松田治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ端的な感想は、「歴史好きにはおすすめできる面白さ。一般には薦めづらい」という所でしょうか。
私には、文学作品や歴史作品はやはり一次文献にあたりたいという欲がありますが、やはり分量的・金銭的・そして時間的制約からなかなか難しいものです。かといって入門書のように紹介やあらすじだけだったり大枠を示しただけでは今一つ深みを感じられないという場合もあります。
本作は広大なギリシア神話・歴史の中でトロイア戦争にフォーカスし、その過程をつづったもの。
本来トロイア戦争の記述は、ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』、ソポクレス『アイアース』、クイントゥス『トロイア戦記』など、知ってたり知らなかったりする書物を羅列しますが、こうした書物に散らばって書かれているそうです。
ですからその点では本作は、一次文献と二次文献の中間と言えるでしょうか(翻訳だから次数がもう一つ高いというべきか?)。
さてこのトロイア戦争の内容ですが、ピンとこない方も多いでしょう。
神話と物語の入り混じったものでありまして、神々や半身が活躍するスペクタクルものです。スパルタを旗振り役とするギリシア陣営と小アジアのトロイア陣営との20年に及ぶ闘いを記したものです。トロイの木馬の逸話は有名ですのでうっすら知っている方は多いのではないでしょうか。
ちなみに戦争のきっかけは、スパルの王メネラーオスが絶世の美女ヘレネ―(半神半人)を妻にするところから始まります。このヘレネ―が何とトロイアのパリスに誘拐されます。この美女を取り返すための戦争であります。
最中には英雄アキレス(ギリシア側)、オデュッセウス(ギリシア側)、アマゾーン軍団(女性だけの戦闘部隊・・・トロイア側)など、何となく耳にした名前を多く見ることになります。あ、この横文字はギリシア神話から来ていたのだなという体験を幾つかすることになるかもしれません。
・・・
そこまで眠くもならず、かなりスムーズにトロイア戦争について包括的な理解ができたと思います。まあ、トロイア戦争を集約して理解して何の役に立つわけでもありませんが笑、
トロイア戦争は長年神話の一部とされてきましたが、ドイツ人のシュリーマンによってトロイアの遺跡が発掘され、トロイアの存在は確認されました。彼の書籍も機会を見つけて読んでみたいと思います。
ということで古代ギリシアに興味がある方、神話に興味がある方、語源学やウンチク好きの人にはおすすめできる作品だと思います。 -
Posted by ブクログ
神話と史実の境目。
ゼウス、ヘレ、ポセイドン、アポロン。名だたるギリシャの神々が登場するが、神話と一線を画しているのは、その力の顕現について。物語の主役はあくまで神の子供たちであり、神はけっして御身を晒さず、ただ天の災いとしてその力を示すのみ。どのように語り継いでこられたかによるところであろうが、現代に続く人間の物語としての位置づけが伺い知れる。
本書はその伝承の全容を語るものであるので、その変遷については、また別の研究が必要だろう。登場人物が多すぎるうえに前日譚、後日譚が不足しているため人物像は掴みにくいが、物語と神話と歴史を一つに楽しめる一冊。 -
Posted by ブクログ
これねー・・・わたしがばかなだけかもしれませんが、すごい難しかったです。ゆっくり読み薦めていかないと理解ができない。
そしてなんといってもギリシャ神話はとにかく神様が多い!!名前を覚えるのも一苦労です。(名前と誰の子供か、とかを頭に入れておかないと神話読めません)
現地の人の本を和訳してるからなんでしょうか。言い回しと表現がちょっと日本語的に「ん?」な部分が多く、2、3回読み返してしまいます。わたし割りと一回で理解してどんどん読んじゃうタイプなんですが、これはすごいじっくり読まないといけない感じです。
もうちょっと分かりやすくしてくれるといいのにな・・・
折角個性的な神様いっぱいいるのに・・・と少し残念です。
あと絵が無いですね。まったく。
サイズは文庫サイズ。
持ち運びには便利です。
時間をかけてゆっくり読む人にお勧め。