古処誠二のレビュー一覧

  • ビルマに見た夢

    Posted by ブクログ

    古処誠二『ビルマに見た夢』双葉文庫。

    第二次世界大戦下のビルマを舞台にした5編から成る連作戦争小説。

    全体にふわっとした感じで、何時もの古処誠二作品のような戦争に対する皮肉や教訓を感じなかった。

    『精霊は告げる』『敵を敬えば』『仏道に反して』『ロンジーの教え』『ビルマに見た夢』を収録。

    本体価格700円
    ★★★

    0
    2023年02月19日
  • いくさの底

    Posted by ブクログ

    第二次大戦時、ビルマで農村に駐留する小隊で発生した殺人事件を扱うサスペンス。戦争がからむサスペンスというのが初めてだったので、こんなのあるんだと思ったが、解説を読むとジャンルとしてあるみたい。民間人で通訳として徴用された主人公の目を通して事件が進むが、実は華僑だの重慶軍だの真相がわかるシーンとかのロジックがやや難しかった。

    0
    2021年08月07日
  • いくさの底

    Posted by ブクログ

    古処誠二『いくさの底』角川文庫。

    毎日出版文化賞、日本推理作家協会賞受賞の戦争ミステリー。受賞作というのは時として面白くない場合が多い。本作もまた、あの古処誠二の作品かと思うくらい面白くなかった。

    第二次世界大戦のビルマ北部の日本軍警備隊が駐屯することになったある山村で、1人の将校が殺害される。さらには村長までもが同様の手口で殺害される。主人公の商社社員で通訳の依井は少しずつ犯人と動機に近付いていくが……

    本体価格880円
    ★★★

    0
    2020年01月27日
  • 中尉

    Posted by ブクログ

    戦地という場、敗戦という状況、そのような寄る辺ない状況下にあって他人と縁を結び他人を想うことのままならなさ。人を見る目を養うというのは、いかに自らをフラットな状態に置けるかの努力であって、それは極限下とても容易くはないことと知らされる。
    “中尉”の安否を示す真実はつまびらかにならず、淡々と時間は進み、少しばかり増える推測を補強し得る事実も。しかし尾能軍曹にとっては自らの“希望”を揺するものでしかなかった。人間関係は立場と視点に制約される、それが個人間であれ国家間であれ。そんな諦観を思った。

    0
    2018年11月04日
  • 線

    Posted by ブクログ

    「軍隊は」という繰り返しにうんざりした。

    軍隊という組織の特性じゃない。
    日本人の生み出したものだ。

    解説にあるほどのものじゃない、と感じるのは私の好みに合わないというだけなのだろう。

    0
    2013年12月27日
  • 線

    Posted by ブクログ

    友人の好きな作家さんだというので、気になって読んでみました。
    過酷なニューギニア戦線での兵士たちの物語。飢えと暑さと疫病に苦しめられ、ひたすら死に向かうだけの兵士たちの姿は壮絶でした。
    特に心に残ったのが「豚の顔を見た日」
    敵の濠州兵は白豚だと、奴らは人間ではない、人間であってはならないと、そう信じて戦ってきた日本兵が見た敵兵の涙。国と国の戦いであっても実際に殺しあっているのは人間と人間だと気づかされた時の悲しみや恐怖が、読み終わった後もずっと頭から離れませんでした。
    あと「たてがみ」にも泣きました。動物ものには弱い。
    歴史に疎く、また軍隊の構成とか階級などもいまいちわかってなかったので難解な

    0
    2013年07月14日