私の好みの焼酎は「本格焼酎」と記載のある「麦焼酎」です。
時々「甲乙混和焼酎」も飲みますが、値段はさほど変わらないので高級っぽい名称の「本格焼酎」を選んでいます。
本書は「本格焼酎」を正しく理解することを目的に書かれた本です。
"本格"って何?といつも思っていましたが、"本格"と名乗るための条件を知ることができました。
焼酎は1960年代までは九州の地酒にすぎず、労働者のおじさんが飲む臭くて安い酒でした。
1970年代に「本格焼酎」の表示ができるようになり、本格焼酎ブームが起き九州全体に市場が広がります。
1980年代には、大分麦焼酎&チューハイブームで日本の大都市圏へと大きく市場が成長します。
今では性別や年齢を問わず誰もが気楽に飲めるお酒になりましたね。
焼酎の製造方法や麹菌の違いは詳しすぎて難しすぎるので斜め読みでしたが、「風味」の評価の説明は丁寧に読みました。
分析する機器も開発されていますが、人の感覚器官を使って評価する「官能評価」の方法の箇所は面白かったです。
人の評価と聞くと、信頼性に問題ありと感じますよね。
例えば、2種類のガムをかんでもらうと、同じガムであっても7割の人が "先にかんだガムがおいしかった" と評価するという実験結果があります。(順序効果)
その他に、対比効果、記述効果、連想効果など、心理的効果によって無意識に間違った判断をするというデータを踏まえて、信頼性の高い評価方法が考えられていました。
焼酎の風味の評価では、飲み込まないで吐き出し、(吐き出した後の)後味と残り香もみるらしいです。
飲み込むのは、のど越しを評価するときくらいみたいです。(酔ってしまいますからね)
第5章は「健康を考えるなら焼酎」で、焼酎は「健康に良い」ことも魅力だと健康効果が書かれていますが、ちょっと良く言い過ぎでしょう。
本格焼酎には、糖質もプリン体も含まれない。
本格焼酎には、血栓を溶解する酵素を活性化する効果がある。
まあ、知っておいて悪い気はしません。
適量の酒(アルコール)は健康に良いというデータもありますが、適量とは(アルコール度15%の)日本酒なら一合程度です。
(身体的な)健康に良い量で我慢するのは(精神的)健康に良くないので、私はいつも精神面を優先してます(^^♪