山本光伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
くそどうでもいいブルシット・ジョブに悩まされてる時に元気をもらえた一冊!この本の感想を一言で言うなれば「才能の無駄遣い!」(笑)。これほどまでに才能豊かな人たちが詐欺に心血を注いでんだから、才能のない私がちょっとブルシット・ジョブやるくらい…という意味のわかんない慰めの気持ちが湧きました。意味わかんないですね。
1940年頃にアメリカで流行した詐欺の手口や業界について、犯罪者の使う言語について研究していた言語学者である著者が書き起こした研究の副産物的な一冊。当時の詐欺師界隈の専門用語をふんだんに使って書かれていて(巻末に索引もあります!)、雰囲気があって面白かったです。
とくに詐欺において重要な役割を果たす「おとり」の才能と苦労には涙ぐましいものが…。類稀な忍耐と演技力と胆力が必要で、それでいて、逮捕されるリスクもあるのに分け前もそんなに良くはなくて…いや、本当に、普通に働けばいいのに、と思いました。
最後の章のタイトルが「専門用語に精通する」なのですが、詐欺の世界でも大切なことなんだなぁと。専門用語を正しく使える=仲間という認知らしく、これは、どこの専門家界隈でも成り立つ普遍的な人間の営みなんだなぁと思いました。専門用語を間違って使ってる人って、コイツ大丈夫か?って思われますものね。専門用語って、別にカッコつける為とか、専門家内でコミュニケーションを取るのに便利だから…という前に、仲間かどうかを見分けるためのものなんだなぁ、と発見。専門用語、正しく使えないとダメですね。そういう目で見ると、この本のやたら専門用語を多用した文章もいっそう面白く感じますね。 -
Posted by ブクログ
知られざるアングラの世界の中でも、最もスマートで大きなお金が動くホワイトクライム。それが詐欺(ビッグコン)。
舞台は1900年代の戦争が始まる前のアメリカが舞台。
大きな経済発展に伴って、各地で詐欺師たちが金持から金を巻き上げていた時代。
当時のように情報の流れが遅いから成立した詐欺ではあるものの、人の心理は変わらないので、ちょっと応用すれば現代にも使える手口だろう。
その手口は不謹慎ではあるが、芸術といっていいレベル。
これを見ると日本の特殊詐欺やオレオレ詐欺なんかはなんとお粗末なことかと思う。
ビッグコンのスゴイところは
・被害者の懐にすぐに入り、信頼を得る
・ズルや不正によって、確実に大きく儲ける方法をほのめかす。
被害者の「盗人の血」を焚きつける
・気持ちが大きくなり、大きく賭けてしまいたくなる場へ連れていく。
・とある「アクシデント」により大負けしてすべてを失う。
こんなルートで行われるが、被害者も不正の片棒を担がされている、詐欺をされたとそもそも気づかないことにより、詐欺師が復讐されることを防いでいる。
とはいえ、こんなに見事に詐欺で金を巻き上げても、結局詐欺師もギャンブルや浮世の遊びにすぐに使い切ってしまい、即時の享楽に身を窶すそうなので
せっかく高度な頭脳があっても禄でもないものになってしまうんだと改めて思った。
そんな詐欺から身を守る一番の方法。
「正直者でいること」
後ろめたいことはしないことが一番のようだ。 -
Posted by ブクログ
騙しのテクニックがあるんだろうなと期待して読みました。
キッカケは、有名キャバ嬢の○○さんのバッグに入っていた本と動画で見た事です(笑)
どんな世界にも騙すに似た行為で相手をその気にさせることがあると思うんです。
だからキャバ嬢も一読するんだろうと思ってなのですが、なんと言うか思いを巡らすことができたのはとても良かったです。
騙して奪っても訴えられて自分が捕まったら元も子もない…捕まらない・相手に気づかせないやり方、読みながらそこをポイントにしていました。
内容としては騙す人にも色々な役者が一丸となってターゲットを引き込んでいく。そりゃ騙されちゃうという手口というものがあるんだと知りました。
いくつかの手口とそのケース失敗談なんかがあってなかなかのボリュームではあるもののサラッと読めます。
最初はこれを読み終わったら詐欺師になれるくらい知識が得られる?なんて思いましたが、冒頭に記した通りその世界観のような残響が心に沁みました。
結局は人なんでね気持ちよくなっちゃうと負けちゃう…そんな感じ。
この感想で惹かれたあなたは手にとってみても良い本ですよ。 -
Posted by ブクログ
人を欺いて、金銭等を自身の懐に入れる詐欺師。本書は、そんな詐欺師の特徴と手法を余すところなく解説する。著者によると、一流の詐欺師は、相手から感謝されるのが特徴だという。その為、相手から信用される人物像であることが何よりも大事である。そこで、詐欺師は、相手を惹きつけるために、自分磨きをしなければならない。具体的には、年齢にかかわらず、身なりを常に清潔に保つこと、政治、経済等の教養を身につけるなど、自分にメリットとなることは、積極的に取り組む。このように、彼らは詐欺に働く前の段階から、抜かりなく下準備をする。
では、本格的にカモを探す段階に入るが、本書によると、カモの対象となるのは、無条件で要件を呑む人はもちろんのこと、実業家や医者といった富裕層も含まれる。一方で、カモが正直者である場合、ことが容易に運ばず、ベテラン詐欺師でも苦労する。その為、ある段階で相手にしない。以上から、詐欺師は、相手の様子を常に確認して、自身の養分になるか否かを見極めなければならない。。
ちなみに、この本は古典的映画『スティング』のネタ本とあり、故に詐欺師の実態を知るのに優れている。詐欺の形式は時代とともに多様化するが、詐欺師そのものの本質は変わらない。 -
Posted by ブクログ
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ぽんきち
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エボラの正体
エボラの正体
デビッド・クアメン、西原智昭(解説)
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高すぎる致死率が意味するもの
2014年の春から夏に掛けて、エボラ出血熱(エボラウイルス病)が大発生(アウトブレイク)し、世界中を不安に陥れた。日本でも複数の感染疑い例があり、結果的にはいずれも陰性だったものの、世界中がネットワークでつながれている現代は、遠いアフリカで起こっている怖ろしい病気と対岸の火事的に眺めていられる時代ではないことを再認識させる出来事となった。
本書はエボラ出血熱の原因ウイルスであるエボラウイルスに関して、これまでわかっていること、わかっていないことをコンパクトにまとめたものである。
著者は、2012年、いくつかの人獣共通感染症(ズーノーシス:zoonosis)に関する本(『スピルオーバー(Spillover)』)を上梓(未訳)しているが、本書はこのうち、エボラウイルスに関する項を抜き出し、加筆した上、昨年のアウトブレイクに関する資料も付け加えた形になっている。
日本語版の巻末には、アフリカで野生生物研究調査・生物多様性保全に従事している日本人の解説が付いている。
エボラはひとたび発症すると、ヒトにとっては非常に致死性の高いウイルスである。2014年3月に始まったアウトブレイクでは、8月までの致死率は、実に54%である(cf:国立感染症研究所:エボラ出血熱とは。先端医療が受けにくい地域での発生とはいえ、季節性インフルエンザの致死率が0.05%程度とされているのと比較すると驚異的に高い。
これが何を意味するかといえば、ヒトはエボラの通常状態での宿主(=保有宿主:reservoir host)ではあり得ない、ということだ。
ウイルスは単独では子孫すら残せない。自ら増殖する機構を持たないからだ。宿主の複製装置を使い、宿主のエネルギーを拝借して、宿主に「寄生」しなければ増えることはできない。ウイルスにとって、宿主を殺してしまうほどの強い毒性を持つことは、自らも増殖するチャンスを失うことを意味する。戦略としては、宿主を殺さず、共存していく道を取る方がウイルスにとっても得であるはずなのだ。
エボラがヒトをこれほどまでに殺してしまうということは、普段は別の生物を宿主としており、ヒトでの感染は「たまたま」であることを示している。ヒトでのアウトブレイクはある意味、エボラウイルスにとっても、「事故」であったとも言える。宿主が死んでしまえば、ウイルスにとってもデッドエンドなのだから。
スピルオーバー(溢出、漏出)とは、ウイルスが何らかの理由で通常の宿主から「あふれ出て」、別の宿主に移ることを指す。人獣共通感染症では、よく見られる現象である。
保有宿主は何なのか? それを探ることが、こうした疾患に取り組む重要な手がかりとなる。
本書では、エボラウイルスとヒトとの関わりを歴史的に振り返り、その謎に迫ろうとする人々の試みを手際よくまとめている。ウイルス自体の構造や発症機構よりは、これまでのアウトブレイクの例に重点が置かれ、ヒトへの漏出が、どこから、どのように起こったかに迫っていく。
タイトルが期待させるような「エボラの正体」が明らかになるわけではなく、朧気なぼんやりとした輪郭が浮かび上がってくるだけとも言えるが、まったく得体の知れない怪しいものが、ある程度でも見えてくることには意義がある。
これまでのところ、エボラの保有宿主は明確には特定されていない。
有力な候補の1つがコウモリである。研究者による調査により、エボラウイルスのRNAを所持していたり、あるいはエボラウイルスに対する抗体を持つコウモリは見つかってきている。しかし、感染力のあるエボラウイルスは、コウモリではいまだに発見されていない。
コウモリが興味深いのは、種が多く(哺乳動物全体の種の実に40%がコウモリだという)、食虫動物でもあり、授粉を行い、種を蒔き、生態系の中で、「媒介者」としての働きを担うからである。また、コウモリは群れる動物である。洞窟に高密度で生活する空間はるつぼのようなもので、ウイルスが飛び回るには理想的とも言える。コウモリは往々にして、サルや齧歯類、イノシシなどの他の野生動物同様、「ブッシュミート」として現地の人々に食用とされている。
エボラと同じフィロウイルス科とされているマールブルグウイルスの場合は、コウモリから複製能力のあるものが分離されている。
コウモリは唯一の宿主ではないかもしれないが、少なくとも、宿主の1つである可能性が高い。
姿の見えないウイルスによる疾患であることから、現地には、「悪霊の仕業」としたり、「呪術」であるとする人々もいる。また積極的に病院での治療を受けたがらない人も多い。西側からやってきた医療従事者はよくわからない言葉をしゃべり、中味がわからない注射を打つ。連れて行かれた家族は病院で死んでしまい、遺体すら返してもらえないとなれば、治療を拒否する人が出るのも無理からぬことかも知れない。
専門的過ぎる細かい話は出てこないので、予備知識がなくても読みやすい本である。研究者の人間的なエピソードもあり、実際にエボラを取り扱うとはどういうことか、イメージが沸きやすい。1994年の一大ベストセラー、『ホット・ゾーン』の功罪に関するくだりも妥当な評価で興味深い。
アウトブレイクが起こる一因として疑われるのが、森林伐採による環境の急変である。これまでヒトとの接触がなかった熱帯雨林の奥地が、伐採により露わになり、隠れていたウイルスが姿を現し、それがたまたまヒトにとっては毒性の高いものだった、という見方もできる。
ヒトから見れば、エボラウイルスは熱帯雨林に潜む、怖ろしい病原体である。
だが一方、エボラウイルスから見れば、ヒトは、呼びもしないのにやってきた闖入者であるのかもしれない。
治療薬の開発はもちろん望まれるが、エボラや未だ知られぬウイルスのさらなるアウトブレイクを抑えるには、環境の急激な変化や生態系の崩壊を招かない資源利用の方策を探っていく必要があるのだろう。 -
Posted by ブクログ
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新聞などでは毎日のように、電話やインターネットを使った詐欺の事件が、報道されています。
自分自身にも、脅しや儲け話などの迷惑メールが、頻繁に来ます。
自分なりに気をつけてはいるのですが、次々と新たなやり口が生み出されているようなので、安心できません。
詐欺師の手口の、基本パターンを学びたいと思っていたところ、この本のことを知りました。
「自分が詐欺師になりたい訳ではないんですよ」と、もごもご弁明しつつ、文庫版を読むことにしました。
著者は、アメリカの言語学の研究者。
本書が書かれたのは、1940年だそうです。
カモとなる人物を見つけ、大金を投資させて騙し取る「信用詐欺」。
どのようなストーリーや舞台装置を使って、カモを信用させるのか。
19世紀から執筆時点までに、詐欺師たちが考え発達させてきた手法が、前半で紹介されています。
店を構えて、カモを安心させる。
実際に儲けさせて、カモがさらに多くの金額を投じたくなるようにする。
犯罪行為の共犯者になっていると思わせ、自分たちから引き離す、訴えさせない。
具体的な事例が書かれているので、カモにされた人がどのように引きずり込まれるのか、イメージすることができました。
中盤からは主に、詐欺師とはどのような人たちなのか、仕事や生活をどのように成り立たせているのか、について。
組織で動くことにより、成功率を高め、リスクを減らす。
警察や地方行政など、”表社会”へのケアも、怠らない。
書かれてから80年以上経っているので、現在の詐欺の手口はだいぶ、変わっている(進化している?)のかもしれません。
また、米国と日本では、裏社会と表社会の関係も違うのかもしれません。
それでも、どのような場合に相手の話に騙されてしまうかは、時代や国が違っても、共通するものがありそうだと思いました。
詐欺師はいわゆる、“悪党”だとは思わない方が良い。
有能で、”感じの良い人”が多い。
金銭など欲望に絡む話、そして脅しや注意。
そのような事を言われたら、立ち止まって考える、すぐに行動に移さない。
相手が誰であれ、これらのことが頭から離れないように、気を付けたいと思います。
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Posted by ブクログ
読書録「エボラの正体」3
著者 デビッド・クアメン
訳 山本光伸
出版 日経BP社
p128より引用
“それらは数百年にわたって宿主とともに進
化を遂げてきた。いくつかの棲み家にたどり
着き、ゆっくりだが着実に複製し、宿主の集
団内を目立たないように移動して長期的な生
存を図った。”
目次から抜粋引用
“山積みにされた13頭のゴリラの死体
エボラはどこに隠れているのか?
手袋を突き抜けた針
すべては機会のもたらす産物
冒険旅行の犠牲者”
作家でジャーナリストである著者による、
エボラウイルスのルーツを探る一冊。
チンパンジーからの感染についてからエボ
ラウイルスの変異についてまで、多くの事例
を参考に書かれています。
上記の引用は、ウイルスや病原体と宿主に
ついて書かれた項での一節。
宿主を絶滅させてしまうほど増えると、ウイ
ルスにとっても不都合となるので、程々に増
えるように共存関係が出来上がってくるそう
です。昔、この先人間はどうなることだろう
と思われたHIVですが、現在は感染していて
も昔よりも潜伏期間が長くなり、発症しても
その症状は穏やかなものになるつつあるとか。
出来れば感染などしたくはないですが、新し
く抗ウイルス薬も出来てきているそうですし、
恐れてパニックにならないようにしたいもの
です。
日本もアフリカの熱帯雨林の材木を随分と
輸入しているそうですので、いつか入ってく
るであろう覚悟はしておいたほうがいいかも
しれませんね。
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