横川和夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アトムの保育方針に100パーセント同意はしないが、さまざまな気づきがあった、という意味で星5。
この保育園のキーワードはおそらくぶつかり合いだと思う。読んでいると結構な回数それに類する表現がでてくる。
一方で、ぶつかり合いが目的化しているようにみえてくる。おそらくは信頼関係を築くために、相手の本心を同定する必要があり、そのためにはぶつかり合いを通して相手の生の心のありようを描き出したい、ということなんだと思う。
でも、それってぶつからないとわからないものなのだろうか。
自分の小さな箱からでる方法という本がある。
軋轢を乗り越え、より高次の関係に昇華するための方法論についての書籍だ。
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Posted by ブクログ
アトムの子育てのあり方、中でも保育士の親に対するアプローチが印象的。こんな教育をしているところが、2000年ごろからあったことを驚くとともに、まだまだ広がっていないことへ問いが立てられた。
「人間臭さ」は読んでいて温まる話だが、自分にそれができているかと言われると...というところに壁がありそう。
【教育に大切なことは】
・幼児期から人間は、遊びやけんかを繰り返す中で、異質の人間とぶつかり、自分と相手の間に距離感を知り、生きる力を学んでいく。アトムの保育の特色は、保育士だけでなく子ども同士、親とのぶつかり合いを大切にしていることだ。子どもはもちろん、家族まるっと支援する姿勢がアトムにはある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本の初版は2003年。
出版当時は華々しい紹介をされても、その後は尻つぼみになって消えていくパターンは結構多い。
例えば北星余市高校のヤンキー先生ブームからの廃校問題。
べてるの家も、今現在どうなっているか、わからない。
そう思ってネット検索してみたら、べてるの家、未だに同じように、いやそれ以上に活動していました。
これでこの本を安心して紹介できます。
北海道の浦河町、襟裳岬よりちょっと北にある小さな町の活動なんです。
引きこもり、家庭内暴力、統合失調症などで社会に関わることが難しく、自分に関わることですら自分が当事者になることができず、拘束されたり薬づけにされたりして自分を解放するこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「べてるの家」を取材した筆者によるルポ
発言録をもとに構成されていて、若干の読みにくさはあるけど、内容は興味深い。
「当事者性」に関する作者の考えは共感する部分も多いが、ルールやシステムを維持するために個が犠牲になることは悪なのか?
議論してみたいテーマ。
・べてるの家は、精神病のために自分で考え、決めて、行動するということができないとされてきた(当事者性を奪われた)人たちが、自分の役割を再発見する場所
・本当の回復とは、右肩上がりの高いところにあるのではなく、自分の真下にある
・医療技術の発達により、人間の思考を含めすべてを生物学的に説明しようとする、つまり精神病を脳の機能障害と捉え薬物療