竹内茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレがんを患う若い二人、ヘイゼルとオーガスタスの恋物語。ていうか、二人の恋愛を通じて、生きること、死ぬこと、愛すること、なんかについて書かれた本。
感動の話を期待していると、どんでん返しがいくつかある。でも、いわゆる奇跡は起きない。
私は自分自身や身近にがんを患う人がいないので、がん患者のリアルがどういうものかよくわからないのだけれど、この本は結構、そのリアルにこだわっているように思う。たとえば、がん患者のトロフィーとか(いかにもアメリカらしい)、ウイッシュ(これは日本でもある)とかについて、文句なく素晴らしいものとしては描かれない。当事者はそれらについて、うさん臭く思っている話が出てくる。あるいは、葬儀でよくあるスピーチ「故人は最後まで希望を捨てずに気高く云々」なんてのもウソで、病みおとろえて自分で出来ることが減っていくのはみじめなことだし、子供のように泣いてキレることもある。いい話的なステレオタイプに逃げず(だって、実際に逃げることなんかできないし)、つらい現実のなかで生きていくときに何が起きるのか、そこにはつらいことしかないのか、そういうことが書かれている。
一つの主要なテーマとして、残された人の悲しみを生み出す自分の死をどう考えれば良いのか、ということが問われる。これについては、ヘイゼルに「君に傷つけられるのは僕の特権だ」というオーガスタスが最高にクールだと思った。人は生まれて死ぬ、その間に傷つけ合ったり愛し合ったり何もしないでいたりする、それがオーガスタスの考え。でも、それって要するに人の日常だし、リアルだよね。そこに価値を見出すということは、がん患者のトロフィーやウィッシュみたいな特別なことじゃなくて、病気をしててもしてなくても、いつもの日常の中にこそ価値があるということなのかもしれない。
いろいろなエピソードの中でいちばん私が好きなのは、ヘイゼルと母親がわだかまりを解くところ。ヘイゼルが死んだ後の希望について、ヘイゼルと両親が口に出して話すことが、ヘイゼルにわくわくするような喜びをもたらす。よかったなーと思った。 -
Posted by ブクログ
骨肉腫で片足を切断したオーガスタスと肺に腫瘍があり人工呼吸器が手放せないヘイゼルは癌患者の集まりで出会い惹かれあう。ヘイゼルが好きな小説は癌患者の女の子が主人公の「至高の痛み」。その一節を引用したり好きな詩を諳んじたりする文学少女のヘイゼル。オーガスタスもヘイゼルの好きな小説を気に入りその結末が知りたくて、著者のいるオランダへ二人で会いに行くが・・・。死と向き合う若者の話で重苦しいのかと思いきや、病気とともにあってもお互い思い合う気持ちの強さと輝きにあふれた小説だった。「傷つくかどうかは選べない。でも自分を傷つける人を選ぶことはできる。」相手を傷つけるというのは、やがておとずれるであろう死という刃で、ということ。それでもいいと思える相手と巡り合えた二人。久しぶりに素敵な青春小説に出会った。
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Posted by ブクログ
「きっと、星のせいじゃない」って映画の原作
英語のタイトルもそんなかんじ
でも邦題の「さよならを待つふたりのために」ってのもすき
たまに日本語版はぜんぜんちがう小説や映画のタイトルあるけど、けっこうセンスあるのが多い気がする(わかりやすかったりとか)
肺が機能不全で常にボンベをつけて歩く女の子と(頭がいい)
バスケのスター選手だったイケメンな男の子(骨肉腫で片足がない)の恋愛
身近にある不幸を感じさせない強さがある(ユーモアとして語ったりできる)
忘れ去られる恐怖とか死後の世界とか
長く生きられない自分が相手の大切な人になる罪悪感とか
16歳、17歳だけど
大人っぽい(さすがアメリカ!)
眼のがんで両目が見えなくなる男の子のエピソードがやっぱりぐさぐさくる
眼が見えなくなるってけっこうヘビーだと思う
子どもでがんになるのは本人ももちろんだけど
親や周りのひとがつらい
ってことがよーくわかった -
Posted by ブクログ
ネタバレ甲状腺がんの16歳のヘイゼルと、骨肉腫で片脚を失っている17歳のオーガスタスとの恋の物語。
一時は死の危機をさまよい、奇跡的に生きながらえたヘイゼルだが、がんは消えたわけではない。自力で呼吸できないから、酸素ボンベをカートに乗せなくては外出できないヘイゼル。
母親の薦めで、癌患者のサポートグループに参加したヘイゼルは、そこで、片足を失ったオーガスタスと、目を摘出することになっているアイザックと出会う。
病気になって以来、恋なんて出来ない、しないと思っていたヘイゼルだが、オーガスタスに惹かれて行く。
ともすれば、お涙頂戴もしくは、まじめくさった闘病物になりがちな設定。けれど、シニカルに、コミカルに、時にストレートに苦しみを吐く。
二人が好きな本『至高の痛み』のラストに納得いかず、続きが知りたい二人は、作者・ピーター・ヴァン・ホーテンを訪ねて、アメリカからオランダへゆく。
が、そこでも予期せぬ結果が待っていた。
急激に病状を悪くするオーガスタス。
死と、死にゆく人と、それを看取る家族の気持ちが、丁寧に描かれている。