しかしいろいろな生物の数値をとってみると整合しない。(体重と表面積は3分の2乗の割合で増加するはずだが実際の計測値はそうならない)
1932年、クライバーは各種の動物の体重と代謝量を計算し並べてみると4分の3乗に比例することを発見した。(クライバーの法則)
1997年、ジェームズ・ブラウンは生物の形に着目した。血管の構造はどの生物でもほとんど同じで、大きな動物ほ -
Posted by ブクログ
生き物が大好きなひとは、好奇心が旺盛で大好きだな〜こういう本、すごく好き
生物学(生態学)×物理学
多様性と、シンプルな法則性
バイオロギング
アホウドリは46日間で地球一周、イカ
ミズナギドリは8ノ字描きでずっと夏を過ごす
風や、潮目の温度、エサ探し
進化の収斂(しゅうれん)
途方もない
ワタリアホウドリ
体重10キロ、3メートル
心拍数変わらず空を飛ぶ
「意外なことに、鳥の普段の生活で重宝するのは遅く飛べる能力である。遅く飛べる鳥は速くも飛べるが、速く飛べる鳥が遅く飛べるとは限らない」
ハチドリ ホバリング
動物の代謝速度は体重の3/4乗に近い値に比例して増えていく
鳥はなぜ飛 -
Posted by ブクログ
生き物がどのようにして生活しているのか、どのようにして泳いでいるのか、飛んでいるのか。直接に野生の生き物に機器を取り付けて観測するバイオロギングという手法を使った研究についての話をいろいろと書かれています。著者の仕事(国立極地研究所)の興味深いエピソードから、なぜその仕事をすることになったのかの人生の物語。南極などの特殊な場所での仕事の様子。著者の仕事にまつわる面白いエピソードに引き込まれるように読むことができました。もちろん、調査の結果から明らかになったことなど、本書の主題の部分も非常に刺激的で面白く、自身の身の回りの生き物に対しても親近感が増えたように感じました。