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Posted by ブクログ
末井氏の『自殺』を読んで、他の本も読んでみたくなって。末井さんは、お世辞にも誉められた人生を歩んできておらず、読んでいて軽蔑する部分も多いのだが、飾ることもせず自分の過ちや卑近で弱い部分をさらけ出すので、読んでいるこちらも「仕方ない人だな」と思いつつ許してしまうような気持ちになる。また末井さんのダメなところに自分のダメなところを知らないうちに重ねているんだと思う。
『自殺』は東日本大震災、今作はコロナ禍という大きな災害を契機に書かれたもののようだ。母親のダイナマイト自殺という類稀な経験や、50代でのがん罹患というありふれていつつも本人にとっては大きな経験から、末井氏の中で「死」は大きなテーマなのだろうなと思う。
100歳まで生きてどうする、という、長生きに否定的なタイトルとは裏腹に、生きられるなら生きてみたい、という欲が惜しげもなく開陳されている。けれども、「人生100年時代」を生き抜くために、日々新しい知識やスキルを身につけて、競争に勝っていくことを指南する『LIFE SHIFT』的な生き方は、全然いいと思わない。もっとぼんやり生きたっていいじゃないか。わかる、わかる。すごくわかる。
がんを経験してからは毎年検査で全身麻酔の臨死体験をするようになり、死ぬときはラクに逝きたいなー、なんて思いつつ、安楽死の合法化には否定的。自己責任論が行き過ぎ、迷惑をかける存在になる前に死を選ぶことを強要する社会になりかねないという懸念からだ。日本と欧米の国民性の違いというものも決して無視できない。日本人に安楽死は合わない、と。
妻がいながら複数の女性と交際し、ギャンブルで何億もの借金を抱えた過去を持つ末井氏。著者の写真も本に載っているが、ちっともカッコよくなくてビックリした。ただ文章を読むと、どこまでも俗物でありながら、それにそぐわないくらいのまともなバランス感覚を持ち合わせていて、この人にどうしようもなく惹かれてしまう気持ちは何となくわかるような気がした。
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