田口俊樹・他のレビュー一覧

  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    順番としてはアートが先に存在していて、物語はそれにヒントやインスピレーションを得て、更にこのアンソロジーのために創られたはずなのに。まるで作品の解説だったり、小説が先で挿し絵として描かれたかのような錯覚に陥るほど。
    名画にはそれを見る人の想像力を掻き立てる何かがあるんでしょう。そしてそれを受け止めるアートと小説家の組合せとはなんと相性の良いことか!装丁も印刷も手ざわりも良く、丸ごと一冊どの作品も妖しく美しい。
    編者ローレンス・ブロックの著書はチェックしていたのに不覚にも(!)見落としていたエドワード・ホッパーをテーマとしたアンソロジーの第一弾を読むのが益々楽しみに。

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    2023年04月17日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    ある絵(あるいは、一部、彫刻のような美術作品)をモチーフにした短編小説を17人の作家に書いてもらい、それを1冊の本にまとめあげるというコンセプトに基づいて編まれた短編集の2冊目。編者は2冊とも同じくローレンス・ブロック。
    1冊目の書名は「短編画廊」といい、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の描いた絵を題材にしたもの。
    本書、2冊目は「短編回廊」という書名で、誰のどのような作品を選択するかは、それぞれの作家に任されている。マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー、ジョイス・キャロル・オーツなどの有名作家が1冊目に引き続き、この2冊目にも作品を寄せている。もちろん、編者のローレンス・ブロッ

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    2021年09月30日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    『バラエティ豊かな言葉の美術館へようこそ!』

    マイクル・コナリーなど17人の作家たちの、アート作品をモチーフにした短編集。原田マハさんのアート小説を読んだあとに読むと、既知のエピソードも含め、マハさんとはまた少し違ったテイストが楽しめる。

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    2021年08月21日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    ローレンス・ブロックの編纂による美術品にまつわるアンソロジーの第二弾。書き手は、ブロックと交流のある著名な作家や著述家達で、基本はこのアンソロジーの為に書き下ろされた何れも宝珠の短編ばかり。
    前作は、エドワード・ホッパーの絵画に触発されて書かれた作品集『短編画廊』。堪能できた一冊だった。
    そして本作。前作のヒットに続く第二弾の企画段階から完成にいたる経緯と熱い思いが詰まったブロックの序文から始まる。少々言い訳じみた文章なのにこの作品のコンセプトに魅せられた作者たちの内容にすぐにでも触れたくなる気にさせられる。心が踊る。
    今回は、一人の画家の縛ることなく、豪華で広範囲な美術品にインスパイアされた

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    2021年06月25日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    『短編画廊』が面白かったので、第2弾を出してくれないかなーと思っていた。こちらは、作家によって選んだ画家はそれぞれ。そしてそれぞれ面白かった。
    特にジェフリー・ディーヴァー、デイヴィッド・マレル、ジョナサン・サントロファー、サラ・ワインマンが◎だったが、特にジョイス・キャロル・オーツがさすが。

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    2021年05月31日
  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    短編集の「打率」ってどれくらいですか?
    個人的には、まあ・・・3-4割、書き下ろしアンソロジーだと1割切る場合もありません?
    これはすごいですよー!

    あちこちのアンソロジーでちょこちょこ見かける人ですが、まとめて読んだのは初めてでした。

    前半、全打!
    無駄のない文章でサクサクと結末へ。
    それも切れ味が半端じゃない。
    きっさきの鋭いこと。
    首筋がぞくっと来る珠玉の掌編ぞろいです。

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    2014年11月04日
  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    ローレンス・ブロックは短編がうますぎでしょう、もちろん長編もうまいつーか面白いつーか大好物ですけど、今日日ここまでエレガントに上手な短編書く人は国際法か何かで保護スべきと思います!

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    2012年10月12日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    ネタバレ

    絵画をテーマにしているので面白そうだなと思い、リクエストしたら第二弾のこの本が先に来た。
    表紙の「光の帝国」が良い。アンソロの中にもあった。

    「安全のためのルール」
    Remember all the safety rules,1953
    Art Frahm (American, 1906–1981)
    最初の作品なので、どういう風に話が展開していくのか予想できず、不安定だった。陪審員の予備員になる女性の話。自分のトラウマと現在の事件が重なるが、それは周りからみたら些末なことだと片づけられる話、で良いのだろうか。唐突に終わったので、どう受け止めたらいいのかわからない。

    「ピエール、ルシアン、そし

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    2022年07月14日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    自分は「54字美術館」というものをインスタグラムにあげています。
    訪れた美術館の展示で惹かれた絵画に自分の妄想を足して、54字の物語として作品発表しているのです。
    それに通ずるものをこの本に感じたのがこの本を手にしたきっかけでした。

    序文も読まずに目次で目についた『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』を読み始めましたが、題材はなんと大好きなゴッホ。
    文中の言葉を借りると「喚起的な絵」として著者のデイヴィッド・マレルは《糸杉》を選び、紡いだ物語を自分は一番興味深く読むことができました。

    主人公の友人がファン・ドールン(物語内のゴッホの仮名)の研究に没頭する余り、その友人はどんどんおかしくなって…と

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    2021年07月31日
  • バランスが肝心 ローレンス・ブロック傑作集2

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    やっと、見つけて、手にいれて、ゆっくり一週間かけて読みました。もったいなくて。

    良かった。
    うまいなー、ローレンス・ブロック。

    マット・スカダーシリーズに、弁護士エレイングラフ。
    魅力いっぱいでしたよっ。

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    2013年02月04日
  • 夜明けの光の中に ローレンス・ブロック傑作集3

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    短編って、やはり宝の山。いいわあー。マット・スカダーも、バーニィ・ローデンバーも、エレイングラフも出てきます。どれも珠玉の作であり、短編にしかない味わいがあり。堪能させて頂きました。

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    2011年07月31日
  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    ローレンス・ブロックの短編集1です。すごく良かった。私はあまり短編を読まない方ですが。珠玉の作が満載で。最初から最後まできっちり楽しませて頂きました。すごーい。まえがきのローレンス・ブロックの言葉が又、良い。「短編小説は愛の産物である」「作家が短編小説を書く唯一の理由は自己満足の為である」「これらの作品を書くことで得られた喜びと同じだけの喜びが、読むことでも得られれば、幸いである」なんとも、にやりとしたくなります。

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    2011年07月31日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    ルノアールやゴッホ、北斎、考える人やダビデなどのアートにインスピレーションを得て書かれた、名手たちの短編集。生涯追い求めてきた理想の彫像の若者のために捨てた人生と殺人。ように

    各短編冒頭には、絵画などのアート作品写真があります。寄稿者への依頼と同時にアート作品掲載許可についての出版社・編集者のご苦労があったのですね。

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    2024年12月01日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    ネタバレ

    アート作品をテーマにした短編集。ラスコーの洞窟壁画から神奈川沖浪裏、考える人、バルテュス、ゴッホ、ルノワール。素材も多彩なら物語も多様。いずれも短編の良さのある佳作。
    特にゴッホ、クトゥルーを思わせる展開が好み。
    前作未読なので後ほど。

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    2024年07月14日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    新年1冊目はローレンス・ブロックがアートをテーマに編んだアンソロジーの2作目である。
    1作目である『短編画廊』(既読)は、エドワード・ホッパーの絵画にインスパイアされた17の短篇が収められていた。今回は、アートという以外の制約はない。誰のどんな作品でも構わない。基本的には絵画だが、彫刻や壁画を基にした作品も収録されている。どれもおもしろかった……といいたいところだが、半分くらいの作品はぼくには合わず残念だった。
    ちなみに、本書は発売日前に予約して購入したのだが、積読期間が長すぎて昨年末に文庫化されてしまったのには泣けた(;_;)。

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    2023年01月01日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    前回の「短編画廊」はホッパーメインのコンセプト、今回は多種多様の絵を題材に繰り広げられている。ダヴィンチからゴッホ、北斎迄!
    ボリュームあると感じたけれど、読み始めるとなかなか楽しく、啓されている絵を見ているだけでもすっかり『その世界』に入り込み、作者の妄想カオスの世界へ泳ぎ出していくような気分は愉悦。

    色々な訳者が腕を振るわれているけれど、古澤さんと田口さんしか知らない。でも皆さん、なかなかいい語感。

    コナリーが展開するのは流石❓当然?ボッシュの「快楽の園」な~~んか笑える。

    題材のまな板の上で乱舞若しくは混迷、狂気の老若男女の動きに唖然とするのもあり、ん?というのもあり、理解に苦しむ

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    2022年01月16日
  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    【収録作品】食いついた魚/成功報酬/ハンドボール・コートの他人/道端の野良犬のように/泥棒の不運な夜/我々は強盗である/一語一千ドル/動物収容所にて/詩人と弁護士/あいつが死んだら/アッカーマン狩り/保険殺人の相談/おかしなことを聞くね/夜の泥坊のよう/無意味なことでも/クレイジー・ビジネス/死への帰還/窓から外へ
     切れ味が鋭く、皮肉が効いた短篇が多い。

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    2019年01月04日
  • バランスが肝心 ローレンス・ブロック傑作集2

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    短編二冊目。なんというのかこのアイディアはどこから出てくるのだろう。日々の生活で思いついたことを忘れずにきちんと取っておくんだろうなあ〜
    危険な職業が面白かったな。後皮肉な弁護士さんも面白い。今度長編読んでみようかな。

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    2014年10月06日
  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    星新一の短編のような見事な「落ち」と村上春樹の小説にでてきそうなちょっとシックで癖のある登場人物。面白いです。通勤電車のお伴にもよさそう。
    そうそう、村上春樹が、どこかで、長編を書くのは苦しみで、短編は楽しみ、と書いてましたが、ローレンス・ブロックもそのようなことを本書の「まえがき」で述べています。いわく「短編小説は愛の産物である(中略)作家が机に向かって短編小説を書く唯一の理由は、自己満足のためである」と。

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    2010年09月19日
  • 夜明けの光の中に ローレンス・ブロック傑作集3

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    バーニィが登場するのは、「泥棒はプレスリーを訪問する(泥棒はグレースランドに侵入する)」。これは「エルヴィスとは誰か」(音楽之友社、'96)にも所収。すごいですよね、こんなことを掲載しているHPがあるなんて!ミステリー・推理小説データベースなんだそうで、yahooでブロックとバーニィを入力して辿りつきました。

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    2011年10月11日