中村ひなたのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
高校時代に突入して幾つかの変化が生じたけど、最も大きな変化は愛の変化かな。中学までは良い意味で子供っぽさを残していたけど、高校生になった彼女は少し大人っぽくなったね
ただ、その変化は九への失恋が絡んでそうなのが傍目には何とも言えないけど…
でも、そうして少しだけ九から離れられた彼女だから、九への想いに揺れるいちこの背を引っ叩くような助言ができる訳だ
ただ、その程度のアシストでどうにか成るなら、いちこと九の関係はもっとスッキリしていた筈で
場を誤魔化す為に、自分の心を大切にする為に。つい放ってしまった一言が2人の関係に罅を入れてしまうなんてね
2人はとても近い空間に居るのに、いちこがロボットであるという事実が二人の関係を進ませてくれない
九の恋心が進退窮まった状況でまさか新たな友人が登場するなんて思わなかったよ。しかもちょっと癖の強いタイプだし
でも、寺屋のお陰で九は高校生活を孤独に過ごさずに済むし、いちこと恋人ごっこみたいな関係に成れた。それに現実に存在しない少女に恋い焦がれる寺屋の助言は、現実に存在するいちこへ踏み出せない九に欠片でも機会はあるのだと教えてくれるものになるね
だというのに、遊園地まで行って観覧車に2人で乗ったというのに何も言えなかったというのは寂しいなぁ…
空想の中では想いを告げられる、彼女は応えてくれる。でも九は現実にそんな夢を見る事は出来なくて
九にとって足りなかったのは時間でも機会でもなくて、自分達が普通の出会い方をするという関係性そのものだったんだろうなぁ
でも、いちこにすれば九の元を去る時は自分という存在を失う直前になるわけで。時間とか機会とかそういうのじゃなく、いちことして何が出来るか何が許されるか。誰にも知られないから見過ごされるギリギリのラインが去り祭のキスだったんだろうな…
その意味ではいちこの方が少し大人だった、九と過ごす事で彼女は成長したのだと言えるのかもしれないね
終わってしまったかに思えたいちこと九の恋。それが時を超えて関係も変わった上で再会するなんてね
今はホームステイとかココロのプログラムとか関わりなく、町中で普通に出会ってしまった2人がこれからどのような関係を築いていくのか。思わせぶりな所で終わるなんてこの作品は憎らしいね
出来れば2人の恋がきちんとめでたしめでたしを迎える瞬間まで読みたかったのだけど、これはこれで良い終わり方だったのかも -
Posted by ブクログ
うあ、あの流れから愛と九は交際開始したのか、ちょい驚き
愛はそれまでのイメージの積み重ねにより準備はできていた。でも不意の告白に九の側は準備なんて出来ていなかった筈で
応えたのはどうにも気を遣った感じがしないでもないが、それでも笑う愛を見て頬を染める九の様子を見れば彼の方だって満更でもない、後悔していないと感じられる
そうなってくると微妙な立場になってくるのがいちこか…
眼の前で順調に九と愛は交際を重ねていく。それはいちこにとって手の届かない光景。自分の中に広がる感情を自覚しながらもそれに名前をつけないのは報われない感情の不毛さを理解しているからか
兎にも角にも九と愛は触れ合いの度合いを深め、九といちこは変わらずに家族
そうこうする内に季節が巡って九の方がいちこより背が高くなっていたというのは印象深いシーンだったな…
初めて会った頃は身長差が有りすぎて、姉と弟に見られればまだ良い方で不釣り合いという印象すら有った
けど、背が伸びないいちこは変わらずの背丈で、背が伸びる九は成長していちこを追い越して
目に見え辛い変化は二人を釣り合う二人にしていた
二人がこの数年で手にした変化を眼前に示せば九が揺らぐのは当然の話で
仲が深まってから生じた記憶の一時リセット、それは九にいちこの喪失を痛い程に突き付けるもの。九に本当の想いの行き先を自覚させずには居られない
同様に、目には見えない事になっていた感情の変化を見せられれば愛だって何も思わずに居られるわけがなくて…
九と愛の交際は拙いものであっても若々しさに満ちていた。だから擦れ違いが有る事自体は珍しくないのだけど、愛は恋愛面で九より成熟していたから独占的な想いも抱かずに居られなかったのかな…
告白したのは愛、別れようと言ったのも愛。結局、九が愛に求めていたのはお隣さんの距離のままだったんだろうなぁ。だから最後の我が儘にも応えられなかった
まるで愛の独り相撲のような交際……
高校生になって子供時代の延長線でしか無かった時代は終わった。そうして辿り着いたのは本作の始まりにて描かれた光景
これはスタート地点であり、同時にクライマックスの入り口と解釈できるのかな?
誰も彼も想いは自覚しているが、報われないから進めない。それでも好きな人に好きになって貰う為にはあの日の愛のように踏み出す必要があって
果たして九といちこ、どちらが先に報われない想いを報われるものに出来るのかな? -
Posted by ブクログ
新たにいちこの友だちとなったロボット・ネオはいちこと方向性の異なるタイプだね。いちこが違和感なく日常生活に溶け込めるタイプなら、ネオは何処にも溶け込めず浮遊し続けるタイプ
まあ、ネオの理由は番外編にて明かされるのだけど
でもそれは実際に話を聞いてみないと判らないもの。だから九は急に現れたネオに取られるのではないかと危惧してしまったわけだ
自分は人間でいちこはロボット。いちこはロボットでネオもロボット。ネオなら自分のように懸念なんて生じやしない
その違いのせいで生まれかけた嫌な心、それをネオはすっぱりと霧消させてみせたね。ロボットに心は要らないと言う彼が伝える「好き」の保証
九の感情の行く先は難しいままだけど、ネオは意外な味方になってくれるのかもね
ただ、やはり全ての者が味方になってくれる訳がなくて。それが簡易に表れたのが11話のシーンかな
色恋に過剰反応してしまう中学生だから噂になればイジらずに居られない。その空間をやり過ごす為には空間に迎合するしか無くて
それは感情の否定、いちこにすれば九が自分をロボット扱いしているとの認識になってしまう。彼女の方も何らかの感情が芽生え始めているなら納得できない九の扱い
それだけに誰にも見られない非常階段での遣り取りは本当に付き合いたての恋人みたいな印象を抱いてしまったな
勿論、事実としてはそんな事無いんだけど、それでもあの瞬間における二人だけの遣り取りは尊いものであるように思えたよ
九といちこが近づくに従って離れてしまった九と愛。家はお隣なのに心は離れてしまった
それは愛の方が勝手に壁を作ってしまったようなものだから、彼女が九との付き合い方を改めて定める必要がある。結局の答えは「これまで通り」、でもそれでは恋愛的に進展させることなんて出来なくて
お隣さんから恋人に成れるかもしれない相手へ。その距離を詰める為にはこれまでしなかった恋愛の話題も選ばなければならない。そうすると自然にいちこが話題に上がってしまうわけか…
どれだけ愛が九と楽しく話していても、九がいちこを意識してしまえば愛は九と近づけない。だから彼がいちこに近づかないよう引き止める必要があって…
いちこが見える範囲から消えた瞬間に九を引き止めた手と言葉は彼にどのような感情を生み出させるのだろうか?
そういや、13話でいちこの制作者が登場したけど、やはりホームステイ先の子供とロボットの間に恋愛感情が発生する展開が狙いだったようで
そうなるといちこが懐き始めている感情も計算通りという話になってしまうが…
プログラム的に仕組まれた「心のプログラム」到達までの道程
その先にあるのは人間と同じ心かロボットのプログラムか、果たして…… -
匿名
ネタバレ 購入済み強くなったね。頑張ったね。
自分を守る為に、クラスメイトによる親友のいじめに加担してしまう奈緒。
心でどんなに叫んでも、悔やんでも、謝っても、日々激しくなるいじめ。
そんなある日、とうとう事件は起こる。
そして、奈緒は声を失う。
親友という存在と共に。
療養の為、夏休みに祖母の暮らす田舎に行く。
そこで、奈緒の運命を変える者達に出会う。
苦しみながら、親友をいじめた過去と向き合いながら、奈緒は戦う事を決める。
その結果、あんなに怯えていたいじめに遭う事になる。
それでも、奈緒は戦う事をやめなかった。
自分の進む道を見つけた。
いじめをした事は、決して許されることではない。
でも、いじめられて尚、戦う事をやめなかった奈緒。
彼女に、よく頑張ってきたね。と伝えたい。
そして、あなたにはこれからも誰かの光であってほしい。 -
Posted by ブクログ
男子小学生の家にロボットがやってきて一緒に暮らす事に……なんて導入だと『ドラえもん』を想起してしまう。あちらは男同士だから兄弟・悪友な関係性を築いたけど、こちらは男と女。単純な関係には成り得ない
それでも出会った当初は小学生だったから色恋には発展せず家族として暮らしていけた。でも、いつまでもそんな状態が続くわけがないんだよね
面白いのはロボットであるいちこを送り込んだ組織はそういった色恋に発展する事態を望んでいたのではないかという点。10歳前後の子供が居る家に異性のロボットを送り込んで5~8年過ごさせる。その状態で何も起きないと想像する方が異常
いちこを送り込んだ男性が言っていた”心のプログラム”、これは一体何を目指した代物なんだろうね
背景にはそういった腑に落ちない点を含みつつも、ストーリー自体は非常に丁寧に、そして優しさに溢れた空気感で進行していくね
どこかポンコツないちこ、彼女がまるで喪われた父親の穴を埋めるかのようにを家庭内に受け容れられた為にむくれる九、そんな彼に戸惑い合わせる顔が無くて彷徨ういちこ
そんな二人を結びつけたのは生来の素直さかな。嫌な事が有るとすぐ態度に出るし、嬉しい事が有ればそれを表情に出さずにいられない。いちこだけでなく九にもそういう傾向があるから二人は家族として結びつけた
この事態は元々距離の近い幼馴染であった愛を焦らせるものになっているね
愛の友達はいちこと九の現状を見て、家でも学校でも一緒だったら好きになっちゃうと発言をするけど、これは愛にも少し当て嵌まるんだよね
家は隣でよく一緒に遊んでいる。そうする内に九を好きになった。愛がそういう道筋を辿ったのだから、九といちこもそういう道筋を辿ると想像してしまうのは何らおかしな事ではない。おまけにキスする場面まで見てしまうし
ここでもいちこの素直さが活きてくるね。憎たらしいライバルではなく、いちこも良いお隣さんに成るから愛はいちこを受け容れてしまう
ただ、そうやって家族のような関係として始まってしまったから将来的に訪れるこじれが問題になってくるんだろうけど
「好き」を確かめる為の手繋ぎ
ごく自然に助ける為に手を繋いだ九と愛、独りで無いと感じる為に手を繋いだ九といちこ。ここでの感覚の違いがそのまま3人のこれからを示しているね
そうやって淡い初恋物語が始まっていくのなら少年期の物語として成立する。けれど、いちこはロボットなわけで……
どうやら次巻から新たなロボットも物語に加わるようだし、本作はこれからどのような表情を見せてくれるのだろうか? -
無料版購入済み
可愛らしい
可愛らしい内容で青春の匂いがします。爽やかさと初々しさに胸キュンできます。短編なのでサクッと読みきれていいけど、その後も見てみたいなぁ。