菊池新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アトピー性皮膚炎の原因はどこにあるのか?
それを、皮膚の専門的医師が、的確に指摘する。
世の中の 勘違いについて 説明する。
1 体は毎日しっかり洗って清潔にしたほうがいい。
→ゴシゴシ、洗わないほうがいい。シャンプーも使わないほうがいい。
2 肌をキレイにするにはクレンジング、角質除去は欠かせない。
→クレンジングは皮膚に強いストレスをかける。
→角質を無理やり剥がすと、肌に傷がつく。
3 コラーゲンを食べると肌がプルプルになる。
→コラーゲンは、食べると、分解されてしまうので、プルプルになりようがない。
4 ステロイドはなるべく使わないほうが良い。
→ステロイド全般を否定して、余計ひどくなる場合がある。
→あくまでも、原因療法ではなく、対症療法である。
5 市販の水虫薬が効かないのは塗り方が悪いから。
→水虫は、なぜ起こるのか?原因を突き止める。
6 金属アレルギーはアクセサリーに気をつければ大丈夫
→歯に金属の詰め物していないか?それがアレルギーとなる。
→金属アレルギーの人には、口臭がする。
7 アトピーのきっかけは食べ物やダニ、ホコリ
→洗濯洗剤のすすぎ残しによるかぶれからアトピーになる。
→界面活性剤、香料、蛍光剤。
8 子供のアトピーは小児科やないかにかかるべき。
→皮膚の専門家。アトピーの知っている医者にかかるべき。
→アトピーの原因を突き止めるために、検査をすること。
9 日光浴をしないとビタミンD不足で病気になる。
→強い紫外線を浴びれば、皮膚ガンになりやすい。
10 天然由来成分の製品の方が安心。
→表示は、売るための言葉が使われる。よく成分を見ることが必要である。
これだけ読むだけでも アトピーに関する情報が
皮膚の専門家として整理されている。
間違った、もしくは勘違いな情報が多すぎるのである。
それを、理解できる 好著である。 -
Posted by ブクログ
かゆみが起こる仕組みと、皮膚の異常、アトピーや金属アレルギーなどの治療について、皮膚科の先生が分かりやすく解説したもの。
「なぜかゆくなるのか」なんて考えたこともなかったので、面白そうだと思って読んでみた。そもそもヒトにはなんで「かゆい」という感覚があるのか、というのが興味深い。「『かゆい』『掻くと気持ちいい』という感覚は、生命が存在するために必要なものだ。たとえば自然界において、病原体は大きな敵だ。それを媒介する虫などを『掻き取って排除したい』という本能は、遥か遠い私たちの祖先が生き延びるために有利に働いたのだろう。」(p.95)というので、納得。「だが、アレルギーなどがかゆみの主たる原因となっている現代の人類にとって、これらは厄介なしくみでしかなくなっているのだ。」(同)だそうで、人間はアレルギーにも対処できるような体に進化することは、今後あるのだろうか、とか思った。
この本では、「イッチ・スクラッチサイクル」と、「ステロイドの使用」という2つの話題がポイントだと思う。前者については、掻くと炎症が起きてかゆみが増すのでまた掻く、という悪循環のことで、要するにこのサイクルを止めることが重要、というのは分かりやすい。が、「掻くと必ずや快感がついてくる」(p.54)というのだから、本当に「悪魔的な感覚」(同)と言えると思う。特に「軸索反射」という、「脊髄を介することのない、神経線維内の現象」(p.85)というものがあって、「一箇所がかゆかっただけなのに、いつの間にかその周囲までかゆくなってきた」(p.84)ということが起こるらしい。本当に厄介。そして、掻き続けるとさらにかゆみに敏感な体になるらしく、「人間の脳は、繰り返される刺激に対して研ぎ澄まされるように進化してきた」(p.89)ことの結果らしい。こういうヒトの特性、というか本能を理性で抑える、というのがかゆみの治療の本質なのかもしれない。
あとかゆみの原因であるヒスタミンという物質は、食品にも含まれているらしく、「サバや蕎麦」(p.118)がそれであるらしい。こんなの初めて聞いた。鯖寿司好きなんだけどな。蕎麦とか食べまくったらかゆくなるんだろうか??
それから「ステロイドの使用」というのは、対症療法が意味を成す場面を考えて使用する、ということだと思ったが、とにかく誤解してテキトーに処方する皮膚科医が多い、とのこと。アトピーで悩む人は読むべき本なのかもしれない。というおれも、ちょっとアトピーがあったりするので「ステロイドのほかに、『タクロリムス(プロトピック軟膏)』もしばしば用いられる」(p.142)という部分で、なんかプロトピック軟膏って処方されたことがある気がする。「塗ると火照り感やわずかにピリピリとした痛みを感じることもあるが」(p.143)ってまさにそういう感じがして、あんまり使わなかった気がする。けどそれを乗り越えた?先に本来の効果が発揮されるらしく、「結果的に、この薬剤が本来持つ優れた薬効を知る前に、タクロリムス嫌いの人が増えてしまっているのが残念」(p.143)とのことで、本当に「『モノ』ではなく『情報』を売るのが皮膚科医の仕事」(p.200)というのは、もしかすると医者の仕事の半分くらいに側面があるかもしれないと思った。
全く関係ないけど、なんかこの本を読んでると、意識するからなのか、体の色んなところがかゆくなってくる感じがする。(19/12/14)