末井昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読んで深く感銘を受けた部分を以下に記載します。一人でも自ら亡くなることの無い社会を願っています。
「自殺する人は真面目で優しい人です。真面目だから考え込んでしまって、深い悩みにはまり込んでしまうのです。感性が鋭くて、それゆえに生きづらい人です。生きづらいから世の中から身を引くという謙虚な人です。そういう人が少なくなっていくと、厚かましい人ばかりが残ってしまいます。(略)本当は生きづらさを感じている人こそ、社会にとって必要な人です。そういう人たちが感じている生きづらさの要因が少しずつ取り除かれていけば、社会は良くなります。(略)もしいまあなたが、自殺しようかどうしようか迷っているのでしたら、どうか死なないでください。そこまで自分を追い込んだらもう充分です。あなたはもう、それまでの自分とは違うのです。いまがどん底だと思えば、少々のことには耐えられます。そして生きていて良かったと思う日が必ず来ます。(略)みんな死なないでくださいね。生きていて良かったということはいっぱいあるんだから。」(352P~357Pを抜粋) -
Posted by ブクログ
末井氏の『自殺』を読んで、他の本も読んでみたくなって。末井さんは、お世辞にも誉められた人生を歩んできておらず、読んでいて軽蔑する部分も多いのだが、飾ることもせず自分の過ちや卑近で弱い部分をさらけ出すので、読んでいるこちらも「仕方ない人だな」と思いつつ許してしまうような気持ちになる。また末井さんのダメなところに自分のダメなところを知らないうちに重ねているんだと思う。
『自殺』は東日本大震災、今作はコロナ禍という大きな災害を契機に書かれたもののようだ。母親のダイナマイト自殺という類稀な経験や、50代でのがん罹患というありふれていつつも本人にとっては大きな経験から、末井氏の中で「死」は大きなテーマなのだろうなと思う。
100歳まで生きてどうする、という、長生きに否定的なタイトルとは裏腹に、生きられるなら生きてみたい、という欲が惜しげもなく開陳されている。けれども、「人生100年時代」を生き抜くために、日々新しい知識やスキルを身につけて、競争に勝っていくことを指南する『LIFE SHIFT』的な生き方は、全然いいと思わない。もっとぼんやり生きたっていいじゃないか。わかる、わかる。すごくわかる。
がんを経験してからは毎年検査で全身麻酔の臨死体験をするようになり、死ぬときはラクに逝きたいなー、なんて思いつつ、安楽死の合法化には否定的。自己責任論が行き過ぎ、迷惑をかける存在になる前に死を選ぶことを強要する社会になりかねないという懸念からだ。日本と欧米の国民性の違いというものも決して無視できない。日本人に安楽死は合わない、と。
妻がいながら複数の女性と交際し、ギャンブルで何億もの借金を抱えた過去を持つ末井氏。著者の写真も本に載っているが、ちっともカッコよくなくてビックリした。ただ文章を読むと、どこまでも俗物でありながら、それにそぐわないくらいのまともなバランス感覚を持ち合わせていて、この人にどうしようもなく惹かれてしまう気持ちは何となくわかるような気がした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ母親のダイナマイト心中をネタにできるなんてあーあいいご身分だなと斜に構えていたところはある。
が、それにしても先入観で敬遠していた自分を罵りたい。
いや優しく教え諭してあげたい。
・同情なしの笑い話で自殺スパイラルから脱却。
・母の爆発が故郷から自分を吹き飛ばしてくれた。
・いじめの加害者は自分の癒しのために。
・世間サマは真の人間を嫌う。
・山浦玄嗣。ケセン語聖書。
・青木麓。両親が心中。
・パフォーマーから編集者まで。バブルに纏わる大借金。
・ホームレスパチンカーと友達。
・吉岡尚文。秋田県の憂鬱。
・早野梓。樹海で声掛け。
・神蔵美子。ダブル不倫相手→結婚相手の写真家。「たまもの」「たまゆら」「たまきはる」
・月乃光司。壊れものの祭典。
・千石剛賢。千石イエス。イエスは熱中していたので性欲はなかった。シオンの娘。
・永沢光雄。「AV女優」の。
ただひとりの語りではないのだ。
多くの人の証言を拾い集めていく。形式ばったものでなく。
自殺を真ん中に据えて、家族友達同僚恋人する人残された人やり遂げた人やり損ねた人主観的客観的笑い深刻などなど様々な切り口で、自殺や死に切り込んだり迂回したり。
こうやって読んだり表現したりすることで少しだけゆとりを持つという点で、作者も読者も同じ作業をしているという構成。
こんなに柔らかい作りなのにパワーを持つ。まさにいい本。会えてよかったという言葉がしっくり。