【感想・ネタバレ】日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年02月03日

良書 日本の労働問題を外国人の目からみた、問題を提起した書、中身もかなり濃い。

結論は、「日本の時代に遅れた人事制度を見直し、経済の低迷から立ち直り生産性と収益性を上げ、より充実した人生を送ることを可能にしよう」

気になったことは以下です。

・日本企業には社員を解雇する良いプロセスがない。この...続きを読むため、非人道的ないじめが横行。
・人事異動が上手に計画されていない。専門性スキルを備えたスペシャリストを育成できないでいる。
・エンゲージメント(組織に対する愛着心)が高いと、離職率も低いし、企業の成長率も高くなる。
・長時間勤務、サービス残業、休暇をとれない日本企業は、世界から見て異常。
・日本では人材を流通している市場が育成されていない。だからやめられない。
・男性が長時間労働となるため、育児は女性一人に任せられることになり、子供を産むこと、社会で活躍するモチベーションにつながっていない。⇒日本の出生率が低い原因なのでは?悪循環に陥っている。
・「報・連・相」は、マイクロマネジメント、部下に決定の際限が移譲されていない。
・正社員と非正規社員が、生産性が低い原因。非正規から正社員へ登用できる機会を増やしやる気を出させる。
・職務内容記述書と、キャリア計画で、エンゲージメントを向上
・労働力が減少していく日本に必要なのは、多様性。女性、高齢者、外国人の活用

構成は、以下です。

序章 日本のこれまでの人事管理は持続が不可能
第1章 日本人の働き方
第2章 社員のモチベーションとパフォーマンスをきかに高めるか
第3章 雇用関係の構造
第4章 仕事中毒の日本人
第5章 日本におけるマネージメントスキルとリーダシップの現状
第6章 人事管理システムのあり方
第7章 多様な社員の有効活用にあり方
第8章 自ら進路を選択し、やる気を出す

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Posted by ブクログ 2017年04月26日

著者になぜかTwitterでフォロー頂いたので読んでみた。日本の労働環境の課題がテーマに沿ってあげられており示唆に富む。
他国のうまくいった例も多くあげられているが、その裏には当然弊害もあると思われるが、その辺りまでは触れられていない。市場が縮小した際に解雇された人が行く宛がなくなったり、経験上能力...続きを読むをまだ高められていない若者の失業率が高くなっていることが現代の政情不安に繋がっているような気もする。理想はいいとこどりであるが、現実はどこへ向かうのか。
個人としては社外常駐SE(といえるか怪しいが)なので、社内外混合のルールや風土に従いつつ、待遇をコントロールしきれない他社要員も見る立場。できることは限られているが、何もしないよりはできることから。いざとなれば離れられるだけの能力も身につけねば。

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Posted by ブクログ 2019年02月04日

日本企業の社員のほとんどは残業、予期しない転勤命令、つまらない相手との飲みニケーションは嫌いだと推測するが、それでも会社を辞めないのは、

・辞めても労働時間、給与面などの待遇が良くなるとは限らない
・そもそも転職マーケットが大きくない

からだと思う。
高度経済成長期に一つの会社で定年まで勤め上げ...続きを読むることを前提に社会システムが構築されたので、今は過渡期にあるものの進化スピートは非常に緩やか。経営者としては従順な駒のように従業員を使える現在のシステムのが有利なので、その政治力も相まってなかなか変わる方向に舵は切られない。

ヨーロッパに身を置いてみると、ここまで従順さを求められる日本企業のスタイルにはかなり違和感を覚える。自腹の強制参加の飲み会があったり、休日出勤、長時間労働を暗黙の了解で求められるなど、客観的に見てみると信じ難いようなことが日本企業では平気で行われている。

転職が当たり前の社会だとこのようなブラック企業には人が集まらず淘汰されるはずだが、外に出ても状況が改善する可能性が低い場合従業員は外に出ていかず、経営者による搾取が続くことになる。

著者は日本企業に勤務経験のある外国人であり、この本に書かれている内容にはほぼ全て同意である。
以下特に印象に残った部分を引用する。

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「日本の正社員は、藩主に仕える侍に似ている。一族の一員として、命じられたことに文句を言わずに服従しなければならない。」

「日本企業は社員の献身、やる気、動機付け、熱意といったものを当然と考えている。そのため、これらの態度を積極的に推進するための方法を自ら開拓することがない。これは重大な過失であり、日本の労働人口の才能が充分に活用されないだけではなく、日本企業と日本経済に害を与えるものとなっている。」

「日本人の働き方が従業員の健康に有害であることの明白な証拠として、過労死と過労自殺の増加を挙げることができる。」

「日本企業は仕事を定義するにあたって、スキルとアウトプットではなく、職場で過ごす時間と服従の誓いに焦点をあてている。」

「日本企業では典型的に、社員は自分で仕事の内容を選ぶことができない。従って、興味や適性のない仕事、または嫌いな仕事に就かされることも多い。」

「仕事の内容が明確に定義されていない現時点で、日本企業には職務内容記述書というものがほとんど存在しない。」

「社員はやる気があり一生懸命働くのが当然と考え、そうでない場合でもそれに気付かない傾向がある。社員が辞職することはないと考え、もし辞職したとしても、それは例外的な事象であるとして、会社の方針や慣行が辞職に関与している可能性を探る機会として扱うことがない。」

「役職が上の人の全てのリクエストに出来るだけ早く応えて、何でもいいなりになることが、社内に過度の緊急性の風潮を作り出す可能性がある。」

「現在の状況に満足していない社員も、流動的な労働市場の欠如に加えて他社でも通用するスキルを持っていないことから、オプションが限られている。つまり、他に行き場所がなく、結果として黙って現状を受け入れることしかできない。」

「日本企業は、残業は当たり前という想定を捨て、十分な人材を雇用して社員が常に残業しなくても済むような環境をつくることで、社員の扱いに関する人道的価値観と思いやりを提示する必要がある。」

「何故、転勤が人生で避けられない当然のこととして捉えられているのだろうか?多くの場合、そのような転勤はまったく意味のないもので、社員の豊かな成長には人事異動が欠かせないと仮定する、自動操縦の人事管理システムが導き出した逸話に過ぎないように思われる。」

「日本人は、自分の同僚にも気がねし、先に帰ろうとしない。同僚より先に帰宅するときの伝統的な日本式の挨拶は「お先に失礼します」であることからも、それは明らかである。他の人々がまだ働いているうちに自分だけ帰ることには、非常な罪悪感がつきまとう。」

「企業には、家族より仕事を優先し、長時間働くことができ、個人的な事情であまり休暇をとらない人が好まれるという風潮がある。」

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Posted by ブクログ 2022年02月20日

1/20

日本企業の人事管理システムを批評する本。
日本人の仕事との向き合い方、エンゲージメントの低さ、向上方法、正規と非正規、長時間勤務、リーダーシップ、人事管理システム、ダイバーシティ、自らがキャリアを自発的に歩む

特に面白かったのはアメリカもかつての繁栄が失われ、終身雇用が危ぶまれた時期が...続きを読むあったが日本よりも上手に対応した結果今があるということ。
これはアメリカ人の文化・歴史的背景が大きく影響しているだろう。
つまり今の日本はアメリカと同じアプローチをとっても無駄である。日本人の弱い部分をテクノロジーによって代替できれば日本の労働環境は変わるかもしれない。

また、今日の日本は明治維新の状況と近い。
安定が失われ、既存の価値観をぶっ壊せる人材が必要とされている。

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Posted by ブクログ 2020年09月13日

2015年の発行。
新型コロナウィルスにより、在宅勤務が一般的になるなど働き方が変わりつつある。ホワイトカラーの場合、在宅勤務では、一人一人の働きぶりを基本的には成果でしか確認できないので、一人一人に何を期待するのかを、あらかじめきちんと決めておかなければならない、すなわち、ジョブ型の働き方に移って...続きを読むいく必要があるとの主張を、新聞や雑誌でよく見かけるようになった。
大きく言えば、人事管理の仕組み、すなわち日本型人事システムそのものを見直すべきという主張である。それは、例えば、「ジョブディスクリプションをクリアにする」といったようなシンプルな話ではない。
「システム」であり、何か一つを変えようとすれば、システム全体に影響が及ぶ。本当に旧来の日本型人事システムを見直そうとすれば、全体感を持って変えていく必要がある。

本書は、そのような前提にたって、全体感を持って見直しの方向まで論じている。

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Posted by ブクログ 2018年11月10日

「お先に失礼します」
は、早く帰ることを悪い事だと捉えている。
日本の文化はやっぱ変なんだな。

会議の直前までに資料を用意するから、ミーティングの質が低い。事前に読むインプットの時間があれば、ミーティングの質は高まる。
「ミーティングに間に合わせる」って考え方が変なんだな。

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Posted by ブクログ 2017年05月24日

ネットフリックスのスライドは面白かった。成長に伴いプロセスを導入し効率を求めるが、創造性、柔軟性が麻痺する結果に。
非正規社員の多さが原因、転勤の多さも異常、様々な仕事を経験させる必要があるのか?みな社長候補にする必要あるのか?単身赴任という言葉は欧米にはない!

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Posted by ブクログ 2016年08月10日

マイクロマネジメントの弊害について、非常に耳が痛かった。しかし、信頼関係を築けていない部下に仕事を任せることは出来ないと思う。悩ましい。。
反対に自分を部下の立場としてみた場合、かなりの裁量を与えられているような気がする。仕事は多いけど、デスマーチってほどでもないし、モチベーション高く保てているよう...続きを読むな気がする。

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Posted by ブクログ 2015年09月06日

刺激的なタイトルに惹かれてつい手にとって読んでしまったが、なかなか面白かった。
著者は日本の企業とも関わりの長い米国の経営コンサルタント。従来の日本式マネジメントには一定の理解や敬意を示しながらも、日本の人事管理アプローチについて辛辣なコメントを交えつつ分析し、今後日本企業が取るべき方向性を提唱して...続きを読むくれます。
その根底には、企業は個人を尊重し従業員の人生をより充実したものにする責務がある、という思想が流れていることが分かります。

特に個人的に気になったキーワードを列挙しますので、本書を読む上で参考になれば幸いです。
・エンゲージメント(社員の企業に対する関与の度合い)
・モチベーション
・「社員」から「ステークホルダー」へ
・流動的な労働市場(柔軟な採用・解雇)
・インプットではなくアウトプットによる評価
・職務内容の定義(職務内容記述書)
・エンパワーメント
・多様な社員の有効活用(女性/高齢者/非日本人 etc)

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Posted by ブクログ 2015年02月23日

ホワイトカラーの生産性が他国と比べて低いとの話から、
そもそも何が問題なのか?を考えるにあたり、手に取った本。

モチベーションが関係するのでは?と感じていたところもあり、
内容には非常に共感を持てることが多く書かれていた。

自分もやってしまっていることだが、
最初に目的を説明して後は定期的にフォ...続きを読むローするといった、
OJT的なフォローが社員の能力向上に繋がると思っていたが、
海外を見てみるとそんなことはなく、
最初に具体的な目的、ゴール、進めるにあたっての制約等を
きちんと説明した後は、よっぽどのことが無い限りお任せ状態としているらしい。

一見冷たいようにも見えるが結果的にそれが上手くいく形となり、
経験したメンバーの能力向上はもちろん、
マネジメント層の負荷が下がることに繋がり、
業務時間の削減=生産性向上を実現しているとのこと。

とはいえ、海外に比べて日本人??は、
まだまだ自分の考えを持って仕事に取り組む人が少ない。
例えば、分からないことに対して考えるといった行動が少ない。
そのため、言われた通りにしか動けない人が多く、
安心して任せられないという悪循環が起きているのも事実。

このような悪循環を断ち切るためにも、
あえて出来なくてもお任せする!っていう割切も大切?
かもしれない。

色々試しつつって感じなのかな。

【勉強になったこと】
・社員のエンゲージメントとは、社員の企業に対する関与の度合いと、
 仕事に対する感情的なつながりを表現するもの。
 エンゲージメントの高い社員は、仕事に対するやる気が
 非常に高い。

・エンゲージメントの向上の一例として、
 キャリアパスの自己設計がある。
 キャリアパスは与えられるものではなく、
 自分で決めて逆に提案していくことが大切である。

・日本は総じて勤務時間が長い。
 この理由の1つとして、定期的な人事異動がある。
 人事異動後の引き継ぎも上手く行かないことが多く、
 異動直後は何をやったらよいか分からないといった
 現象に陥ってしまうことがある。

・長時間勤務を削減する方法として、
 働かない時間帯を先に決めてしまう方法がある。
 スケジュール上、早い段階で休暇を埋めてしまう人は
 生産性が高い可能性がある。

・社員のエンゲージメントを上げる方法として、
 マイクロマネジメントを止めることである。
 基本はお任せするといったスタンスのほうが、
 信頼しているということにも繋がり、
 自発的に社員が自分で判断し仕事を進めていくことが
 期待される。

・生産性の研究によると、2〜4時間仕事に集中したあと、
 自転車に乗ったり泳いだりといった長い休憩を取ってから
 再び2〜3時間集中して働くことが、人々の生産性向上に
 一番成果がある。

・エンゲージメント実現にあたっては、
 マネージャー、社員双方で歩み寄りが必要。
 つまり、マネージャーは社員に責任を与え、
 社員は進んでそれを受け取る必要がある。

・日本のマネージャーにも問題がある。
 例えば、ソフトスキルを考慮しないマネージャーが立つと、
 ほとんどの場合組織は上手く回らない。

・リーダーシップに必要な5つのスキル
 協力、共感、反応性、回復力、革新

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Posted by ブクログ 2015年02月17日

刺激的なタイトルだが、内容は正論。
環境の変化に雇用システムが合わなくなっている、その結果がモチベーションの低下に表れているという指摘は至極もっとも。
とはいえ、本書に書かれているように人事システムを変えるの難しいだろうなと感じる。
(著者も「難しいと感じるひとが多だろう」とかいている。)
自分も人...続きを読む材育成の世界に身を置くものとして、どうインプリメンテーションしていくか考え続けたいと感じた。

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Posted by ブクログ 2023年09月17日

日本でサラリーマンになるというのは、どんな仕事もやりますという契約を結ぶということ。

アメリカなどのようなジョブ型の場合には決まった仕事が与えられるが、日本はそうではない。外部環境の変化に柔軟に対応できる企業側メリットがある一方、キャリアを描きにくくなったり変化の都度覚えることが増えるなどの負荷が...続きを読む生じる。
個人的には日本型の方が好き。

今より良い人事制度にすることで、長く働いてもらうことができる。
・就業時間、場所に関する規則なし
・時間休暇の導入、サバティカル休暇の導入
・エンパワーメント
・キャリアを自分で描かせる
・社員の自分への投資(1%)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年05月16日

タイトルに激しく同意したので読んでみました。いやー、示唆に富む内容が多かった。多すぎておぼえきれないくらい。
ちなみに一番最後の章は、『自ら進路を選択し、やる気を出す』。ただ会社からの指示に従っているだけでは自分が思い描くキャリアは築けない。当たり前だけど、だってどうにもならないのだから、と思考停止...続きを読むしてしまっていると気付けないですね。

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Posted by ブクログ 2019年05月25日

タイトルのまんまの本なんだけど、あまり信頼できるような客観的なデータに基づいているわけではなく、著者の個人的感想に基づいた記述なので、どの程度本気にするべきなのか迷う。
125ページまで読んだ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年06月22日

外国人で日本企業で勤めたこともある人事のプロである著者が痛烈に日本企業の文化に警鐘を鳴らしている。
私個人もこの本の言うとおり、変わらないとまずいとおもうし、日本企業の文化には魅力を感じない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年07月02日

正社員は他の企業に簡単に転職できるようなスキルと思考様式を備えていない 。日本企業で働く正社員は 、ひとつの企業にかじりつくことが多く 、労働市場における自分の価値を理解すること 、別の仕事で活かせるスキルを識別すること 、自分の長所を明確に提示すること 、履歴書を作成すること 、就職の面接を受ける...続きを読むことなどに関して学ぶ機会がない。

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Posted by ブクログ 2016年04月30日

日本企業も実際は様々なのに、「日本企業は○○だ」という形でステートメントが過度に一般化されているのと、本書で言われていること自体も過去の日本企業論の通説で、確かにバブル前にはあったかもしれないが、今時も果たして残っているのか疑問が残った。また今後に向けて提案されていること(マイクロマネジメントを止め...続きを読む、社員のエンゲージメントを高めること、フィードバックをきちんと行うこと、インプットではなくアウトプットで評価することなど)も最近のマネジメント育成で言われていることでもあり、自分自身の行動としても当たり前のことだったので、個人的には期待はずれでした。

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