清水唯一朗のレビュー一覧

  • 原敬 「平民宰相」の虚像と実像
    功績は大きいが、欲もあり、目的のためには手段を択ばないところもあるマキャベリアンで、でも理想もある。
    とても複雑で魅力的な人物だと思った。
  • 2050年の入試問題
    現役SFC教員と卒業生による、SFCの入試をめぐる議論。入試だけでなく大学の在り方も議論されている。やはり大学は入試なのだ。1990年の開学以来、AO入試などの斬新な取り組みを先行させてきたキャンパスだし、社会のリーダーを数多く輩出してきた実績は言うまでもないが、30年を経て、新たなフェーズに移行し...続きを読む
  • 原敬 「平民宰相」の虚像と実像
    小説みたいで、原敬が死ぬ直前からの描写には涙が止まらなかった。
    本を読む前は平民宰相という印象しかなかったけれど、とてもグローバルな人間で、日本を考えて、着々と総理になっていく様子は、彼は日本のトップになるべくしてなったんだ、と痛感した。
    同時に、明治から大正にかけてのギラギラした時代が伝わってきて...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    明治から大正初期の官僚と国の成り立ちについての書籍。

    儒学理念に裏付けられて前例踏襲・変わらないことが求められた時代において、人々が如何に伝統を変えていったかが描かれている。
    そのきっかけとして大きな役割を担ったのが洋学である。1870年に洋学教育機関として設立された大学南校(東京大学の前身)での...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    明治期から大正にかけての政治家、行政官など、人に焦点を当てて、その変遷について述べられた本。極めて精緻な研究に基づいている。特に、明治維新からの歴史の流れに沿って政治・行政の体制を明確に示していること、人材育成について詳しく調査されていること、中央と地方との関連性についても述べられていること、政治家...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    幕末維新時代から大正デモクラシーまでの官僚たちの像に迫った本。制度史と当時の人々の考えの両面を丁寧に調べあげていて素晴らしい。維新時代にかき集めた、維新雄藩のお偉方や各藩の士族たちの官僚組織から、伊藤博文をはじめ広く頭脳を集めるとして官僚登用試験を開始するとともに大学を普及させて官僚養成校とした時代...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    「坂の上の雲」の官僚版であると同時に、近代日本の成立の過程を詳細に学ぶことができる。今現在の日本の官僚制度が今後どうなっていくべきかを考えるための基礎知識。
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    終章を含め全部で7章構成(1.維新の時代ー誰が統治を担うのか、2.明治政府の人材育成ー身分の超克、3.立憲の時代ー1870年代〜80年代、4.帝国憲法制定前後ー高等教育の確立、5.憲政の時代ー1890年代〜1910年代、6.大正デモクラシー下の人材育成、終章 統治と官僚の創出)の本書は、近代日本を支...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    慶應義塾大学総合政策学部准教授(日本政治外交史)の清水唯一朗(1974-)による明治・大正期の官僚育成・任用制度の成立過程。

    【構成】
    第1章維新の時代-誰が統治を担うのか
     1 明治国家の誕生-行政機関の樹立
     2 藩士から官僚へ
     3 維新官僚の登場-旧秩序を飛び出した人材
     4 公議輿論と人...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    明治維新より大正デモクラシーに至るまでの政治史を官僚制度、
    ひいては官僚個々人にスポットを当て紹介する一冊。
    多くの人物のエピソードが披露される傍ら、制度の解説もわかりやすく、
    明治初期に政治のしくみや大学のしくみをいかに構築するか
    悩み実現する試みは、これまでになく興味をそそり面白く読み込めた。
    ...続きを読む
  • 原敬 「平民宰相」の虚像と実像
    初の本格的政党内閣、平民宰相、暗殺された総理大臣と、歴史的に有名で、日本の近代史では必ず登場する原敬。そのわりには、その個性が分かりにくい人なのではないでしょうか。本書では「原敬」について、生い立ちから、最後までを辿ることで、その魅力と業績を知ることができます。それによって、「本格的政党内閣」や「平...続きを読む
  • 原敬 「平民宰相」の虚像と実像
    初の本格的な政党内閣を実現した「平民宰相」原敬の評伝。原は、粘り強い現実主義者として、傑出した政治家だったと再認識した。また、年齢を重ねるにつけ、円熟していく様がよくわかった。現代の、特に野党の政治家にも参考になる点が多いと感じた。
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    江戸末期、明治、大正の各時代の官僚の動態がいきいきと描いた良書だろう。十分な史料に基づき官僚という集団の特質をあぶり出し、その際重要な役割を演じたのが、立身出世の登竜門である旧制の高等学校・帝大、さらには私大を含めたその他の大学という高等教育機関という見方もできよう。この視点を持ちながら本書を読んだ...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    所謂文系と理系を分けたのはここにあるのか〜と。結局統治は儒教ベースで、それは武士が学ぶもので、政治の仕組みは海外からの輸入だから全部翻訳もの。技術みたいな実学は下士が学ぶものっていうことなんだろう。だから理系っていうのは下々の者が学ぶものっていう位置づけなんだろうな。。
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    近代化によって急遽必要となった国家統治のしくみ。試行錯誤の維新期から,制度が確立する大正デモクラシー期まで,官僚を軸にしてその変遷をたどっていく。
    行政を立ち上げていった維新官僚,藩閥官僚から,専門知識を活かし実務を支える学士官僚への世代交代,大学・高等文官試験といった人材登用制度の移り変わり,政治...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    明治維新後、新政府の急務は近代国家を支える官僚の確保・育成だった。当初は旧幕臣、藩閥出身者が集められたが、高等教育の確立後、全国の有能な人材が集まり、官僚は「立身出世」の一つの到達点となる。本書は、官僚の誕生から学歴エリートたちが次官に上り詰める時代まで、官僚の人材・役割・実態を明らかにする。激動の...続きを読む
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    明治・大正と、近代国家を作り上げた官僚たちを、彼らの生い立ちから丁寧に見ていく本です。明治期は、夢溢れた若者たちの頑張る様子を読むのが楽しかったです。また、だんだん点数至上主義になっていくところは、現在にも通じるものがありました。官僚、と一言でくくるには、個性豊かな面々。そして、政治との絡み。とても...続きを読む
  • 原敬 「平民宰相」の虚像と実像
    西園寺公望。原敬の上司。原を政友会の総裁に推薦した。

    爵位。大衆の支持を得るため、爵位の受けることを避けた。p.212

    原敬刺殺の犯人。国鉄・大塚駅の分岐器を操作する末端の公務員。p.294
  • 近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ
    前半・中盤にある制度設計の話はあまり面白いと感じなかったが、
    人材登用や人材育成の話は面白かった
    面白いというより実感が湧きやすかった
    教科書的な一冊としては非常に有用だと思う
    近代史を考える上での最低限の知識は身につく
    ただ、この本から新しい「問い」を作るのはちょっとだけ苦労しそう・・・