小池和男のレビュー一覧

  • 聞きとりの作法

    Posted by ブクログ

    具体的な方法、こつ、一人だけの聞き取り、最大1時間半、録音のこつ、など様々なことを事細かく書いている。フィールドワークで聞き取りをする前には必読書である。

    0
    2022年11月12日
  • 戦後労働史からみた賃金―海外日本企業が生き抜く賃金とは

    Posted by ブクログ

    労働や賃金の専門家(文化功労者)による、賃金に関する一考察。「能力給」を批判し、査定つき定期昇給といった「年功序列」を推奨している。精緻な研究・分析により、きわめて学術的な説得力ある内容となっている。言っていることは単純であり、わかりやすかった。
    「高賃金国の生きゆく道は、英などの西欧や米など先行国を見定めれば、明白である。他国の地で製造業に限らず、宅配、コンビになど様々な産業で事業を行い、その地の人を雇用し、納得して働いてもらう。そこから得た収益の日本への還流こそ肝要である」pv
    「複雑な社会現象を解明する王道は、他と比較することである」p4
    「ホワイトカラーには定期昇給が日本以外にも多くの先進国にあり、その昇給額は査定によっている。肝心なのは、そうした方式を戦後日本企業がブルーカラーにも適用したことだ。世界にさきがけて実施したのである」p68
    「一見くりかえしにみえる職務のなかで「ふだんと違った作業」、そうじて上手と下手の差を、職務評価の専門家たちがはたしてどれほどよく把握できるか。標準化を念頭におけばおくほど、むつかしくなろう。それにくらべ、その職場をあづかる管理職、職長なり課長たちのほうが、はるかに痛切にわかるだろう。こうした面倒な作業部分の判定評価は、その仕事をよく知る人の「主観的」な評価、判定以外、いったいなにがありえようか。つまり、職務評価の有無は頼りになる区分ではない、と考えざるをえない」p112
    「高度な仕事は標準化できない」p113
    「職務を明確にし標準化しなければ、としばしば主張される。いまもなお研究者からも主張される。それゆえ、まさに単一賃金の職務給が理想となろう。それならば、肝心の「問題」や「変化」への対応という、効率を左右する作業を見逃す。見逃すだけならばともかく、それを抹殺する。それでは競争力の核心を殺すことになる」p114
    「同一年齢勤続層をとっても格差は、成果給以前に比べ成果給をいれても拡大していない、それどころか格差は減っている」p152
    「目標管理制度を実施したら、各人が低い目標を設定するようになった。この傾向はどこの国の企業でも当然に起こることであろう。目標の設定は上司と話し合って決めることになっている。だが、各人が精一杯の目標を掲げたか、あるいはその実務能力に比べやや低めに設定したか、それを上司がすべて見抜けるわけではない。それこそ世界共通の経済学でいう「情報の非対称性」の典型例ではないか」p161
    「(目標管理制度を導入すると)より致命的なのは、「隙間業務」をこなす人がいなくなる。職場内で誰かがこなさねばならない業務で、だれの目標にもならない業務が当然にでてくる。それをだれもこなさない」p162
    「業績や仕事ぶりはなかなか数量にはあらわせない。そうであれば、数量にたよれず、仕事をよく知る上司が主観的に評価するほかあるまい」p163
    「上司の査定では恣意性が残る。それはやむをえない。あとは、いかにそれを少なくするか、その方策であろう」p167
    「(公開こそ恣意性を防ぐと言うが、米では公開したことにより)査定をつける上司は訴訟を恐れ、査定の差が小さくなったようだ。米のすばらしい分析のすべてが、日本よりはるかに差をつけないことを示している」p167
    「定期昇給の廃止は続いており、成果主義はおさまっていない。短期すぎる視野のおそれ、そのあやうさが懸念される」p171
    「輸出ではなく、海外直接投資の増大、そこからの還流が将来の日本の経済を支えるのである。それこそ国際的にみて高賃金国の生きる途である」p179
    「上限下限を明記した範囲給のなかで、昇格しなくとも査定つきの定期昇給で、個人差はありながらサラリーは上がっていく。すくなくとも下がらない。おなじ仕事についていても、しだいに技能が向上するよう促すのである」p180

    0
    2018年10月24日
  • 仕事の経済学(第3版)

    Posted by ブクログ

    国際比較労働経済学。
    日本人の日本蔑視を膨大な資料から否定する。
    日本の今後を考える上でも貴重な書籍。
    最後は制度として仕事をとらえ、極めて後味良くまとめている。

    0
    2014年10月31日
  • 聞きとりの作法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    修士時代、企業インタビューをこなすのに備えて読んだ本。

    研究者向けだったと思いますが、いま僕がインタビューをあまり苦手意識なくできるのは、こうした本で得た擬似体験といくつかのインタビュー経験、それに編集者時代の取材やらをこなした日々の賜物。

    (2017年7月23日追加)
    数量分析だけで説明できる現象はそんなに多くはない。
    質的比較分析の本をちょうど読み始めたところ。
    外部研究者に比べて、内部観察の壁が高くない、監査という仕事にとっても、文化人類学・社会学的なフィールドワークの基本を実践していければ、もっとよりよいインサイトが得られるはず。
    そんな思いを新たにした再読。
    3章構成。1、2章のみ読めば、監査人には十分。
    ・慣れない人は、30分以内の短い聞き取りから。
    ・調査計画は、予備調査項目みたいなもん。
    ・半構造化インタビュー
    ・じっくり考えないとなにもできないという重厚タイプのひとは、わたくしの経験では、聞きとりにはむかない。聞きとりはあるていど「軽佻浮薄」でないと勤まらない。かるがるしく決断する必要がある。
    ・職場をみる
    ・相手への敬意、相手に教えてもらうとの気構えが大切である。
    ・議論をしない。
    ・つぎの質問のメモも大切なのだ。

    0
    2017年07月23日
  • 聞きとりの作法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    聞き取り調査実施における考え方やTipsをまとめた書籍。修士論文に関わるインタビュー実施の際に読んで参考にした。

    ■重要ポイントのメモ

    1.調査計画(聞きとりの前に)
    ・当然だが、相手のコスト(時間)への配慮が重要。
    ・一人の話し手に聞く時間を1回1.5~2時間以内、2回程度にするなど、1人当たり1社当たりの負担を減らして、複数組織を比較した方が了解を得やすい。
    ・仮説設定時は二段階の手続きを用意する。1つ目は分析概念の設定、2つ目は測定指標の設定である。
    ・企業選定前に有価証券報告書などで企業について調べるのは大事。
    ・比較しながら語ることの出来る人をインタビュー相手に選ぶのが良い。比較こそ事実に接近する近道である。
    ・話し手の人数は一人が最も良い。自分の意見をはっきり言ってもらいやすい。
    ・依頼する際に、何を、誰に、どれほど話を聞きたいのか、それを具体的に細かく書いた依頼書を企業に送ること。その際に自分の履歴を示す情報を付加して、自己紹介をしておくこと。
    ・先方の宛先を固有名詞で書くこと。
    ※学術研究の場合は、書類を書く手間を惜しまず、財団の公募に申し込むこと。各財団の関心分野を知り、自分の問題意識と重なるところを見つけるのが肝要。

    2.聞きとり
    ・個々の質問は前もって決めておかない。聞くべき要点はかなり仮説によって決まっているとしても、実際の質問は相手の答えによって違ってくる。
    ・具体的に聞くこと。また、最近の例を聞くこと。
    ・聞きとりは話し手と聞き手の共同作業。聞き手はある程度軽佻浮薄でないと務まらない。軽々しく決断することが必要となる。
    ・追加質問の重要性。相手の話を踏まえた上で、さらに切り込んだ質問を用意すること。

    ・メモは重要な点を浮き彫りにする。目に付く情景、各種掲示物など、時間がある限り素早くその一部をスケッチすることも大事。
    ・毎回聞きとりの”直前に”聞き取り要領を用意すること。
    ・相手の協力を得るは、「周到な準備」と「的を得た質問」が必要。
    ・相手の承諾を得られれば録音はしたほうがいい。しかし、それでもメモを真剣に取ること。

    ・なるべくその日の内に、遅くても次の日までにメモを浄書して、聞き取りノートを作っておくこと。前後矛盾しててもいいので、単語の羅列ではなくとにかく文章にしておく。
    ・聞き取りノートは門外不出とすること。話し手のプライバシーを最優先。

    3.聞き取り調査の説明力
    ・非数量的な知識を扱うとしたら、個別の例を聞き、なぜ、どのようにしてという点まで理解しやすいように説明することが極めて重要。
    ・聞き取りの事例をなるべく小さな種の中におさめる。そのうえで、2、3の種にわたって観察事例を拡張する。

    ・アンケート調査も併用する場合は、聞き取りを先に行う。
    ・

    0
    2011年11月17日
  • 聞きとりの作法

    Posted by ブクログ

    企業への聞きとりのための入門書。「聞きとりに手土産はいるの?」というちょっとした疑問から、「計量分析が主流の時代に聞きとりの意味とは何か」という哲学的な命題まで丁寧にふれられてました。人文系で聞きとりする方は読んで損はないはず。

    0
    2011年09月14日
  • 仕事の経済学(第3版)

    Posted by ブクログ

    日本と海外の労働者の働き方、給与体系、評価方法、業務の指示の仕方などを客観的なデータに基づいて比較している。
    いわゆる既成概念が、意外と正しくない場面もあるようだ。
    しかし、ホワイトカラーについては、既成概念が事実とあまり相違しないようだ。
    面白くはない。

    0
    2019年05月21日
  • 聞きとりの作法

    Posted by ブクログ

    【由来】
    ・HG水野谷先生から

    【期待したもの】
    ・聞き取り調査において何か得るところが2〜3でもあれば。

    【要約】
    ・

    【ノート】
    ・聞き取った内容のまとめ方が参考になった。あとは、今回の現場へのヒアリングでは、分かりきったことか、あまり適用できない内容かと。

    【目次】

    0
    2018年10月28日
  • なぜ日本企業は強みを捨てるのか--長期の競争vs.短期の競争

    Posted by ブクログ

    企業の事例と競争への人材の関わり方などが書かれている。そこに競争のステージを短期にするのか長期にするのかなどが加わる。
    だが最初のセブンイレブンの事例は肩透かしだし、著者の成功のための提言は弱いと思う。

    0
    2016年01月10日
  • 海外日本企業の人材形成

    Posted by ブクログ

    テーマがユニークで面白い。そして、深い考察がなされている。製造業が主たるテーマだったので、自分の業界とは違う部分があるが、普段読んでいるビジネス書よりも頭をフル回転しないと理解できない本だった。

    海外展開のステップ:
    第一段階:低賃金利用
    第二段階:変化と問題をこなす技能の移転
    第三段階:製品の設計、生産ラインの設計・構築というきわめて高度な仕事にたいし、海外事業所に働くその他の人が、相当に発言する傾向が認められる。エンジニアだけでけでなくブルーカラーの一部も発言していることである。

    上記の仮説が本書の中核にある。

    0
    2014年03月02日
  • 仕事の経済学(第3版)

    Posted by ブクログ

    論旨がすごく明確。
    ブルーカラーもホワイトカラーも、人材育成の核心は、長期にわたる実務経験=キャリアである。
    「専門の中で幅広いキャリア」が重要。経験を広げすぎると損失が利得を超える。
    たてのキャリアでは、リーグ戦とトーナメント戦による選抜を行う。
    リーグ戦をまず行うがそれが少ないのが「早い選抜」多ければ「遅い選抜」。
    リターンマッチもあればよい。
    トーナメント戦が開始すると、もはやこれ以上昇格しない人たちが現れる。
    企業には2通りあり、スーパーなど大卒を多く採用する業種では、第1選抜出現期は3,4年、よこばい群出現期は15年前後のタイプ。
    伝統的なメーカーなどは、代表取締役選抜出現期は10年近く、よこばい群出現期は20年をこえる。
    早い選抜はリーダー形成には有利。高度な技術をもつ中堅を育てるには遅い選抜が有利。

    0
    2013年07月11日