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人材マネジメントの世界で、社員の組織への貢献意識やモチベーションの高さを意味する、「エンゲージメント」という言葉が注目されています。このエンゲージメントについて、世界各国の企業を対象に米国の人事コンサルティング会社が調査した結果、驚くべきことに調査をした主要28か国の中で、日本は最下位でした。
そこで本書では、日米で人事コンサルタントとして活躍する著者が、アメリカや世界の企業社員の仕事観について、また、社員のエンゲージメントを高める方法を述べていき、日本企業の活性化を目指します。
これからの企業を担うビジネスマンに、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
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Posted by ブクログ
良書 日本の労働問題を外国人の目からみた、問題を提起した書、中身もかなり濃い。
結論は、「日本の時代に遅れた人事制度を見直し、経済の低迷から立ち直り生産性と収益性を上げ、より充実した人生を送ることを可能にしよう」
気になったことは以下です。
・日本企業には社員を解雇する良いプロセスがない。このため、非人道的ないじめが横行。
・人事異動が上手に計画されていない。専門性スキルを備えたスペシャリストを育成できないでいる。
・エンゲージメント(組織に対する愛着心)が高いと、離職率も低いし、企業の成長率も高くなる。
・長時間勤務、サービス残業、休暇をとれない日本企業は、世界から見て異常。
・日本では人材を流通している市場が育成されていない。だからやめられない。
・男性が長時間労働となるため、育児は女性一人に任せられることになり、子供を産むこと、社会で活躍するモチベーションにつながっていない。⇒日本の出生率が低い原因なのでは?悪循環に陥っている。
・「報・連・相」は、マイクロマネジメント、部下に決定の際限が移譲されていない。
・正社員と非正規社員が、生産性が低い原因。非正規から正社員へ登用できる機会を増やしやる気を出させる。
・職務内容記述書と、キャリア計画で、エンゲージメントを向上
・労働力が減少していく日本に必要なのは、多様性。女性、高齢者、外国人の活用
構成は、以下です。
序章 日本のこれまでの人事管理は持続が不可能
第1章 日本人の働き方
第2章 社員のモチベーションとパフォーマンスをきかに高めるか
第3章 雇用関係の構造
第4章 仕事中毒の日本人
第5章 日本におけるマネージメントスキルとリーダシップの現状
第6章 人事管理システムのあり方
第7章 多様な社員の有効活用にあり方
第8章 自ら進路を選択し、やる気を出す
Posted by ブクログ
著者になぜかTwitterでフォロー頂いたので読んでみた。日本の労働環境の課題がテーマに沿ってあげられており示唆に富む。
他国のうまくいった例も多くあげられているが、その裏には当然弊害もあると思われるが、その辺りまでは触れられていない。市場が縮小した際に解雇された人が行く宛がなくなったり、経験上能力をまだ高められていない若者の失業率が高くなっていることが現代の政情不安に繋がっているような気もする。理想はいいとこどりであるが、現実はどこへ向かうのか。
個人としては社外常駐SE(といえるか怪しいが)なので、社内外混合のルールや風土に従いつつ、待遇をコントロールしきれない他社要員も見る立場。できることは限られているが、何もしないよりはできることから。いざとなれば離れられるだけの能力も身につけねば。
Posted by ブクログ
日本企業の社員のほとんどは残業、予期しない転勤命令、つまらない相手との飲みニケーションは嫌いだと推測するが、それでも会社を辞めないのは、
・辞めても労働時間、給与面などの待遇が良くなるとは限らない
・そもそも転職マーケットが大きくない
からだと思う。
高度経済成長期に一つの会社で定年まで勤め上げることを前提に社会システムが構築されたので、今は過渡期にあるものの進化スピートは非常に緩やか。経営者としては従順な駒のように従業員を使える現在のシステムのが有利なので、その政治力も相まってなかなか変わる方向に舵は切られない。
ヨーロッパに身を置いてみると、ここまで従順さを求められる日本企業のスタイルにはかなり違和感を覚える。自腹の強制参加の飲み会があったり、休日出勤、長時間労働を暗黙の了解で求められるなど、客観的に見てみると信じ難いようなことが日本企業では平気で行われている。
転職が当たり前の社会だとこのようなブラック企業には人が集まらず淘汰されるはずだが、外に出ても状況が改善する可能性が低い場合従業員は外に出ていかず、経営者による搾取が続くことになる。
著者は日本企業に勤務経験のある外国人であり、この本に書かれている内容にはほぼ全て同意である。
以下特に印象に残った部分を引用する。
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「日本の正社員は、藩主に仕える侍に似ている。一族の一員として、命じられたことに文句を言わずに服従しなければならない。」
「日本企業は社員の献身、やる気、動機付け、熱意といったものを当然と考えている。そのため、これらの態度を積極的に推進するための方法を自ら開拓することがない。これは重大な過失であり、日本の労働人口の才能が充分に活用されないだけではなく、日本企業と日本経済に害を与えるものとなっている。」
「日本人の働き方が従業員の健康に有害であることの明白な証拠として、過労死と過労自殺の増加を挙げることができる。」
「日本企業は仕事を定義するにあたって、スキルとアウトプットではなく、職場で過ごす時間と服従の誓いに焦点をあてている。」
「日本企業では典型的に、社員は自分で仕事の内容を選ぶことができない。従って、興味や適性のない仕事、または嫌いな仕事に就かされることも多い。」
「仕事の内容が明確に定義されていない現時点で、日本企業には職務内容記述書というものがほとんど存在しない。」
「社員はやる気があり一生懸命働くのが当然と考え、そうでない場合でもそれに気付かない傾向がある。社員が辞職することはないと考え、もし辞職したとしても、それは例外的な事象であるとして、会社の方針や慣行が辞職に関与している可能性を探る機会として扱うことがない。」
「役職が上の人の全てのリクエストに出来るだけ早く応えて、何でもいいなりになることが、社内に過度の緊急性の風潮を作り出す可能性がある。」
「現在の状況に満足していない社員も、流動的な労働市場の欠如に加えて他社でも通用するスキルを持っていないことから、オプションが限られている。つまり、他に行き場所がなく、結果として黙って現状を受け入れることしかできない。」
「日本企業は、残業は当たり前という想定を捨て、十分な人材を雇用して社員が常に残業しなくても済むような環境をつくることで、社員の扱いに関する人道的価値観と思いやりを提示する必要がある。」
「何故、転勤が人生で避けられない当然のこととして捉えられているのだろうか?多くの場合、そのような転勤はまったく意味のないもので、社員の豊かな成長には人事異動が欠かせないと仮定する、自動操縦の人事管理システムが導き出した逸話に過ぎないように思われる。」
「日本人は、自分の同僚にも気がねし、先に帰ろうとしない。同僚より先に帰宅するときの伝統的な日本式の挨拶は「お先に失礼します」であることからも、それは明らかである。他の人々がまだ働いているうちに自分だけ帰ることには、非常な罪悪感がつきまとう。」
「企業には、家族より仕事を優先し、長時間働くことができ、個人的な事情であまり休暇をとらない人が好まれるという風潮がある。」
Posted by ブクログ
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日本企業の人事管理システムを批評する本。
日本人の仕事との向き合い方、エンゲージメントの低さ、向上方法、正規と非正規、長時間勤務、リーダーシップ、人事管理システム、ダイバーシティ、自らがキャリアを自発的に歩む
特に面白かったのはアメリカもかつての繁栄が失われ、終身雇用が危ぶまれた時期があったが日本よりも上手に対応した結果今があるということ。
これはアメリカ人の文化・歴史的背景が大きく影響しているだろう。
つまり今の日本はアメリカと同じアプローチをとっても無駄である。日本人の弱い部分をテクノロジーによって代替できれば日本の労働環境は変わるかもしれない。
また、今日の日本は明治維新の状況と近い。
安定が失われ、既存の価値観をぶっ壊せる人材が必要とされている。
Posted by ブクログ
2015年の発行。
新型コロナウィルスにより、在宅勤務が一般的になるなど働き方が変わりつつある。ホワイトカラーの場合、在宅勤務では、一人一人の働きぶりを基本的には成果でしか確認できないので、一人一人に何を期待するのかを、あらかじめきちんと決めておかなければならない、すなわち、ジョブ型の働き方に移っていく必要があるとの主張を、新聞や雑誌でよく見かけるようになった。
大きく言えば、人事管理の仕組み、すなわち日本型人事システムそのものを見直すべきという主張である。それは、例えば、「ジョブディスクリプションをクリアにする」といったようなシンプルな話ではない。
「システム」であり、何か一つを変えようとすれば、システム全体に影響が及ぶ。本当に旧来の日本型人事システムを見直そうとすれば、全体感を持って変えていく必要がある。
本書は、そのような前提にたって、全体感を持って見直しの方向まで論じている。
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