RochelleKoppのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
良書 日本の労働問題を外国人の目からみた、問題を提起した書、中身もかなり濃い。
結論は、「日本の時代に遅れた人事制度を見直し、経済の低迷から立ち直り生産性と収益性を上げ、より充実した人生を送ることを可能にしよう」
気になったことは以下です。
・日本企業には社員を解雇する良いプロセスがない。このため、非人道的ないじめが横行。
・人事異動が上手に計画されていない。専門性スキルを備えたスペシャリストを育成できないでいる。
・エンゲージメント(組織に対する愛着心)が高いと、離職率も低いし、企業の成長率も高くなる。
・長時間勤務、サービス残業、休暇をとれない日本企業は、世界から見て異常。
・日本で -
Posted by ブクログ
著者になぜかTwitterでフォロー頂いたので読んでみた。日本の労働環境の課題がテーマに沿ってあげられており示唆に富む。
他国のうまくいった例も多くあげられているが、その裏には当然弊害もあると思われるが、その辺りまでは触れられていない。市場が縮小した際に解雇された人が行く宛がなくなったり、経験上能力をまだ高められていない若者の失業率が高くなっていることが現代の政情不安に繋がっているような気もする。理想はいいとこどりであるが、現実はどこへ向かうのか。
個人としては社外常駐SE(といえるか怪しいが)なので、社内外混合のルールや風土に従いつつ、待遇をコントロールしきれない他社要員も見る立場。できるこ -
Posted by ブクログ
日本企業の社員のほとんどは残業、予期しない転勤命令、つまらない相手との飲みニケーションは嫌いだと推測するが、それでも会社を辞めないのは、
・辞めても労働時間、給与面などの待遇が良くなるとは限らない
・そもそも転職マーケットが大きくない
からだと思う。
高度経済成長期に一つの会社で定年まで勤め上げることを前提に社会システムが構築されたので、今は過渡期にあるものの進化スピートは非常に緩やか。経営者としては従順な駒のように従業員を使える現在のシステムのが有利なので、その政治力も相まってなかなか変わる方向に舵は切られない。
ヨーロッパに身を置いてみると、ここまで従順さを求められる日本企業のスタイ -
Posted by ブクログ
1/20
日本企業の人事管理システムを批評する本。
日本人の仕事との向き合い方、エンゲージメントの低さ、向上方法、正規と非正規、長時間勤務、リーダーシップ、人事管理システム、ダイバーシティ、自らがキャリアを自発的に歩む
特に面白かったのはアメリカもかつての繁栄が失われ、終身雇用が危ぶまれた時期があったが日本よりも上手に対応した結果今があるということ。
これはアメリカ人の文化・歴史的背景が大きく影響しているだろう。
つまり今の日本はアメリカと同じアプローチをとっても無駄である。日本人の弱い部分をテクノロジーによって代替できれば日本の労働環境は変わるかもしれない。
また、今日の日本は明治維新 -
Posted by ブクログ
2015年の発行。
新型コロナウィルスにより、在宅勤務が一般的になるなど働き方が変わりつつある。ホワイトカラーの場合、在宅勤務では、一人一人の働きぶりを基本的には成果でしか確認できないので、一人一人に何を期待するのかを、あらかじめきちんと決めておかなければならない、すなわち、ジョブ型の働き方に移っていく必要があるとの主張を、新聞や雑誌でよく見かけるようになった。
大きく言えば、人事管理の仕組み、すなわち日本型人事システムそのものを見直すべきという主張である。それは、例えば、「ジョブディスクリプションをクリアにする」といったようなシンプルな話ではない。
「システム」であり、何か一つを変えようとす -
Posted by ブクログ
刺激的なタイトルに惹かれてつい手にとって読んでしまったが、なかなか面白かった。
著者は日本の企業とも関わりの長い米国の経営コンサルタント。従来の日本式マネジメントには一定の理解や敬意を示しながらも、日本の人事管理アプローチについて辛辣なコメントを交えつつ分析し、今後日本企業が取るべき方向性を提唱してくれます。
その根底には、企業は個人を尊重し従業員の人生をより充実したものにする責務がある、という思想が流れていることが分かります。
特に個人的に気になったキーワードを列挙しますので、本書を読む上で参考になれば幸いです。
・エンゲージメント(社員の企業に対する関与の度合い)
・モチベーション
・「 -
Posted by ブクログ
ホワイトカラーの生産性が他国と比べて低いとの話から、
そもそも何が問題なのか?を考えるにあたり、手に取った本。
モチベーションが関係するのでは?と感じていたところもあり、
内容には非常に共感を持てることが多く書かれていた。
自分もやってしまっていることだが、
最初に目的を説明して後は定期的にフォローするといった、
OJT的なフォローが社員の能力向上に繋がると思っていたが、
海外を見てみるとそんなことはなく、
最初に具体的な目的、ゴール、進めるにあたっての制約等を
きちんと説明した後は、よっぽどのことが無い限りお任せ状態としているらしい。
一見冷たいようにも見えるが結果的にそれが上手くいく -
Posted by ブクログ
日本でサラリーマンになるというのは、どんな仕事もやりますという契約を結ぶということ。
アメリカなどのようなジョブ型の場合には決まった仕事が与えられるが、日本はそうではない。外部環境の変化に柔軟に対応できる企業側メリットがある一方、キャリアを描きにくくなったり変化の都度覚えることが増えるなどの負荷が生じる。
個人的には日本型の方が好き。
今より良い人事制度にすることで、長く働いてもらうことができる。
・就業時間、場所に関する規則なし
・時間休暇の導入、サバティカル休暇の導入
・エンパワーメント
・キャリアを自分で描かせる
・社員の自分への投資(1%) -
Posted by ブクログ
日本企業も実際は様々なのに、「日本企業は○○だ」という形でステートメントが過度に一般化されているのと、本書で言われていること自体も過去の日本企業論の通説で、確かにバブル前にはあったかもしれないが、今時も果たして残っているのか疑問が残った。また今後に向けて提案されていること(マイクロマネジメントを止め、社員のエンゲージメントを高めること、フィードバックをきちんと行うこと、インプットではなくアウトプットで評価することなど)も最近のマネジメント育成で言われていることでもあり、自分自身の行動としても当たり前のことだったので、個人的には期待はずれでした。