田口俊樹・他のレビュー一覧
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順番としてはアートが先に存在していて、物語はそれにヒントやインスピレーションを得て、更にこのアンソロジーのために創られたはずなのに。まるで作品の解説だったり、小説が先で挿し絵として描かれたかのような錯覚に陥るほど。
名画にはそれを見る人の想像力を掻き立てる何かがあるんでしょう。そしてそれを受け止めるアートと小説家の組合せとはなんと相性の良いことか!装丁も印刷も手ざわりも良く、丸ごと一冊どの作品も妖しく美しい。
編者ローレンス・ブロックの著書はチェックしていたのに不覚にも(!)見落としていたエドワード・ホッパーをテーマとしたアンソロジーの第一弾を読むのが益々楽しみに。 -
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ある絵(あるいは、一部、彫刻のような美術作品)をモチーフにした短編小説を17人の作家に書いてもらい、それを1冊の本にまとめあげるというコンセプトに基づいて編まれた短編集の2冊目。編者は2冊とも同じくローレンス・ブロック。
1冊目の書名は「短編画廊」といい、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の描いた絵を題材にしたもの。
本書、2冊目は「短編回廊」という書名で、誰のどのような作品を選択するかは、それぞれの作家に任されている。マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー、ジョイス・キャロル・オーツなどの有名作家が1冊目に引き続き、この2冊目にも作品を寄せている。もちろん、編者のローレンス・ブロッ -
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ローレンス・ブロックの編纂による美術品にまつわるアンソロジーの第二弾。書き手は、ブロックと交流のある著名な作家や著述家達で、基本はこのアンソロジーの為に書き下ろされた何れも宝珠の短編ばかり。
前作は、エドワード・ホッパーの絵画に触発されて書かれた作品集『短編画廊』。堪能できた一冊だった。
そして本作。前作のヒットに続く第二弾の企画段階から完成にいたる経緯と熱い思いが詰まったブロックの序文から始まる。少々言い訳じみた文章なのにこの作品のコンセプトに魅せられた作者たちの内容にすぐにでも触れたくなる気にさせられる。心が踊る。
今回は、一人の画家の縛ることなく、豪華で広範囲な美術品にインスパイアされた -
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ネタバレ絵画をテーマにしているので面白そうだなと思い、リクエストしたら第二弾のこの本が先に来た。
表紙の「光の帝国」が良い。アンソロの中にもあった。
「安全のためのルール」
Remember all the safety rules,1953
Art Frahm (American, 1906–1981)
最初の作品なので、どういう風に話が展開していくのか予想できず、不安定だった。陪審員の予備員になる女性の話。自分のトラウマと現在の事件が重なるが、それは周りからみたら些末なことだと片づけられる話、で良いのだろうか。唐突に終わったので、どう受け止めたらいいのかわからない。
「ピエール、ルシアン、そし -
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自分は「54字美術館」というものをインスタグラムにあげています。
訪れた美術館の展示で惹かれた絵画に自分の妄想を足して、54字の物語として作品発表しているのです。
それに通ずるものをこの本に感じたのがこの本を手にしたきっかけでした。
序文も読まずに目次で目についた『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』を読み始めましたが、題材はなんと大好きなゴッホ。
文中の言葉を借りると「喚起的な絵」として著者のデイヴィッド・マレルは《糸杉》を選び、紡いだ物語を自分は一番興味深く読むことができました。
主人公の友人がファン・ドールン(物語内のゴッホの仮名)の研究に没頭する余り、その友人はどんどんおかしくなって…と -
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前回の「短編画廊」はホッパーメインのコンセプト、今回は多種多様の絵を題材に繰り広げられている。ダヴィンチからゴッホ、北斎迄!
ボリュームあると感じたけれど、読み始めるとなかなか楽しく、啓されている絵を見ているだけでもすっかり『その世界』に入り込み、作者の妄想カオスの世界へ泳ぎ出していくような気分は愉悦。
色々な訳者が腕を振るわれているけれど、古澤さんと田口さんしか知らない。でも皆さん、なかなかいい語感。
コナリーが展開するのは流石❓当然?ボッシュの「快楽の園」な~~んか笑える。
題材のまな板の上で乱舞若しくは混迷、狂気の老若男女の動きに唖然とするのもあり、ん?というのもあり、理解に苦しむ -
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